水野の数学参考書レビュー［高校数学・大学入試］

このたび、当レビューで「年度版」と呼んでいる類の本や過去問集に関する記事を１つにまとめることにし、少しずつ着手しています。

＄「年度版・過去問集レビュー」
＄ → http://green.ap.teacup.com/applet/reviewermizuno/msgcate16/archive

こちらで扱いたいのは、「勝てる！センター試験」（文英堂）のように毎年同じタイトルで新刊もしくはリニューアル本が発売されるものですが、１つのカテゴリにまとめることによって、その年の新刊が出たかどうかや、新年度版が発売される（された）時期がより分かりやすくなるのではないかと思います。

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アクセス数　トータル／ユニーク／カウンタ数
９月２８日　１４９８／　７２１／１００９
９月２９日　１８５１／　８５０／１１６３・・・記事整理＆ツイート効果でアクセス増？
９月３０日　１７０７／　７７２／１０５８

　　

模試形式のセンター対策用問題集。マセマで揃えたい人はぜひ

「センター試験 数学�T・Ａ トライアル模試」（マセマ）

模試形式のセンター対策用問題集。この出版社からは、旧課程時代にも「センター数学 実践模試」というタイトルの本がラインナップに存在しており、ほぼ同じ位置づけの演習書となる。

問題はすべてオリジナル予想問題。センター試験の過去問やその他の対策本で見たような題材の問題で数値が変わっているもの、教科書章末〜入試基礎・標準レベルの問題をマーク式にアレンジしたと思われる新作問題からなっている。他社からは旧課程時代などの過去問を大問単位で並べ替えて現課程に沿った順にし、模試形式にしている本もあるようだが、それらともうまく使い分けていきたい。

あとは毎度「見た目」の話になってしまうが、独特の印刷や字体のクセのせいか「模試形式」の問題集なのに模試形式の雰囲気がなく、単なる「マセマの」本にしか見えないのは好みが分かれるところか。他社では本番のセンター試験問題のサイズと同じＢ５判が多いので、そのあたりを重視する人は他書を選ぶだろう。

ようやく秋らしくなりましたが、来春受験の皆さんは夏休みに学習したことを踏まえ、祝日が２日あったこの１週間（９月１９日〜２５日）を有意義に過ごせたか、ふりかえってみましょう。

・・・ただ、有意義といってもさまざまです。

学習のペースを見直したり、新しい参考書・問題集にチャレンジしたりしたという人はもちろん理想的なのですが、志望校について調べたり、それが出来なくても体調を整えたり部屋の整理をしたり、そういったことでもプラスにはなります。

もちろん怠けてしまうのは良くないのですが、学習というものを狭くとらえて「ああ、怠けてしまったなあ・・・」と後悔だけするよりは、何か１つでもいいから良かったことを探して、気持ちを切り替えていけるようにもっていきたいものです。

実は、高３のこの時期の筆者自身も落ち込んでしまっていたのですが、数学に関しては、一時期ですが取り組む問題のレベルを思い切って落とし、答案作成といったところまで余裕を持って考えられるぐらいのものに絞りました。そこで、ただ問題の解法を覚えたり、触れたりするだけの学習にひと区切りつけ、自分の考え方を採点官に伝えるというごくごく基本的なことを見直すことができたと思います。もしここで「ああ、他の受験生たちはもっと難しい問題に取り組んでいる。自分はダメだ」と考えてしまっていたら、筆者は受験に失敗していたでしょうし、理系に進学したにもかかわらず数学が苦手というコンプレックスを一生抱えたまま過ごさなくてはならなかったでしょう。そうならなくて良かったと、今さらですがつくづく思います。

受験までの時間が限られ、またやらなければならないことが増えてくると、皆さんがいかに自分自身をコントロールし、１つでも２つでも良いことが出来るかどうかがカギになります。心配な時期でしょうが、どうか頑張っていってください。

　

