昨日、日曜の朝から「道道札幌恵庭自転車道線」(札幌市白石区〜北広島市)をロードバイクで走ってきた。
数年前から(自転車で)走ってみたいと思っていたサイクリングロードがあった。北広島市の「エルフィンロード」である。
北広島市は札幌市に隣接する、札幌のベッドタウン的な都市で、「きたひろ」の愛称で呼ばれている。正直僕が北広島市を訪れる機会は少ない。新千歳空港を利用する際に通過するだけだ。そんな僕が「エルフィンロード」を知ったのは、2008年の「第5回エルフィンロードハーフマラソン」に参加したときで、このとき以来この大会には参加していないから、たった1回だけ(自転車ではなく脚で)走ったことがあるだけ。そのとき「エルフィンロードは札幌市内のサイクリングロードと繋がっていて、東札幌まで自転車で行ける」ことを知り、それなら是非走ってみたい、と思っていたのだ。
札幌市白石区の東札幌から厚別区の大谷地までの区間(白石サイクリングロード?)に関しては、15年ほど前の夏に集中して走ったことがある。当時、アルバイトで厚別区にある学習塾に通っていた。西区〜中央区〜白石区〜厚別区を自転車で往復した(何分かかったのか憶えていないが、意外と早かったように思う。ちなみに、市営地下鉄東西線の琴似〜新札幌間の所要時間が確か29分)。そのときの記憶では、東札幌の白石サイクリングロードの基点は、マンションや民家の集中する住宅街の目立たない場所にあった。反対側の終点がどこだったのか想い出せないのだが、大谷地辺りだったのではないかと思う(途中からサイクリングロードではなく一般道を走って学習塾に向かった記憶がある)。今ではサイクリングロードは延長されて、大谷地から新札幌を越え、厚別区の端まで行けるらしい。おそらく、この部分が「陽だまりロード」なのだろう。
その「陽だまりロード」が「エルフィンロード」と繋がっているのだ。実際は一本のサイクリングロードなのだが、北広島市部分が「エルフィンロード」、札幌市厚別区部分が「陽だまりロード」、札幌市白石区部分が「白石サイクリングロード」なのだろう(ウソかも)。行政的には、正式名称を「道道札幌恵庭自転車道線」というらしい。総距離は18km程度? 自宅から現在の東札幌側の基点(札幌コンベンションセンター)までに7kmほど、サイクリングロードが18kmだとして、合計25km。往復50km。ちょうど1カ月前にロードバイクを購入して、まだ1回のサイクリングの最長距離は30kmだが、この自転車にも少しずつ慣れてきたし、そろそろ50kmくらい行っちゃおう。ゴー・イースト・オン・ザ・エルフィンロード!
自宅を出たのは午前7時30分頃。白石サイクリングロードに入ったのは8時少し前だが、日曜の朝であることもあり、ジョギングや散歩をしている人が多かった。ジョギングを行っている人には本格的なウェアを着ている人が多く、一週間後に迫った北海道マラソン参加予定者の比率の高さを思わせる。自転車は軽いサイクリング風の人が多い。
サイクリングロードに入って、すぐに「北広島まで17.0km」といった距離表示盤が数百m置きに設置されていることに気づいた。17kmという距離は微妙なところで…、「そんなもんか」とも思うが「それだけか」と思う距離ではない。
白石サイクリングロード・陽だまりロードは、道幅が広いワリにはあまり走りやすくなかった。歩行者が多いこと、アスファルトの質があまり良くないこと、微小なデコボコが意外と多いこと(これは、マウンテンバイクの太いタイヤや、普通のママチャリのタイヤであれば、全く気にならないだろう)、車道の下を潜るトンネルを通過するためのアップダウン(正確には「ダウンアップ」)が多いこと、等々が、その理由。
その印象は、上野幌小学校・青葉中学校の間を抜けた途端に一変する(ここから北広島市内に入るのかと思ったが、実際はここから更に1.2kmほど進んだ後に北広島市内に入る)。道幅が急に狭くなるのだ。ところが、自転車で走るのには、むしろエルフィンロードに入ってからの方が走りやすい。理由は先ほどと正反対で、歩行者が少ないこと、アスファルトの質が良く微小なデコボコが少ないこと、車道の下を潜るためのトンネルがないこと。
エルフィンロード上では、すれ違う人間のタイプも変わった。マラソン大会の参加賞Tシャツを着て走る人、本格的なロードバイクで走る人(そういうライダー(?)とはすれ違う瞬間に軽く会釈するのが暗黙のルールのようだ)。天気も良く、日が照っていたせいか、ちょっと軽く散歩、という人はあまりいなかった。
