一昨日の朝、あまりにも良い天気だったので、自転車整備にとりかかった。
僕の乗っている自転車は別に良い製品でも何でもない。2年前に中古自転車として(登録料込みで)6000円弱で買ったもの。かたちはクロスバイク風だが、まぁ新品価格2万円前後のスポーティーなシティサイクル、といったところか。
一昨日は、金ブラシを使って、チェーンや前後ギヤ周辺にこびりついた泥を落とすだけで半日を費やした(朝から夕方まで)。下駄箱の中にあったカーシャンプーや、家庭用の油汚れ用洗剤(換気扇なんかの掃除に使うヤツ)を使ったんだけど、全く歯が立たなかった。泥というか、油と泥と埃が固まってネチャネチャの粘土みたいになっており…、すぐに金ブラシが使い物にならなくなってしまった。台所のタワシやスチールウールまで使ってだいぶ落としたけど、スチールウールなんてフライパン擦るのも避けるべきくらいのものなんだから、これで自転車パーツを擦ったなんて自転車屋さんが知ったら卒倒しちゃうかもしれない。
とにかく2年間一度もメンテナンスなんてしたことがなかったわけで…。ジックリ見てみるとどこもかしこもヒドい状態だったので、逆にどこから作業していいものか困った。手当たりしだいにやっていたら、かえって時間がかかってしまった。各種パーツの動きを目で確認したり、部品を外して雑巾で拭いてみたり…。
自転車用オイルを持っていなかったので、近所のホームセンターに買いに行った。またもやいつものケチケチ作戦でホームセンターのプライベートブランドの激安潤滑油と、同ブランドの激安ディグリーザー(油落とし。商品名としては「ブレーキクリーナー」だった)も購入。試しに使ってみたら、驚くほど油汚れが落ちる。最初からこれ使うべきだった!
後輪ブレーキを分解し、
ブレーキパッドがスッカリ磨り減っていることに気づいたのも一昨日。
昨日はその続きで、前輪ブレーキを外してみたところ…、パキン!と音を立ててパーツが割れてしまった。
この部品はスプリングのカバー(追記:カンチブレーキの「片効き」を解消する調整も、このパーツの小さいネジを回して行うようだ)。ブレーキレバーを握ればブレーキシューが車輪のリムを挟み込む。離せば元に戻る。元に戻るのは、カンチレバー根元のスプリングの力によるもの。そのスプリングを覆っている、柔らかいプラスチック(ゴム?)のカバーなんだけど、日に当たり劣化していた。また、(ブレーキレバーを握って)スプリングに力がかかると、スプリングが膨らんで、このカバーを内部から押すことになる。これが繰り返されるためもともとカバー自体が破損しやすいものらしく、前後左右の4箇所の全ての箇所でこのパーツにヒビが入っていた。
と言う訳で、現在この部分はブレーキのスプリングがむき出し。で、今度はこのスプリングが錆てくる、と(トホホ)。
後輪のタイヤにかなりヒビが入っていることも気になった(ゴム製品全般が劣化しており、ヒビ割れているパーツも多い)。で、どうも700×35Cのタイヤというものは普及品なら1本2000円程度で買えるもののようで、近いうちに替えてやろう、と思うわけだが…。
この自転車は本格的な製品ではないので、車輪(ホイール)を外すとなると、ボルト(ナット)を外さなければならない。うちには工具がないから、まず工具から買ってこないとならない。ところが、このボルトのサイズがわからない(涙)。
定規で測ると14.5mmくらい。ホームセンターの工具売り場に行くと、14mmや17mmの工具はたくさんある。ところが、15mmの工具は何故か少ない。そうすると、14-15mmのコンビスパナ(?)を2本買うってことになるわけで…、面倒臭いので後回し(ちなみに、僕は「工具」好きなのかもしれない。ホームセンターで工具を眺めているだけでワクワクしてしまった)。
ホームセンターや近所の大型スーパーの自転車コーナーには、僕の自転車に使われているカンチブレーキのブレーキパッドの在庫はなかった。そもそも、最近の自転車にはカンチブレーキなんか使われてないのかもしれない。新品の自転車のブレーキだけ重点的に見て回ると、Vブレーキが主流のようだ(一部キャリパーブレーキもあり)。確かに、Vブレーキやキャリパーブレーキの方が、ブレーキシュー部分の交換も調整も簡単そう。そういうブレーキと比較すると、カンチブレーキは構造も調整方法も前時代的なものに見える。
一昨日分解してしまった後輪ブレーキの復元には苦労した。ブレーキユニットを分解してしまって、洗剤を入れた水に一晩つけておいたのだが…。これを元に戻せない(笑)。僕はもともとかなり不器用な上、そもそもあるべき正しい状態をわかってないのに分解しちゃった。
自分としては意外だったのは、僕がブレーキを(軽い気持ちで)分解してしまったこと。世の中には「小さな頃から(時計等の)機械を分解して元に戻せなくなっては怒られた」という子供がいると思うのだが、僕自身は全くそういうタイプではなかった。「元に戻せなくなるかも」という恐怖感が強くて、分解なんてとてもできない(僕が旅行嫌いなのも「帰って来れないかもしれない」という恐怖感が強いからだし)。それが一昨日はどんどん分解してしまった(左右対称なので、片方だけ分解した。分解していない方を見れば、元に戻せると思った)。
しかしまぁ不器用なので、分解している途中でスプリング系の部品が弾け飛んでっちゃったり、部品を落として向きがわからなくなったり、さび付いたボルトを力任せに回そうとして(ダメ! 絶対)、他の箇所にシワ寄せがいっちゃったり…。後輪ブレーキを分解していて、ブレーキワイヤーや触っていないはずのブレーキレバー周辺がおかしなことになっていて大いに慌てた。分解に要した時間はものの数分だろうが、元に戻すのに3時間かかった(笑)。途中かなり後悔して、何とか元に戻せたときには心底ホッとした。
その後、下駄箱から見つけた錆落とし剤を布切れにとり、ホイールのリムやスポーク1本1本を磨き、まだ泥が落ちていなかった前ギアや後輪ディレーラーを掃除し…、両手は油汚れで真っ黒(油落とし用のハンドクリーナーを買うべきだった!)。昼過ぎから夜7時頃まで作業をしていて、指先に力が入らない…。
最終的に腕でクランクを逆向きに回してみて、随分チェーンの回りが軽くなったように思ったので、早速試し乗りにGo。2kmほど離れた大型スーパーまで乗って行ったのだが…、別に乗りやすくなってない(涙)。それどころか、変速の調子はかえって悪くなっているように思うし(ディレーラー調整の失敗)、思い切りペダルを踏み込むとどこからか異音が聞こえてくるし(注油すべき箇所がわかってないから?)、後輪ブレーキの効きも悪くなってる(リムに錆落とし剤を塗ったせい?)。
だけども、あれほど泥だらけだった自転車が多少は綺麗になったし、自転車の構造やメカの仕組みも少しずつわかってきた。「分解しても元に戻せる」という感覚も得られたし、自転車Loveは高まったかな? 同時に、自転車Loverとしてのスキルも少しは高まったか。今日は後輪ブレーキだけでも直してやらにゃあ…(錆落とし剤のせいだけでなく、そもそも分解後のセッティングがまるでなってないんだと思う)。
※ 疲れ果てて布団も被らず寝てしまい、今日はちょっと風邪気味です…。

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