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『ねえ、今日から算数パズルやらない?』【解答編1】
発行者:水野 健太郎
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/
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それでは、初級問題を解説します♪
どんな問題だったか、思い出してみてください!
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問題(初級)・・・知っている人もいるかな?楽勝、楽勝
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8枚の金貨の中に1枚だけ、見た目では他と区別がつかないが
重さがわずかに軽いニセ金貨が混じっています。
上皿天秤を使って、この中からニセ金貨を探し出すとき、
天秤を使う回数を最も少なくしようとすると、使う回数は
何回になるでしょうか。はかる手順とともに考えてください。
→→→→→[注意]
例えば次のように考える人もいるでしょう。
$ どれか2枚の金貨を取り出して上皿天秤の左右の皿に
$ 1枚ずつ乗せたとする。
$ そのとき、もし天秤がどちらかに傾けば、上がった方の皿に
$ 乗せた金貨がニセモノだから、天秤を使う回数は1回ですむ。
確か、筆者自身が子どものときに初めてこの問題と
出会ったときも、以上のように考えた記憶があるのですが、
これは間違った考え方です。
・・・もし、最初に取り出した2枚の金貨の重さが同じなら、
それらは両方本物ということになりますよね。
その場合、例えば残った6枚から2枚を取り出すなどして
もう1回はからないと、ニセ金貨を見つけ出せません。
さらに、それらもつり合ってしまったときはどうするか・・・
このように考えると、2枚ずつ取り出して重さを比べることを
繰り返す場合、ニセ金貨が見つかるまでに、最悪の場合で
4回天秤を使わなくてはいけないことになってしまいます!!
では、どうしないといけないかというと、先ほども言ったように
***「最悪の場合を考える」
必要があって、このような問題では、何か方法を考えるとき、
常にその方法が裏目裏目に出るときを考え、その場合でも、
天秤を使う回数が最も少なくなるようにしないと
「使う回数を最も少なくした」ことにはならないんです♪
→→→→→[注意その2]
こう言われて、筆者(子ども)は以下のように考えました。
$ 8枚の金貨を4枚ずつに分け、上皿天秤の左右の皿に乗せる。
$ 天秤は必ずどちらかに傾くから、上がった方の皿に乗せた
$ 4枚の中にニセ金貨があり、今度はその4枚を2枚ずつに分け、
$ 上皿天秤の左右の皿に乗せる。そして、上がった方の皿に
$ 乗せた2枚のどちらかがニセ金貨だからその2枚を比べる。
$ このようにすると、いつも「3回」でニセ金貨が探し出せる。
まあ正直、子どもの答えとしてはこれで十分だよと(まあ
自分自身の答えだということもありますから)言ってあげたい
ところなんですが、実はこれも間違いです。
筆者自身も、子ども心にショックを受けた記憶があります。
そして、そのあと正しい答えを教えてもらった気がするのですが、
先ほどのショックのあまり、頭に入らなかったと思います。
実は、この問題の場合、運に左右されず、なおかつ
天秤を使う回数がいつも「2回」になる方法があるんですよ♪
→→→→→[解答・解説]
2つ前の[注意]のところでも言いましたが、この問題では
もし天秤がつり合えば、その中にはニセ金貨はありません。
問題文に「ニセ金貨は1枚だけ」と書いてあるからです。
・・・今回、この与えられた条件を最大限に活用してやります!
金貨を6枚取り出し、上皿天秤の左右の皿に3枚ずつ乗せます。
ここで・・・
(A)つり合った場合
乗せなかった2枚のうちどちらかがニセ金貨ですから、
2枚の重さを比べれば、軽い方がニセ金貨だとわかります。
この場合、天秤を使う回数は「2回」となります。
(B)つり合わなかった場合
上がった方の皿に乗っている3枚のどれかがニセ金貨です。
この3枚の中からニセ金貨を探すのですが、
このときも2枚を取り出して左右の皿に1枚ずつ乗せ・・・
(B−1)つり合った場合:乗せなかった1枚がニセ金貨
(B−2)つり合わなかった場合:上がったものがニセ金貨
のようにしてやると、やはり天秤を使う回数は「2回」。
(A)(B)から、天秤を使う回数は常に「2回」です。
→→→→→[参考]
上のように、○○のとき、△△のとき、・・・と分けて
考える(書く)ことを「場合分け」といって、小学生の
皆さんにはあまりなじみがないかも知れませんが、
将来、中学・高校に上がって算数が「数学」と名前を変えると、
いろいろなところでポイントとして出てくるようになります。
それに、上の[解答・解説]では、自分のやったことの
裏目裏目を考えてその中で最適な方法を探すということをして
いますが、このことは、今回の「ニセ金貨探し」に限らず、
いろいろな物事の戦略を考えるうえで大事な要素になります。
大学に入ってからも、そして社会に出てからも、様々な場合を
想定し、どんな場合にも対応できるように、前もって
準備しておくことが、非常に大切になってくるのです。
当メルマガで扱ってきた「算数パズル」の問題に取り組むことは、
そういった訓練にちょうど良いと、筆者は特にそう思います♪
中学入試や就職試験にも算数パズル的な問題が出題されることが
ありますが、やはりそのあたりの力を試したいのでしょうね。
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問題(中級)のヒント
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金貨がたくさん入った袋が5つあります。
それぞれの袋には、A,Bのどちらか1種類の金貨が入って
いるのですが、Aは1枚5グラム、Bは1枚4グラムである
ほかは、見た目にもまったく区別がつきません。
台秤(重さがグラムで表示されるはかり)を使って、5つの
袋に入った金貨がそれぞれA,Bのどちらか知りたいのですが、
金貨を袋から出して調べてもよければ、台秤を1回だけ使って
それぞれの袋に入った金貨の種類を調べられる方法があります。
さあ、どのように調べればよいのでしょうか?
→→→→→[ヒント]
今度は、天秤でなく台秤が使えるので、数値を手がかりに
なりますが、使える回数が1回だけというのがネックです。
例えば各袋から金貨を1枚ずつ取り出して5枚を台秤に乗せ、
秤が23グラムを示したとすると、5+5+5+4+4=23
ですから、5枚のうちAが3枚、Bが2枚とわかります。
しかし、これだけでは5枚のうち重い方と軽い方の枚数が
わかっただけで、どの袋から取り出した金貨が重くて、
どの袋から取り出した金貨が軽いかまではわかりません。
ここから、何とか工夫する必要があるのですが・・・。
※この問題は、3月27日(土)配送分にて解説します。