ルネの「モントリオール讃歌」の仏語版"Bienvenue a Montréal" (Nobel NL-5713, 45rpm Single)と英語版"Welcome to Montreal"(Nobel NL 5714, 45rpm Single)は、1975年9月にモントリオール・オリンピック公式ソングとして発売されましたが、ボイコットされたためもあり、オリンピックが終わった翌1976年9月に再度発売されていました。
日本では1976年の7月21日に、ルネが歌うモントリオール・オリンピックのテーマ曲「モントリオール讃歌(英語版Welcome to Montreal)」(CBS SONY 06SH20, 45rpm Single B面『この旗の下で』) として発売されました。しかし、前年の1975年7月1日に発売された「去年の夏 SOLB-285」で変声していたはずのルネのハイトーン・ヴォイスに、ドーピング疑惑が囁かれました。
▲Enregistrement de "Bienvenue a Montreal" 「モントリオール讃歌」のレコーディング(VippassionSimardより)
そしてそのYouYbe映像!!髪型は来日があった13歳から14歳のルネと同じですね。
このレコーディングは1975年にモントリオールで行われたと、アメリカの芸能雑誌”16 (シックスティーン・マガジン)”が報じていました。記事のタイトルは「ルネ オリンピックに行くRené Goes To The Olympics! 」。
この頃ルネはロサンゼルスに住んで、ミュージカル映画「青い鳥」に出演するための英語とダンスのレッスンを受けており、帰れる時にモントリオールの家に戻っていました。
その記事には、ルネがレコーディングのためにモントリオールに戻ること、ルネが書いた詩がモントリオールのドラポー市長によって選出され、オリンピックの公式ソングとして、1976年8月1日の開会式で、ルネ自身が世界に向けて歌うということが書かれていました。
先週末、ルネがfacebookの公式ページで紹介したYouTube映像は、オリンピック委員会の前で「Bienvenue a Montréal モントリオール讃歌」を歌った時のものです。また、そのお披露目の席で、ルネがドラポー市長とオリンピック・スタジアムの模型を見ている写真も公開されました。
この時のルネの髪型は長めのマッシュルーム・カット。そして、お披露目の前には「モントリオール讃歌」のレコーディングは済んでいたはずです。ですから、VipPassionSimardに投稿された写真の髪型とは違います。
さらに、完成したスタジアムの前の写真のルネは、変声後リリースされた15歳のアルバム”Fernando”と同じ、少年らしい短い髪形になっています。ルネは1961年生まれですから、1976年のオリンピックの年は15歳。ルネの変声の始まりは14歳の時と考えられ、4回目の来日が有った1975年の4月以降ということになりますが、「去年の夏」が同年7月1日に発売されたことを考えると、4回目の来日後間もなく、変声が始まったことになります。
そして日本では、カナダでレコーディングされた"Bienvenue a Montréal"に日本語詞をつけて、一足遅れてルネに歌わせようと、CBSソニーの金塚さんという女性ディレクターがカナダに渡った時は、すでに声変わりしてしまっていたようです。それで仕方なく、英語版”Welcome to Montreal”をA面、『この旗の下で』をB面にして、シングル盤「モントリオール讃歌」をリリースしたのだと推測しています。
さて、ミュージカル「メリー・ポピンズ」の公演は、31日(日)の千秋楽まであとわずかとなりました。facebookでは公式ページで写真や映像が公開されていて、華やかで楽しい舞台になっていることが伺えます。Juste pour rireでは、ミュージカル「メリー・ポピンズ」の他に、「ロメオとジュリエット」も上演中です。今年の夏だけで終わらず、ケベックの夏の定番になって、毎年上演されるといいですね!
ちなみに、プログラムの紹介写真は、下の写真をトリミングしたもの。2枚の写真を比べてみたところ、大きさがピッタリ一致! 縮小せず、プログラムの原稿サイズに合わせてカットしてしまったようです。あの当時、拡大縮小の技術が無かったとは考えにくいのですが、どんな理由が有ったにせよ、トリミングなどせずに載せて欲しかったですね!
それに、何故最新の写真ではなく、デビュー間もない頃のものなのか。「ミドリ色の屋根」のレコードジャケットに使われた写真も、“Un Enfant Comme Les Autres(普通の子供)”の時のもので、更に反転写真だったりして…。ルネの幼さを強調し、天使の歌声と称賛された歌唱力を際立たせるためのノーベル・レコードの戦略?!