昭和の頃は「魅惑のテナー」とか「誘惑のアルト・サックス」などなど所謂ムード・ミュージックのインスト・レコードがたくさん作られていたものです。
いまだによく見かけるのは歌謡曲。演歌をサックスとバック・バンドで吹き込んだものですが、それらのムード音楽のジャケットのほとんどは、金髪美女で、中には水着。ヌードのものなども多くありました。
昔は中古レコード市場では、それほど持てはやされなかったような気がするのですが、今では指輪も回るほど変わりましたね。
一見いい女だなと思いきや、よく見ると結構歳いってそうな白人のおばさんのジャケットが多いのです。
いくらつける?
と問われれば個人的には¥500で充分だと思うし、¥500でもいらなかったりします。
しかし、そこで悩みが生まれます・・・
北村さん・・・この前ここで買っていったヌード・ジャケ!!オークションで¥3000超えたよ!!
ああ。そうですか・・・と言いながらも僕は少し怖い気持ちになるのでした。
オークション・・・
人間の感情がぶつかり合う場所。
レアだから欲しい!!探していた!!・・・それはわかります。
しかし、金がものを言うのも事実ですし、言い方を代えれば物欲VS物欲。
そしてヌード・ジャケの場合はそこに性欲が加わるようで、僕にはなんとなく怖かったのです。
なんだか人間の本性がはっきり見えちゃうじゃないですか・・・
影で変体行為やっているわけじゃないからいいんですけど・・・
そんなわけで、開き直って出品してみると・・・
僕の場合は¥300で出したら¥300.
¥500でだしたら¥500.
誰も争うことなく、平和にオークションは終了するのです。
さあ。今日はそんな金髪美女大特集!!
ではありません。
音楽的に受け入れられる要素も持っているレコードのお話です。
それはドラムにスポットを当てたインスト・レコード。
下の写真・・・金髪美女としてはかなりいけているのではないかと思います。
ジミー竹内さん。ヴェンチャーズのメルのように力強いドラミングもさすがに生かしています。
しかしですね。ここでひとつ気をつけなければならないのが、ドラム・ブレイクという言葉です。
はい。下もヌード・ジャケです。
ドラム・ブレイクっていうのは曲の中でドラムだけの音が数小節間なっている箇所のことです。
これがサンプリングをする方たちに大変な熱狂を持って受け入れられているのです。
「A-2。B-1.ドラム・ブレイクあり!!」・・・盤質B・・・¥4500.
そんなお店も見かけます。
売り方として正しいかどうかは問題ではありません。
僕の場合、音楽をそういうふうに聴いたことがないものですから、少々面倒くさい事態も想像しちゃうのです。
「なんかドラム・ブレイクのいいのない?」
って聴かれたら、正直
「すぐには思い浮かばないね」
と答えるでしょうね。
ただ、レコードの探し方。聴き方としては楽しいのかな?
という疑問は生まれますね。
「これかっこいい」
「グッとくる」
「いかしてる!!」
そういう風にレコードを集めて、その中でドラム・ブレイクがこんなところにあったんだ!!
っていうのがベストだとは思うのですよ。
リスナーの為にそういうお店があっても勿論構いませんが、僕にはちょっと出来ないかしら・・・
だって世の中五万と・・・いえ。億単位の種類のレコードがあって、きっといっぱいドラム・ブレイクのみならず、素敵なネタがいっぱいあるわけじゃあないですか。
聴き方は人それぞれですけれども、やっぱり自由に聴いて、自分で見つけて喜び300メートルだと思うんですよ。
そう思いながらも、僕も世の中に踊らされているわけですよ。
いや、僕だけじゃなく、全国の中古屋さん全てですよね。
音楽と関係ないところで「帯付」とかね・・・
市場価格リサーチはどんな仕事にもつき物ですが、翻弄されまくってますよ・・・
やっぱり、いろんな人がいていいんですよ・・・ってことですかね。
それぞれ好きにやっていいよっていうのが一番楽ですかね・・・

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