□雨野真実子さんからのご質問

水野先生、初めまして。私は現在高校１年生で、将来は京都大学の文系を第１志望に考えています。

私の住む街は田舎で周囲には進学塾らしいところがないため、某通信衛星予備校に通っています。その中の高校生向け講座で数学�T・Ａ、�U・Ｂは一通り終了しました。しかし実際にセンター形式の全国模試などに挑戦してみると、�T・Ａは半分ちょっと、�U・Ｂは半分以下と得点に結びつきません。高１の進研模試では大体偏差値７０程度です。

現在、講座の復習とあわせて水野先生が高く評価している「チェック＆リピート」（Ｚ会出版）で学習を進めていますが、その次の段階としてどんな参考書・問題集で学習を進めていくべきでしょうか。中学時代から「本質の研究」（旺文社）や衛星予備校の講座で先取り学習をしていましたので、「本質の研究」�T・Ａと�U・Ｂは持っています。また高校では「ニューアクションβ」（東京書籍）の�T・Ａを購入したので、２年になれば多分同じシリーズの�U・Ｂを購入することになるとは思います。

今、少し考えているのは「阿由葉勝の文系数学最頻出テーマ［�T・Ａ・�U・Ｂ］を攻略する本」（中経出版）、「難関大突破 数学の底力」（学研）などなのですが。よろしくご指導お願いします。

□雨野真実子さんへの回答

なるほど。教科書レベルに関してはすでに先取りで数学�U・Ｂまで終わりそうなので、入試レベルとの橋渡しになるもの、プラスαの内容に触れられるものが欲しいというわけですね。

志望校を考えると、今から高級な内容に触れておいて貯金を作っておきたいので、基本的にはあげられている

○「難関大突破 数学の底力」（学研）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1068.html
○「阿由葉勝の文系数学最頻出テーマ［�T・Ａ・�U・Ｂ］を攻略する本」（中経出版）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/868.html

のような演習書で、学校の授業がカバーしていない内容に触れるようにしましょう。高１の今からでも使いやすいのは前者（底力）です。扱っている内容は若干偏っていますが、章ごとの独立性が高く、ポイントが強調されているので即効性もあると思います。受ける模試に合わせて該当する分野の内容をやるなど工夫しましょう。後者は、�T・Ａ・�U・Ｂ全範囲をセンターレベルまで仕上げてしまってからの方が良いと思います。

あと、この２冊は両方とも１題の問題にじっくり取り組むタイプので、どちらも始めるとけっこうすぐ終わってしまいますから、問題演習が中心の本と組み合わせて演習量を補いましょう。すでに「チェック＆リピート」も使われていますが、それを済ませてから

○「数学標準問題精講」（旺文社）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/121.html

のように、私大・センターレベルから入試標準レベルの入口までぐらいを幅広く扱った演習書・問題集に進むとよいでしょう。基礎の反復問題が多いので、成績の伸びによってはもう少し上のレベルのものに移ってもかまいませんが、一応の基準にしてください。このシリーズにメドがつけば「阿由葉勝の〜」と並行して進めてもよく、より理解が深まると思います。

　　　
　

※９月１９日（日）、２０日（日）の内容をまとめて書いています。
　例によって後日まとめて書いていますが、記事日付は当日にしています

琵琶湖は去年の海の日にも行きましたが（→http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1072.html／http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1073.html）、このとき天候が悪くて見送った「伊吹山」にリベンジするため、またまたダックスフントの英太くんを連れて出かけました。







運動の苦手な飼い主を置き去りにする勢いで、喜々として山道を登っていく英太くん。道行く人に「あんなワンちゃんも登っとるがね」「偉いねえ」とほめられてました。伊吹山は高山植物のシーズンは終わりに近づいていましたが、連休ということでたくさんの人で賑わっていました。

