もうかれこれ1週間近く前の話になるが、日曜日に「第45回サイエンス・カフェ札幌 Science Shuffle 2009」というのを見に行ってきた。

今回の内容は完全に「夏休み企画」。全国に散らばる北大CoStep(科学技術コミュニケーター養成講座)の受講生が一堂に会し、土日の2日間でゼロから発表を作り上げる、という趣旨。サイエンス・カフェはその発表会という位置づけ(そういう企画だと知っていたら見に行かなかったと思う)。4〜5人で1グループを構成し、計5グループが20分ずつ発表を行った。ツマランかった(テレビ観戦していた北海道マラソンのいいところを観るのを諦めてわざわざこっちを選んだ、という経緯があるので、辛口になってます)。
会場寒くて(最高気温23℃程度とこの冷夏の札幌でも特に寒い日だったのに、冷房入ってるんだもん!)途中で250円のホットコーヒーを買うハメになったんだけど、全部見終わった後、コーヒー代の元を取れた気がしなかった。だから、今回のサイエンス・カフェの価値は僕にとっては250円を下回る。
そりゃしょうがないよな。それが何であろうと、
2日で作ったものが面白いわけがない(土曜日の午前9時から準備を始めたんだとして、ノンストップ・完徹で準備したんだとしても、時間は30時間なかったはず)。寒い日だったこと、衆議院議員総選挙の投票日だったこと、北海道マラソンの開催日で市内中心部が交通規制されていたこと、等あって、お客さんの数はマバラ(おそらく半分近くがCoStep受講生や関係者)。そのせいか、思わぬ事態にオロオロする発表者を温かく見守る雰囲気がありました。それはそれでアットホームな雰囲気だったんだけど、だからこそ「夏休み企画」。保護者の見に来る小学校の学習発表会の雰囲気。
僕自身は、サイエンスそのものに興味があってサイエンス・カフェを見に行くのではなくて、サイエンス・カフェという取り組み自体に興味があって見に行っているクチなので(これちょっとウソかも。最近急にサイエンス・カフェなんて見に行ってるのは、知人が似たような趣旨の企画に携わることになったんで、一緒に見に行ってるだけ。こういう企画がお客さんの立場からどう見えるのか、参加してみるといろいろ思うところあってそれはそれで興味深い)、むしろ、2日間でゼロから企画を練り準備し発表に漕ぎつけた受講生の様子をドキュメンタリー風に見せてくれたら、もっとずっと面白かっただろうなぁ、という印象。ついでにサイエンス・カフェという取り組みの目的や意義・課題が見えてきたら、尚、面白い。
だけど、どうも反対に見えなくなってきちゃった。ここで言う「サイエンス」って何のことだろう? サイエンス・カフェの狙いって何なんだろう? 何が出来たら「成功」したことになるんだろう? もちょっと広く、サイエンス・コミュニケーションの意義やサイエンス・コミュニケーターの果たすべき役割って何なんだろう? そういうことが逆にわかんなくなってきちゃったなぁ…。
今回の発表だと、「ちょっとしたサイエンスの視点を持つだけでいろんな発見があって面白いし、日々の生活が豊かになる。このサイエンス・カフェをキッカケに、ちょっとでもサイエンスに興味を持って貰えれば」的なところが基本ラインになっているっぽかったのだけど、それってどれほど重要なことなんだろう?とも素朴に思う(だいたいサイエンス・カフェに来るような人たちはそもそもサイエンスに興味がある人たちなんだから、その人たちに向かって「サイエンスに興味を持って貰えれば」もないだろう、とも思うし)。
あと、これ言っちゃうと、ほとんど言いがかりなんだけど、ここ数回のサイエンス・カフェのポスター・チラシのデザインはすっごくセンス良いと思うんだよね。だけど、
ポスターのセンスだけ良くてもしょうがないだろ、という気がする(認めます。単なる言いがかりです)。「センスが良い」ってのは単にグラフィックデザインとして「格好良い」ってだけでなくて、例えば、上に画像を載せたヨーヨー釣りのチラシであれば、夏祭りの露店の少々雑多な雰囲気の中、いろんな出し物が揃えてあって、何が飛び出してくるかわからないワクワク感、そういうものがよく表現されていると思うから、凄く良いデザインだと思うんだけど、肝心の発表の内容があれじゃ…。
今度の日曜日も同じ企画のようで、同じメンバーによるものなのか、他のメンバーによるものなのかわからないけど、同じ企画なのであれば面白くないだろうなぁ、と期待薄(せめてもうちょっと「謎解き」の要素を加味してくれたら、面白いと思うんだけど…)。でも1回しか見ないで「ツマランかった」と切り捨てちゃうのもナンだし、一応次回も見に行こうとは思ってるんだけど、「やっぱりツマランかった」って書くことになるんだろうなぁと思うと、だったら最初から見に行かない方がいいのかな…、とチと悩む。

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