たった1度しか走ったことのないエルフィンロードだが、北広島区間は8〜9kmしかないのだそうだ(「きたひろしまエルフィンロードハーフマラソン」では、最初にスタート・ゴール会場である北広島市総合体育館周辺の市街地を一周し距離を稼ぐ)。4年前の記憶を辿りながら走っていると、あっと言う間に市の中心部の住宅街に達してしまった(途中で強く印象に残っていたのは「自転車の駅」。人生初の脱水症状でもう走れなかったのに、給水ポイントのボランティアの男子高校生(?)に「ガンバでーす!」と極めて事務的に励まされ、苦笑いするしかなかった)。
JR北広島駅の駅舎に併設されている「エルフィン・ターミナル」なる建物も発見。ここが文字通りエルフィンロードの「終端」なのかな?と思ったら、自転車・歩行者専用道路はまだ続く。えぇい! 行ったれぃ!と進んでみると、300mほどでついに途絶えた(行き止まりではなく、JRの線路の上を超える高架道路の下で一般道に繋がっている)。ここが今日の中間地点、1時間06分19秒。
背負っていたリュックからペットボトルの水を取り出し、ゴキュゴキュと飲む(僕の自転車には、まだボトルケージやサドルバッグ等を取り付けていない)。ふぅと一息つくが、線路脇の高架下である。風光明媚な場所ではないし、名物のソフトクリームがあるワケでもない(本当は、すぐ近くに以前評判だったソフトクリーム屋があるはずだが、日曜日の朝8時台から営業しているものか…)。ストップウォッチを見るとまだ3分しか経っていないが、もう飽きてしまった。ゴー・ウェスト・オン・ザ・エルフィンロード!
エルフィンロードは静かだった。人の話し声はもちろん、人間の立てる生活音が全く聞こえてこなかった。自動車のエンジン音のような交通音も皆無。それどころか、野鳥のサエズリも聞こえてこなかった。まるで時間が止まっているかのよう。こういうのダメな人はダメなのだろうが、僕は嫌いじゃない。エルフィンロードそのものがもっと自宅から近ければ、頻繁に走りに行くのだが…。
今回のサイクリングは前傾姿勢がキツかった。腰が痛いし、硬いサドルのせいでお尻も痛い。と言うか、何度か乗って、サドルのどの辺りにお尻を乗せればいいのかだいぶコツがつかめてきたと思っていたのだけど、昨日は再びそれがわからなくなっていた。力をこめてペダルを踏み込むのではなく、軽めのギアでクルクル回すようにペダリングしているツモリなのだが、右膝の下辺りが痛くなってきた(おそらく太ももの筋肉が柔軟性を失い膝下の靭帯が引っ張り上げられ、痛みが出る)。
大谷地に戻ってきた辺りでかなりクタビレていて、集中力が弱まっていた。札幌市内の区間はやはり人が多かったのに、飛ばし過ぎだったかもしれない。スピードを落とす精神的な余裕がなかった。と言うか、そもそもタイムを気にして飛ばすつもりではなかったのだが…。前傾姿勢がキツクて最初からユッタリ気分ではなかった。
僕の自転車にはフロント側に2段、リア側に10段のギアがある。10段なんてそんなにたくさん必要なものかと思っていたが、ロードバイクというものは、ほんのわずかなアップダウンや向かい風、曲がり角による減速に合わせて、カチャカチャと微妙にギアの重さを変えるものなのかもしれない。ちょっとでも重いなと思ったら軽いギアへ、軽過ぎるなと思ったら重いギアに切り替えてみた(本当はケイデンス(単位時間当たりのクランク回転数)を一定に保つようにギアを切り替えるべきなのだろうが、僕はまだサイクル・コンピュータを購入していない)。フロントに関してはほとんど常にアウターで走っているので(「初心者はインナーを使って走れ」みたいなことが入門書には書かれているが、インナーじゃ軽過ぎてかえって走りづらい)、フロント3段のモデルを買った方が良かったのかな、とも思う。
主観的には帰りの方がスムーズに進んだように感じていたが、帰りのタイムも1時間05分46秒と、行きと1分も変わらない。実際は信号待ちとかあるので、この差は誤差みたいなものだ。
と言うワケで、初の50kmサイクリングはまずまずの成功!
朝51.1km2時間15分07秒(2分39秒/km、22.7km/h。休憩時間3分01秒を含む)。累積走行距離281.7km。

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