ちなみに今回は、前回来られなかった父親が一緒で、ちょっとした歴史マニアの旅にもなりました。



関ヶ原を横目に見ながら、琵琶湖東岸を北上し小谷城址。ちょうど来年の大河ドラマの撮影のため、時任三郎さん（浅井長政役）と鈴木保奈美さん（お市役）が撮影に来られていたらしく、いつぞやの黒木瞳さん（→http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/42.html）に続いてひと目見られるかと思ったのですが、撮影は結構奥まったところで行われているらしく諦めました。あとで旅館で観た地元のニュース番組でも話題になっていました。それにあやかってか、今、地元長浜町が作った浅井（あざい）三姉妹のキャラが滋賀県のと「かぶって」争っているそうなのですね。写真にあるのは前者。ただ、箱に三姉妹がデザインされたクッキーの味はいまひとつでした（苦笑）





さらに琵琶湖の北に回り、賤ヶ岳（しすがたけ）。・・・いきなりお市が死んでしまいますが（滝汗）、犬もいたのでリフトは断念しましたが、戦国時代の戦いが結構狭いエリアで行われていたことを改めて知りました。そのあと、渋滞に悩まされつつ、中江藤樹の里の道の駅などに立ち寄りながら南に下り、西岸の「暖灯館きくのや」で一泊。近江牛のしゃぶしゃぶを堪能しました。





さて一夜明け、琵琶湖大橋でも渡って帰ろうかと一度は思いましたが、気が変わって湖岸の道路を南下。明智光秀の居城、坂本城址を目指します。その途中、前回に引き続いて「呼ばれて」しまったのか、迷い込んだ（？）のが西教寺。明智光秀一族の墓がありました。



そして、その近所には、日光東照宮のモデルとなった日吉東照宮があるというので、急な石段をヒィヒィ言いながら、いや英太くんだけは信じられないほど喜々として登りました。ちょうど中を公開していて、壁やふすまに描かれた絵も見ることができました。この他にも、武家屋敷がたくさん残っていたり、坂本もなかなかの歴史スポットだということが分かりました。どちらかというと城址の方がショボかったです（苦笑）



もう・・・さすがにここまで来ると余裕で天下統一できているはずなのですが、さらには道路地図で唐崎神社という神社にも立ち寄ると、そこにはテレビや雑誌に紹介されたこともある樹齢２５０年の「霊松」があったり、自分にとっては勤務校の合宿行事で来ているだけの琵琶湖を再発見でき、気分転換になりました。



締めくくりに、ここの名物のみたらしだんごを食べました。大阪に住んでいると、みたらしだんごといえば甘いたれがかかっている食べ物なので、名古屋人の父親は久しぶりに食べた辛口のだんごを気に入っていました。こうして、全体的にはやはり定年後のおっちゃんの自己満足のような琵琶湖めぐりはようやく終わりを告げたのでした。・・・まあ、主導したのが筆者の父親だけに、しゃあないですね。あれっ、最初に行ったのってどこだったっけ？？（笑）

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アクセス数　トータル／ユニーク／カウンタ数
９月１９日　２０４２／　８８３／１３２２・・・メルマガ配送効果か？アクセス増感謝！
９月２０日　１９０１／　８６５／１２３４・・・数字が規則的に並ぶと無意味に嬉しい？
９月２１日　１４６９／　７０７／？？？？
９月２２日　１５５６／　７０７／１０４２

□Aniniさんからのご質問

将来が不安なので相談したいです。僕は今高１なのですが、最近何をすればいいか分かりません。理系に行きたいのですが、そのためには数学が重要になってきますし、理科も２科目あります。

そこで相談なのですが、今高１この時期では、何をするべきでしょうか？理科は後回しでいいのでしょうか？とっても不安です。

また、数学などは、「チャート式」（数研出版）などより２次対策のような問題を解いた方がいいのでしょうか？僕最近このことでずっと悩んでるんです。自分は本当に大学に行けるのか？って。

