かなり前から「楽しみ楽しみ」と叫びまくっていましたが(詳しくは →
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/366.html)、その「ミステリーツアー」とやらに、とうとう行って参りました。集合場所として指定された駐車場に着くと、お世話になる旅行会社のものをはじめ複数の「のぼり」が立っていて、その周りにお客さんが集まっています。年末ということもあってか、とにかくすごい人です。海が見える部屋・世界遺産。ヒントだけで、行き先や内容は一切明かされていません。どこへ行くのか楽しみであるという以前に、今日だけでもこれだけのお客さんが
*** この条件で納得して旅行代金を払っている(!)
という現実。いったい、今の日本人は何を求めているのだろう!!・・・なーんて思ってしまいますが、私もそうなので、他人のことは言えません。でも、何か「ピーン」とくるものがあったのです。
バスは予定よりやや早く出発。山陰方面に行くのかなとも思いましたが、阪神高速に梅田入り口から入ったバスは湾岸線、そして阪和道を南下。この時点で行き先はほぼ和歌山県に確定。このまま南下して那智勝浦・熊野大社を目指すのでしょうか。途中、印南(いなみ)インターで高速を下り、
*** 「味の、オーケストラやあ!」・・・とはいかない(汗)昼食
をとったあと、バスは東へと進路を変え、川に沿って山道を登り始めました。
着いたところは、普通バスツアーはめったに訪れない「奇絶峡」(きぜつきょう)なるスポット。見た目は大きな石がゴロゴロしている川に橋がかかっていて、ちょっとした滝があるだけですが、もちろんそれだけではありません。滝の上のほうに切り立った崖があるのですが、その岩肌になんと仏像が彫ってあるのです。「まがい仏」というのですが、誰が何のために彫ったのでしょう。はっきりしたことは分かっていないそうです。
この写真でわかるでしょうか。中央少し右の茶色いところです。まがい仏は3体あるそうなのですが、もしここで暮らしていたとしても、そう言われないと気づかないぐらいのものでした。でも、こういうツアーでもなければ絶対に訪れなかったところであることだけは確か。ちなみに、画面に白いブツブツが写っていますが、これは雪。うーん、寒くなってきました。明日の行程が心配です。
さて、奇絶峡を出発したバスは国道に戻り、今度は梅林で有名な「みなべ町」へと入っていきます。
・・・くしくもそこは、私にとって特別の思い入れのある地でした。
みなべ町には、私の通っていた中学・高校の合宿所「南部(みなべ)学舎」があります。もちろん何年も前のことですが、夏の水泳教室で2回、勉強合宿で3回(・・・だったかな?)訪れていると思います。その頃のことを思い出し、何だかとても懐かしい気持ちになりました。確か今走っている国道からも宿舎がちらっと見えるはず。そう思って、しばらく海岸の方ばかり目を凝らして見ていましたが、その日座っていた席が山側だったこともあり、よく見えません。やがてバスはさらに南の田辺市へ。どうやら見逃してしまったようです。JRの車窓からは絶対に見えるはずだけど(友人たちとわけもなく歓声をあげたのでよく覚えている)、国道からは違ったかな。それすら思い出せない自分が少々情けなくなりましたが、明日また通るかも知れないからと自分に言い聞かせ、先の観光地へと気持ちを切り替えます。
次に訪れたのは、半分岩山の中に建てられている救馬渓(すくまだに)観音。若い住職さんが作られているサイトに詳しく紹介されているので、詳しくはこちらをご覧下さい。
# →
http://www.sukuma.or.jp/
「馬頭観音」という、文字どおり顔の上に馬の頭のついた観音様がまつられているということで、交通安全やペットの健康にご利益があると言われているようですが、某友人が有馬記念の馬券を買ってしまう前に(笑)お参りしておきたかったような気もしたりして。
さて、また国道に戻ったバスは、そのまま南下して白浜にでも行くのかと思いきや、今度は北上。みなべ町に戻ってきました。しかも今度は私の座っている座席のほうが海側。これは、もしかして?いやがおうにも期待は高まります。
・・・見える!・・・今度こそ、学舎が見えるぞ!
