アナログ・ブームと言われれば中古レコード屋としては実感がないわけではないが、果たしてアナログ・レコードの本来の素晴らしさがしっかりと伝わっていないようなので、ここに記す。
いや・・・もう面倒くさいので残酷のようだが本当の事を書く。
くどくないよう短くね。
ずばり、今現在作られているアナログのほとんどはお話にならない。
その原因はプレス機ではなくて、カッティング技師がいないのではないか・・・
だから新品は買い控えようよ。
うちの常連のオジサン達もレコードが好きだから今のプレスの物も買うことがあるようだけど、すぐに手放しちゃうってことが珍しくない。
あの名門モービルはどうしたんだろう。
これじゃあカセット以下の音質じゃないか・・・
いっそのこと作らん方がよろしいかと思った。
やっぱり中古レコードになっちゃう。
ビートルズを最高の音で楽しみたければ当事イギリスで作られた物が勿論素晴らしい。
でも予算的に難しいものがあるよね。
だから少しあとの70年代の物も当たり外れはあるけど鳴るものがあるし、値段も随分と下がる。
だから若い人は最初はそれでいいと思う。
就職して安定した収入があればイギリス原盤をゆっくり集めるといいと思うよ。
比較的安く愉しむ方法もある。
それはアメリカのレコードだろうね。
簡単に言うとイギリスのアナログがアメリカと比べて高くなっているのは数の問題。
ビートルズのレコードだとイギリスで一番売れたサージェントは国内で400万枚。
アメリカに行くと二枚組みのホワイト・アルバムが3000万枚売れている。
ね、簡単でしょ。
だからリトル・フィートのレコードだってオリジナルでもそんなに高くないし、お手頃に楽しめる。
ただ60年代になると状態のいい物も少ないから厳しいよね。
バンドの1stなんかレインボウ・キャピトル出てこないねえ・・・
でもイギリスのレコードよりは出てくる。
さらに安く愉しみたければ日本人。
楽音舎ではサザンもオフコースも¥99.
もちろん誰も言わないけどオリジナルなわけだよ。
そういうのを買ってCDと聴き比べてみてハッキリと、あ〜音違うなあ・・・音の広がりとか、それから変な話なんだけど形がないのに立体感があるよね。
ギタリストは向かって左に立っているような。
ベースは右みたいなね。
音像的にも楽しめるレコードが大滝詠一のロング・ヴァケイションなんだけど、これ未だにしょっちゅう入って来るのだが即売れるようになっちゃった。
高くないのもあるけれど、やっぱりアナログ・ブームなのかな・・・
でもね。音楽そのものが極端に表現変わるわけではないので、CDで愉しんでいる人はそのまんまでいいと思うよ。

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