返信いただけたら幸いです。

□Aniniさんへの回答

Aniniさんご自身の現在の学習状況は分かりかねますが、筆者自身も同じ時期に悩んだ記憶がありますので、それを踏まえてお答えします。

科目間の優先順位ということで一般論を言うなら、今の時期（高１のあいだ）は、理科は学校の授業を中心として教科書レベルの基礎知識を身につけることに集中し、学校で一定レベル以上の授業が受けられる限りとくに難しいことを考えなくてもよいと思います。それより、基本事項自体が難解で、かつ点に結びつくまでに比較的時間のかかる数学の基礎固めを（学校で課題を出されていればそれを利用して欲しいが、特にそういうものが出ていなくても）少しずつやり始めておくべきだと思います。

そこで具体的に何をすべきかということになりますが、まずは学校で教科書と一緒に配られている問題集（傍用問題集といいます）を、例えば模試を受けるのであればその実施に合わせるなどして解き直してみるのが手っとり早いです。問題はレベル別に並んでいることが多いですが、「Ｂ」とか「標準」とか呼ばれるところが最初に習うときに理解度の差がつくところですから、特にそのレベルをしっかりやります。

もし、傍用問題集の解答をもらっていないか、事情があって市販の本でやりたい場合については、Aniniさんが学校で今受けている授業のレベルを知ることも兼ねて、良い演習書があります。

○「ここからがわからない 入試基礎」数学�T・Ａ／�U・Ｂ（旺文社）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/290.html

という本なのですが、今の高校生・大学受験生から東大生の学習指導員への質問が多かった問題を選び、解説しています。また、ＰＣの画面上で動くペンと音声による解説が見られるＣＤ−ＲＯＭも付属していて、学校の授業で聞き逃したところがあれば復習になりますし、習っていない所でも理解できれば先取りしてしまうことも出来ますね。

あと、今習った知識だけで解ける入試問題にとにかく触れたいというのであれば、入試の基礎〜標準典型の問題を網羅した

○「Ｚ会数学基礎問題集 チェック＆リピート」（Ｚ会出版）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/142.html

という問題集があります。多少難しいですし問題数も多いですが、もしこのレベルに十分取り組めるなら、今のうちに頑張って貯金を作ってしまうのも１つの手です。ただ、レベル的には前述した「Ｂ」「標準」がこの「チェック〜」では最低、中心となるのはその少し上か、結局やることは同じだが問題文の表現が変わったものなどになるので、無理は禁物です。

筆者の持論ですが、数学の学習には「手順」のようなものがあると思っています。大学入試問題を解くことを目標とする場合ですが、まずは教科書の基本事項を確実に理解し、一定レベルまでを固める。そのうえで、難しい内容に触れつつ、時には基本に戻って曖昧にしていた部分の理解を深めたりしながら、頑張っていればいつの間にか様々な問題に対応できるようになっている・・・その繰り返しだと思います。迷う時期もあるでしょうが、そこで焦らず、迷った経験もプラスにするつもりで、粘り強く取り組んでいってください。

　

　

□コアラさんからのご質問

慶応商学部志望で河合塾で浪人しています。
今までの模試は第１回全統記述で偏差値５７、第２回マーク模試が�T・Ａ７２点、�U・Ｂ６５点でした。

じぶんは数学が出遅れているので、できれば合格者の平均点ぐらい取れればいいと思っています。これからは、河合塾のテキスト＋「文系数学 入試の核心」（Ｚ会出版）を使って学習していこうと思っていますが、どうでしょうか。

アドバイスよろしくお願いします。

□コアラさんへの回答

現時点で、少なくとも数学で大きく足を引っ張らない程度にはもって来られていると思います。が、ここからの現役生の伸びに負けないよう、予備校の授業を受けるだけでは足りなくなる「演習量」を補っていかなくてはいけませんね。

○「文系数学 入試の核心」（Ｚ会出版）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/819.html

のような、分野全体をカバーする演習書がやはり１つ軸となります。その他、収録問題数の多い問題集ならいくらでも思いつくのですが、数学には出遅れを感じていらっしゃるようなので負担になりそうなものは避け、少しずつプラスしていけるようにと考えます。すると、考え着くのが赤本の活用です。他学部・他大学を含めた赤本を多く入手して入試問題に実際に当たってみてはどうでしょう。最初は志望大学よりややレベルの低い大学から始めますが、こうすると入試独特の「ひねった」問題に自然と慣れます。赤本に関しては、過年度版が古本などで安く手に入る場合もあります。