そしてそれは、私の目の中に、確かに入ってきました。周りの建物や森に隠れて上のほうしか見えませんでしたが、教会のチャペルを模した塔に、なだらかな三角屋根のシルエット。こんな形をした建物は1つしかありません。確かに、南部学舎です。
しかし、さらに驚くべきことが起こりました。バスは速度を落とし、まるで学舎に引き寄せられるかのように曲がっていくではありませんか。まさか学舎に泊まるはずはないだろうけれど、なぜ?ここでふと、少し前に見た光景が、フィードバックしてきました。最初、学舎に気づかなかった理由は、2つありました。1つは席が山側だったことですが、もう1つ。学舎があるとおぼしき場所の近くに、別の見慣れない四角の建物があり、そちらに気をとられてしまったのです。そしてまさに絶妙のタイミングで、添乗員さんの案内がありました。
「さて皆さま、もうお気づきになられた方もいらっしゃるかも知れませんが、今晩皆さまがお泊りになるのは、そうこの近くにある大きなホテルといえば、紀州南部ロイヤルホテルです」
# ホテルの様子は →
http://www.daiwaresort.co.jp/minabe/index.html
こんな偶然があるでしょうか。まさか今日泊まるのが、南部学舎のすぐ近くにあるホテルだなんて。さらに自分の泊まる部屋から外を眺めてみて2度びっくり。ホテルの窓からすぐ下に、学舎の屋根が見えているじゃありませんか。よし、ここまで来たら、学舎の近くまで行ってみよう!そして、水泳教室のときはもちろん、勉強合宿の体育や生物の時間にもお世話になった、千里浜とその裏の磯を歩こうじゃあないの!!荷物を置くやいなや、他の観光客をしり目になぜか自分だけはホテルを出て丘をくだり、浜へと向かいます。
そして、とうとうそれは私の目の前に現れました。しかもその日に限って工事の業者さんが来ていらっしゃった関係で門も開いており、建物はさすがに無理でしたがグランドまで入ることができました。ちょうど夕方で、学舎近くの海岸にある奇妙な形をした岩は夕陽を受けて黒いシルエットを浮かび上がらせる、何とも幻想的な光景がそこにはありました。ちなみにこの夕陽は「和歌山県の朝日夕陽百選」に選ばれているそうで、在学時にはなかったモニュメントが近くにあったのですが、
*** 在学当時とは少し変わった、しかしそのときの面影を残す学舎
を眺めながら、しばし思い出に浸っていました。
よく「1年間頑張った自分にごほうびをあげたい」などと言いますよね。私も最近、とくに昨年度ぐらいから、その必要性を理解するようになってきて、普段はほとんど旅行もしないのですが今年は意識して年末にこういう予定をもってきていたのです。しかしまさか、それがこんな、自分さえ思いもよらなかったプレゼント(?)になるとは。神のお導きとは、まさにこのことです。
ささやかな、しかし自分だけが感じることができた喜びを胸に、うきうきした気分でホテルに戻ったあとは、旅のパンフレットに載っていた露天風呂。あまりに寒かったのでそこそこに出てきましたが、疲れは確実にふっとびました。そのあと
*** 大ホールで「ありがちな」夕食を
いただいて部屋に戻り、今のこの気持ちが新鮮なうちにさっそく日記をアップしようと、持ってきていたノートPCの電源を入れました。が、本体は問題ないものの、ネットにつなぐための手段として差している「AirH”」の電波がいっこうに入りません(ちなみに、この日記を書いたのは帰宅後です)。・・・しょせん「みなべ町」。AirH”は、扱いとしては今はユーザー数の少ないPHSですし、何か乗り換えられるものがあったら是非そうさせていただきたいもんです。
仕方なくテレビをつけ、フィギュアスケート、新庄選手がゲストのトーク番組、お笑い芸人がたくさん登場する番組などを適当にハシゴしてから、念のために持ってきた寝巻きとホテルの浴衣、さらに丹前を重ね着して眠りにつきました。
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参考までに、この手の「ミステリーツアー」には出発日が複数設定されているものがあり、私が参加したのもそうだったので、行った時点でその内容をバラしてしまうのは本来NGです。が、今回(12月29日出発)に関しては設定された最後の出発日である旨を確認済みです。
実は、私自身の都合の合う出発日はこの日とその前と2日あったのですが、その日から記事をアップしても問題ない(であろう)ということを最初から考慮に入れ、この出発日を選んだという意図もあります。とくにこの1年で、私の思考がいかにブログ中心になってしまったか、よくわかっていただけると思います(汗)