去年の11月末から12月頭にかけて、Visual Studio 2008 Express EditionでのTCP/IP通信のやり方について調べていた。
同世代の中では今や少数派なのかもしれないが、どうも僕はコンピュータのモニタで文章を読むのが苦手で、紙に印刷しないとダメなタイプ。「書類を電子化しても、結局プリントアウトして読むから、紙資源削減につながらない」典型例。
上述の期間中、来る日も来る日もMSDNのヘルプを印刷しては読んでいた。12月上旬のこのブログの更新頻度が激減することになったのには、そういう理由がある。
単にTCP/IP通信のやり方を調べるだけでは済まず、ブロッキング処理とノンブロッキング処理の違い、同期処理と非同期処理の違い(更には「同期メソッドの非同期呼び出し」なんてわけのわからないテクニック)、マルチスレッド処理、スレッド間の同期処理、イベントとデリゲート、COM連携…、と調べることは山ほどあり、簡単な1対Nのサーバー・クライアント型のチャットプログラムの試作品のようなものを書くのに結局10日もかかった。その10日間で過去数年の間に少しずつ溜め込んできたA4の裏紙600〜700枚を消費してしまった。
うちのインクジェットプリンタは知人から譲ってもらったもので、イザというときには役に立っていたが、正直「イザというとき」は半年に1回くらしか訪れなかった。何ヶ月間も電源を1度も入れていないと、ノズルヘッドに付着したインクが固まってしまっているし、カートリッジ内のインクも水分が蒸発して粘度が高まってしまうものらしい。「イザというとき」に役立ってはいたものの、その都度、満足のいくプリント結果を得るまでに丸1〜2日を要していた。
それが今回は、インクが見る見る減っていき、ブラックインクが2ヶ月、カラーインクは1ヶ月でなくなってしまった。エプソンがPC98互換機の生産をやめ、プリンタやスキャナを事業の中心に位置づけたとき読んだ記事に、「プリンタ産業のビジネスモデルは、プリンタ自体は安く売り、インクやトナーカートリッジ等を末永く販売することで利益を得る、というもの」と書かれていたのだけど、それから15年ほど経った今になってようやく「なるほど」と納得した。
さて、インクカートリッジは仕方なく買ってきたが(ケチケチ作戦で純正品ではなく互換品を)、プリンタ用紙を買うのが気に食わん。考えてみると、僕はこれまでの人生で一度もプリンタ用紙を買ったことがないような気がする。どうしたものかと考えて、以前、大学のコピー機コーナー周辺に大量の「失敗コピー」の紙が散乱していたことを思い出した。あれを100枚くらい集めて失敬してこよう。
法律的には問題あるかもしれないが、スピリットとしてはむしろ褒められるべきもののような…。だって、捨てられる運命の紙資源を再利用しようというのだから(今は捨てないのかもしれないが)。
と言うわけで、年末に近所の大学のコピー機コーナーを数カ所見に行ったのだが、驚いたことに失敗コピー用紙が見当たらない。これが、「失敗コピーは持ち帰る」というマナーが徹底されるようになった結果なのか、単に年末でコピー機を利用する学生があまりいなかっただけなのかはよくわからない。あるいは、最近の学生はコピーをあまりとらないのかもしれない(僕が大学生の頃なんぞ、試験期間が近づくと誰かのノートを借りてはコピーさせてもらうのが必須の課題だった。東京の大学に進学した妹は「ノートを友人同士でFAXでやりとりしている」と話しており、「東京の学生は進んでるなぁ」なんて感心したものだ。現在の学生は、例えば、授業のノートをノートパソコンでとり、ノートの貸し借りは電子ファイルとして行っているのだろうか)。
「ケチケチ裏紙作戦」が実行できないことが明らかになり、どうしようかと部屋を眺め回して見つけたのが、大学生の時に使っていたB5のルーズリーフの残り数十枚だ。
僕が大学生の頃、大学の授業のノートはルーズリーフでとるのが格好良かった。小中高校ではルーズリーフは御法度だった。おそらく教育学的に「ルーズリーフはノートが分散してしまいがち」ということで禁止されていたのだと思う)。大学では「ノートのとり方」なんてことをとやかく言われなかったので(逆に最近では、「学力低下」のせいか「ノートをとれない大学生」が増加しており、大学で「ノートのとり方」から指導しなければならないことになっているらしいが)、「大学の授業にはルーズリーフ持参で出席する」というのは、ちょっと大人になったような気分を味わえたのだ。その頃の名残がね、何とうちにまだあったというわけ。
で、A4の裏紙がなくなったので、このB4のルーズリーフにMSDNのヘルプを印刷してみたところ…、何とA4の紙で7ページになるような情報をB5の紙に印刷すると、6ページで済んだりする。えっ?とよく見てみると、用紙サイズが小さくなったことによって、文字サイズや行間サイズが自動的に(A4→B5への縮小比率以上に)縮小されたようで、細かい文字でビッシリと印刷される代わりに、紙数は少なくて済むようなのである。大きな紙に印刷するとかえって枚数は多くなるという、何かちょっと凄い話。
先日、このルーズリーフ(の表と裏)も使い切ってしまったので、仕方なくヨドバシカメラにプリンタ用紙を買いにいった。1番安い商品がB5サイズ500枚で390円。正直、紙質は良くないけれど、これで我慢。これでどのくらいもつかな。

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