さらに上のレベルとなると、もちろん気にはなるでしょうが国公立大志望でなければ特にきにする必要はありません。もしそういうレベルにも触れておきたければ、

○「阿由葉勝の文系数学最頻出テーマ［�T・Ａ・�U・Ｂ］を攻略する本」（中経出版）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/868.html

という講義調の導入書もありますから、予備校の授業内容と「かぶる」かも知れませんけど余力があればこういったものも「入試の核心」にプラスして使ってみましょう。

　

　

生徒さんからの質問に困っている指導者向けのネタ集？

「はじめての入試問題！」数学�T・Ａ／�U・Ｂ（旺文社）

教科書と入試レベルのギャップを埋める演習書。教科書学習時につまずきやすい例題、学校の授業で扱われづらい内容に切り込み、周辺事項まで含めて、講義調を交え解説している。

扱うテーマが「数学�T・Ａ」は６２、「数学�U・Ｂ」は４９あり、各テーマで１つの例題を解説しながら、必要に応じて周辺事項に触れる形式。収録問題は教科書節末〜章末レベルの確認問題が半分、本格的に難しいものが半分といった感じで、前者と後者のギャップがかなり激しい。率直に言って自学自習では使いにくいが、各テーマは独立していて、１つの内容が理解できなくても気にせず次の内容に入っていけるのが本書においては救いになっている。「理解できたら儲け」のノリで取り組みたい。

あとこの本、実は筆者のような（経験的に中途半端な）指導者には大変有難い。見慣れた問題は読み飛ばし、目新しい問題、難しい内容に目を向けると、ちょっと盲点をつくような、意地悪で生徒さんからの質問が集中しそうな問題、少し説明を聞き逃すと生徒さんがパニックを起こしそうな内容があちこちに入っているからである。目先の「授業効率」を考えると、どうしても触れずに済ませようとしがちなところに、あえて踏み込む勇気を評価したい。と同時に、生徒さんが将来こういった内容でつまずかないようにと思えば、教科書に沿って授業をする際にも、問題の扱い方や説明の仕方をより考えることになるはずだ。

最後に、どうしても気になったのは、本のタイトルと内容のギャップ。まず「はじめての」とあるのに、幾つかかなりマニアックな内容、人によっては理解できず苦しみそうな内容を含んでいる。これらに関しては、標準的な問題にある程度取り組めるようになってからやった方が理解しやすい類のもので、ここで無理に取り組んで挫折し、自信を失う受験生が少なくない気もする。さらには、「入試問題！」とあるのに収録問題には出題校が添えられていない。読み進めていって、この大学の入試問題の解き方が分かったという達成感を得るため、逆に理解できない内容が出てきたときは、分かるまでやり直すか後回しにして次のテーマに進むかの目安など、いろいろな意味で出題校名は添えておいて欲しい。

　

【参考】Amazonに掲載されている、出版社／著者からの内容紹介（１０年９月１６日現在）

教科書の例題レベルを少しだけこえた入試の頻出問題をとりあげ、ていねいに解説。どういうところが問われているのかという問題の意味、解法の方針、問題を解く上での重要な視点、考え方、解答上の重要な論点などを解説。

先日、とあるきっかけで「コラム」なるものを書かせていただくことになりました。内容は特に問わないということでしたので、自分にとって最も書きやすい、これまでの当サイトでの活動について、まとめさせていただきました。

最近知り合った皆さんや最近になって当サイトを見つけてくださった皆さんに向けても良い自己紹介になるかと思いますので、勝手ながらこちらに転載させていただきます。

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■【数学参考書レビューと歩んだ１０余年】(水野健太郎)

