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『ねえ、今日から算数パズルやらない?』【解答編2】
発行者:水野 健太郎
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/
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・・・としてお届けしようと思っていた「ボツ解説」です(汗)
書いていて、あまりにも長ったらしくなり、当メルマガの
アドバイザー、文系ビトさんからも
***「1回読んで理解できなかった・・・」
とダメ出し(?)をくらいましたので、メルマガとして
お届けするのはやめて、ここで公開させていただきます♪
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問題(中級)の解答・解説
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あなたは、お友達に、1から105までの整数のどれかを
思い浮かべてもらうことにします。それをXとします。
そして、Xを3で割ったあまりA、Xを5で割ったあまりB、
Xを7で割ったあまりをCを、それぞれ教えてもらいます。
あなたは、こうして得られたA,B,Cから、
もとのXを求めたいと思います。
もちろん、しらみつぶしに調べればいつかは分かりますが、
ある式に当てはめて計算すれば、簡単にXを求められるんです。
・・・そんな方法ってあるんでしょうか?考えてみてください。
→→→→→[解答・解説]
とりあえず、前回の初級問題と同じく
***「最初は試しに条件の一部だけを考えてみる」
ことにしますが、この「一部」の取り出し方が、
初級問題とはひと味違っていて、若干難しくなります。
いま、AとBがともに1であるとしましょう。
すると、3でわっても5でわっても1あまる数として
例えば31が見つかり、この数を7でわると3ですから、
もしXが31だとすると、Aは1、Bは1、Cは3です。
・・・でも、もしかするとお友達は
「Aが1、Bが1、Cは5」と言うかも知れないわけです。
そこで、Xにいくつかをたすことによって、
AとBを変えずにCだけを変えようとしてみます。
そのために、わり算とあまりの関係を少し見直しましょう。
わり算の、わる数と商とあまりが与えられたときに
わられる数を求める方法があったのを覚えていますか?
$ 31÷3=10あまり1 → 31=3×10+1
$ 31÷5=6あまり1 → 31=5×6+1
・・・こう書くと、
$「31に3の倍数をたしても3でわったあまりAは変わらない」
$「31に5の倍数をたしても5でわったあまりBは変わらない」
ということがよりはっきりしますね?(ひいても同じです)
ということは、Xに「3の倍数でも5の倍数でもある数」を
たすと、AとBを変えずにCだけを変えられそうです。
これを「3と5の公倍数」といいますが、この場合、3と5を
かけると、最も小さい(最小公倍数)15が見つかります。
実際、先ほどの例(Xが31のとき)で言うと、
$ 31+15=3×10+3×5+1=3×15+1←これがA
$ 31+15=5×6+5×3+1=5×9+1←これがB
のように書けて、確かにAもBも1のままの状態が保てる
ことが確かめられましたが、Cはどうなるでしょうか?
31と15を7でわったわり算を先ほどと同じように書くと、
「31=7×4+3」「15=7×2+1」となるから、
$ ※比較してみましょう!>>>>31=7×4+3
$ 31+15=7×4+3+7×2+1=7×6+4
15をたすと、7でわったあまりCは1ふえます!
同じように、15をひくと7でわったあまりは1へって、
結局、15を1回たすごとに、AとBは変わらずCだけを
このたした回数ぶんだけふやすことができるとわかります。
同じように、今度はAとCを変えずにBだけを変えようと
してみると、Xに3と7の最小公倍数21をたした回数ぶん
だけBをふやせることがわかります♪
・・・ただし、同じようにAについて考えようとすると、
実はここだけ少しややこしくなり、注意が必要です。
一応、ここまでたどり着いた人なら、
***「そうか、5と7の最小公倍数35を使えばいい」
と気づくと思いますが、先ほどと同じように3でわった
あまりについて考えてみると、「35=3×11+2」より、
35をたしても確かにBとCは変わらないけれど、
1回たすごとにAは2ふえてしまいます・・・。
そこで、もう少し工夫できないかと考えてください。
5と7の公倍数でさえあればBもCも変わらないわけだから、
・・・そう、「最小」公倍数にこだわる必要はないんです!
$ 35=3×11+2 ←これだと使いにくい・・・
$ 70=3×23+1 ←この方が使いやすい!!
このように考えると、Xに70をたすと、
BとCを変えずにAだけを1ふやせることがわかります。
# まあ、この問題の場合は、Aは3でわったあまりなので
# 0か1か2しかなく、「Aが1なら70をたして、
# Aが2なら35をたす」というふうに分けてしまっても
# 別に構わないのですが(一応これでも正解とします)
# 発展させて例えば「5と7と11でわったあまりを
# それぞれA,B,Cとする」という問題にしたときなどは、
# 今の考え方をきちんと知らないと対応できないでしょう?
まとめてやると、A,B,Cがそれぞれ与えられたとき、
0から始めて、70をAの数だけ、21をBの数だけ、
15をCの数だけたしていくと、お友達がA,B,Cとして
どのような数を言ってとしても、同じA,B,Cをもつ
自然数を1つ作りだすことができるんです。
・・・そう、下のようなかけ算をして、たせばいいですね♪
$ A×70 」5と6の公倍数で、3でわったあまりがA
$ +B×21」7の倍数で、3でわったあまりがA,
$ 5でわったあまりがB
$ +C×15」3,5,7でわったあまりがそれぞれA,B,C
ただし、この計算だけだと確かにA,B,Cの条件をみたす
自然数をつくることが出来ますが、それが1から105までに
入る保証はなく、大抵105より大きくなってしまいます。
そこで、最後に105を何回かひく(つまり、105でわった
あまりを求める)ことで、Xを求めることができます。
こうして、いわゆる「百五減算」の答えとして知られている
答えにようやくたどり着くことができ、
$「A×70+B×21+C×15」を105でわったあまり
・・・がXであるとわかります。
これなら、この仕組みさえ理解してしまえば、
小さい紙にでもパパッと書いて計算することができ、
しらみつぶしに調べていくよりもずっと早く答えが出ます♪
一応例外として、AもBもCも0のときは答えは明らかですから、
この式にあてはめず普通に「105」と答えてください。
それにしても、世界で最初にこのやり方を思いついた人は、
文句なしに大天才ですよね!・・・どう考えたんでしょう?
もしかして、気になる異性の年齢を知りたくて、その人に
年齢を直接たずねずに年齢を聞き出す方法はないかと、
あれこれ試行錯誤してこのやり方にたどり着いたのでしょうか。