最近、以前(2013年)1年ほど購読していた月刊のLinux専門誌をまとめて読んでいる(買ったはいいけど全然読んでなかったのだ!)。それで、フと「『Fedora Coreブーム』っていつ頃だったんだろう?」という疑問がわいてきた。
「Fedora Core」というのはLinuxディストリビューションの1つで、一時期(何故か)大流行した。書店のコンピュータ関連書籍のコーナーに行くと、Fedora Core関連の本が溢れていた時代があった。あれはいつの時代の話だったんだろう?
そこで、いい加減な方法ではあるが、Amazonで「Fedora」というキーワードで検索したときに出てくる日本語の本の数を出版年ごとに数え上げてみた。ついでに「Ubuntu」「CentOS」でも同様に数えてみた。
そうしてみると、「Fedora Coreブーム」は2004〜2006年頃だったらしいことがわかった(今からちょうど10年前だ)。この頃には1年間に15冊以上もの「Fedora Core関連書籍」が出版されていたのだ。
ただ、2007年には出版数は半減し、代わりに「Ubuntu関連書籍」が出てくる(2010年代に入ると、タイトルに「Fedora」という文字の見られる本はほとんど出版されなくなっている)。ところが、UbuntuはFedoraの書籍市場を完全に奪い取った、というワケではないようで、2000年代後半以降は、Fedora+Ubuntu+CentOS全ての本の数を足しても「Fedora Coreブーム」時の新刊数を下回っている。
ちなみに、CentOSはデスクトップ向けというよりサーバー向けOSなので、あまり「ブーム」とは関係ないのかもしれない(趣味ではなく仕事で使うものだから)。毎年数冊が出版されている(Linux関連書籍は、各ディストリビューションのメジャーアップデートのたびに同じ本の改訂版が出版されることが多いようだ)。今年はCentOS 7がリリースされたようで、新刊本がたくさん出ている(と言っても、4〜5冊だが)。
このグラフを見ると、2000年代半ばの(第2次?)「Linuxブーム」は2010年代には下火になっていたのが、最近またジワジワと復権してきているように見えるが…、実は「Ubuntu関連書籍」には(何故か)「本」だけでなく「ムック」が多い、という事情まで含めて考えると一概にそうとも言えない。
実は最初のグラフには「ムック」を含めていない(そもそも「Fedora Core」や「CentOS」をメインテーマとするムックが検索ヒットしなかったため)。ところが何故か世の中にはUbuntuをテーマとするムックはたくさん存在する。特に(この年に何があったのかよくわからないが)2012年なんかは、本はたった1冊しか出版されなかったようなのだが、ムックは7冊も出版されている。
これを加えて再びグラフ化してみると…、やっぱり何だかよくわからない(笑)。2013年に底を打って増加に転じているようにも見えるし、2010年代はずっと横這いのようにも見える。
ただ、一般のPC・タブレット・スマホユーザーにとってはここ数年で、Windowsだけでなく、Mac OS X、iOS、Android、と、「Windows以外のOS」に触れる機会は格段に増えたのだと思う。特にMac OS Xのデスクトップ環境はWindowsよりもLinuxのデスクトップ環境(の一部)によく似ているから、「Windowsとは異なるデスクトップ環境」に対する一般ユーザーの抵抗感も、Linuxデスクトップ環境(の一部)に対する抵抗感も、以前と比べてかなり小さくなっているのではないか。Windows 7と8とAndroidを使うユーザーにとって、それぞれのOSの使用感が違うのは(大騒ぎするようなことではなく)当然のことなのかもしれない。
少しだけLinuxを触ってみた感触だと「まだまだWindowsの方が楽だなぁ」と思うことも多いのだが…、それも単に「慣れ」の問題なのかも(僕は極端に「慣れ」ない人間なのだ)。デスクトップOSとしてのLinuxがもう少しシェアを伸ばす可能性は以前よりも大きいのかもしれない。

0