私は現在大阪府の私立中高一貫校で数学を教えていますが，本業とは別に教員志望時代から「数学参考書レビュー」というサイトも運営しています。始めたのはもう前世紀のことですから，自分で言うのもなんですが，いわゆる「受験サイト」の類では最も古いものの１つだと思います。

私がサイトを作る直接のきっかけとなったのは，私自身が大学を一旦卒業してから改めて教職を志したことです。中学・高校で学んだ内容は忘れていますから，自身が高校生の頃の定番本ぐらいはもう一度買おうかと思い，書店に向かいました。が，少し学習書から離れていた間に状況は一変。種類が増えすぎ，自分の考えた用途に合ったものを選ぶのに大変苦労させられたのです。

例えば，この頃はいわゆる「講義調」の参考書が増え始めた時期でした。話し言葉による丁寧な解説が特長で，学校や塾の授業が受けられない人，または受けた授業の内容を思い出したい人にはこういった本が向きます。ただ，間違えてはならないのは，説明が丁寧イコール導入用ではないということです。読み手にある程度の予備知識を仮定し，ポイントを絞って解説した「講義調」も実際あります。でも，一般の受験生に，そこまで見分けることが出来るでしょうか。他のタイプの本についても含め，こういった問題が山ほどあるということを，このとき私は直感しました。自分のホームページに手元の参考書の特徴をまとめ，レビューを掲載したのは，それからすぐのことです。

その後，あちこちで講師の仕事をしながら，やがて現在の勤務先へと辿り着きますが，今まで「レビュー」は１０年以上続けています。受験生をはじめ多くのかたからメッセージをいただきましたし，同時に自身ももっと勉強しなくてはならないことに気づきました。この間，システムで言うと掲示板，ブログ，メルマガ，ＳＮＳ，そして動画投稿サイトや最近話題のツイッターなどが出現，電子書籍ブームが言われるようになりました。教育課程で言えば，一時期どんどん薄くなった高校数学の内容がまた元のレベルに戻ろうとしたり，一方では大学入試制度の弊害で，理系の学部に数学の学力試験を経ずに入ることも出来るようになってしまったりと，様々な状況があります。

そういった中で，私の「レビュー」の目的も徐々に変わってきました。当初は受験生の役に立ちたいという純粋な気持ちがあり，それは今も変わりませんが，続けることで最高の自己ＰＲ手段となりました。それだけでなく，最近は，高い目標を設定してそれに向かって努力できる受験生の層を作ること，レビューの対象である「数学参考書」そのものの絶滅を防ぐといえばおこがましいかも知れませんが，そういったところまで視野に入ってきました。この活動に，終わりが訪れることはないと思います。



○水野健太郎○
大阪府の中高一貫校にて数学科客員講師。聖文新社「全国大学数学入試問題詳解」他の過去問集の解答執筆，模試等の作問を手がける。サイト「水野の数学参考書レビュー」を運営，メルマガも配信。大阪市在住。
サイトURL：http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/
メルマガ登録ページ：http://www.mag2.com/m/0000190332.html

　　

・・・誕生日でした。



写真は少し前に家族と食事に行った時、「卵黄の味噌漬け」を出されて物珍しさのあまり変な表情をしている私です。漫画「美味しんぼ」の絵でしか、見たことなかったですからね、こんなの・・・

そして今日、皆さんからメッセージをいただきましたが（文字がFlashで踊るやつなども。ありがとうございます！）、その中でも最も「おおっ！」と思わされたものがありますので、こちらで紹介させていただきますね（差出人さんの氏名は省略しています）。そういえば誰かにも同じことを言われたのですが、矢沢永吉と同じ誕生日みたいです。

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　御誕生日御芽出とう御座います。また佳き１年を御迎え下さい。下記の穂人達と同じ御誕生日です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1769年
アレクサンダー・フォン・フンボルト (独:博物学者,自然地理学者)
Friedrich Heinrich Alexander,Baron von Humboldt
[1859年5月6日歿]
[Wikipedia - アレクサンダー・フォン・フンボルト]

