例年、11月以降になると、皆さんからの
「今からなんですけど、間に合いますか?」
「○○をしたいのですけど、今から出来ますか?」
というニュアンスのご質問が一気に増えます。
時間とともに出来ることもだんだん限られてくる。皆さん何となくは実感していることですが、具体的に何に絞って頑張ればよいのかとなると、意外と曖昧にしている人が多いようです。
そこで、これからの学習において意識すべきポイントを、筆者なりにまとめてみました。
1:易と難のバランスをとる(両方やる)
2:入試日程に合わせてやる順番を考える
3:取り組む問題のレベルはやや下げめにする
4:新しい教材は基本的に増やさない(分量の多いものは論外)
国公立志望者なら、センター対策を通じて基本事項を見直していきましょう。もちろん解答時間や正解率も気になるでしょうが、過去に解いたことのある問題との関連なども適宜見直します。すでに使った参考書があればそれを辞書的に使い、周辺の例題を中心にやり直すようにします。どこを見直せばよいか分からない人も、少しずつでいいから考えていけるようになりましょう。それも勉強の重要な要素だからです。
2次対策も気になるでしょうが、今はペースメーカー的演習書・問題集を続けて知識のメンテナンスをしていってください。とくに、センターの成績を見てから受験校を決める人は特定大学・学部の対策に振り回されないようにしましょう。
志望校が決まっている人も注意が必要です。標準問題にメドがついていない状態で、たとえば難関大学で出題される整数問題が気になるからと、特定分野に偏った学習に走るのは考えものです。過去問を中心に「分かればもうけ」の姿勢でやるならさしたる問題はないのですが、本来の学習を止めてまでやるべきではありませんし、基本事項的内容から積み上げていくような学習(教材)は(絶対ダメとは言いませんが)やめた方が無難です。
私大を中心に受ける人も、考え方は同じです。小問の割合が高いところの過去問を有効に活用し、徐々に第1志望の入試レベルに近づけていきます。
まだ基礎が固まっていない人も決してあせらないで下さい。解ける問題を確実にすることをとりあえず中心に据え、徐々に取り組む問題のレベルを上げていくしかありません。
・・・ついでに、高1・高2生の皆さんへ。
今までに筆者が言ってきたことを思い出してください。
教科書学習を終えたら節末・章末レベルまでを確実に。さらに余裕があれば、その分野の入試問題に触れる。本格的な入試対策に取り組む前に、まず「力試し」を。
5月の連休を利用して、短期集中学習をやってみよう。難問に取り組むなら自分のペースでできる夏休みがベスト。
これらはすべて、今からの時期にドドッとやってくる学習の負担を分散させるために言っていたといっても過言ではありません。「しまった、あのときやっておけば」と後悔しないように、早め早めのチャレンジを心がけてください。