1849年
イワン・パブロフ (ソ連:生理学者,条件反射の理論を確立)
Ivan Petrovich Pavlov
グレゴリオ暦09/26

1904年ノーベル生理学医学賞
[1936年2月27日歿]
[Wikipedia - イワン・パブロフ]

1898年
薄田研二 (俳優)〜確か女優松原千明のお父さんだった気が。
[1972年5月26日歿]
[コトバンク - 薄田研二]
1900年
安藤楢六 (実業家,小田急電鉄社長(初代))
[1984年1月11日歿]
[Wikipedia - 安藤楢六]

1908年
中村伸郎 (俳優)
[1991年7月5日歿]
[Wikipedia - 中村伸郎]

1911年
川崎秀二 (衆議院議員,厚相(30代))
[1978年2月22日歿]
[Wikipedia - 川崎秀二]

1914年
ピエトロ・ジェルミ (伊:映画監督)
Pietro Germi
[1974年12月5日歿]
[Wikipedia - ピエトロ・ジェルミ]

1919年
三木淳 (写真家)
[1992年2月22日歿]
[Wikipedia - 三木淳]

1934年
国松彰 (野球(巨人/外野手[元]),亀屋万年堂社長)
[Wikipedia - 国松彰]

1935年
赤塚不二夫 (漫画家『おそ松くん』『天才バカボン』)
[2008年8月2日歿]
[Wikipedia - 赤塚不二夫][コトバンク - 赤塚不二夫]

1942年
茅島成美 (女優)
[Wikipedia - 茅島成美]

1949年
矢沢永吉 (歌手,ミュージシャン(キャロル/ヴォーカル))
[Wikipedia - 矢沢永吉]

1961年
松川裕美 (レポーター)
[Wikipedia - 松川裕美]

1962年
駒田徳広 (野球(巨人・横浜/内野手[元]))
[Wikipedia - 駒田徳広]

1965年
ドミトリー・メドヴェージェフ (ロシア:大統領(3代))
Dmitrii Anatolievich Medvedev
[Wikipedia - ドミトリー・メドヴェージェフ][コトバンク - メドベージェフ]

1967年
尾崎正直 (高知県知事)
[Wikipedia - 尾崎正直]

1970年
円谷憂子 (歌手、,円谷英二の孫)
[Wikipedia - 円谷優子]

1972年
2代目中村獅童 (歌舞伎役者,俳優)
[Wikipedia - 中村獅童 (2代目)]

1977年
石井弘寿 (野球(ヤクルト/投手))
[Wikipedia - 石井弘寿]

1981年
安達祐実 (女優)
[Wikipedia - 安達祐実]

1985年
上戸彩 (女優,歌手)
[Wikipedia - 上戸彩]

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＃ あとで調べてみたら、こんなのもありました
＃ → http://www.nengou-wine.com/tanjoubi/tanjoubi.php?bDay=9-14

アクセス数　トータル／ユニーク／カウンタ数
９月１４日　１４６９／　６６５／　９１２・・・誕生日は、まあいつも並みでした

もと検定教科書だったものに編者みずから音声解説を補った導入書

「聞いてしまえばとっても簡単！数学�T（／Ａ／�U／Ｂ／�V／Ｃ）本質の講義」（旺文社）

ＭＰ３音声の入ったＣＤ−ＲＯＭ付きで、音声を聴きながら読める教科書型テキスト。ＣＤ−ＲＯＭには、編者である長岡亮介先生みずからによる長時間の解説と、収録問題の解答のＰＤＦファイルが収録されている。長岡先生は過去にもＣＤ付きの演習書を旺文社から出されていて、（筆者も実は直接お会いしたことがあるのだが）聴いていて安心感を覚える語り口は相変わらず。０９年に先行して数学�T／Ａ／�U／Ｂの４冊が発売されたのち、１０年９月には数学�V／Ｃの２冊が発売され、高校数学全分野をカバーするラインナップが揃った。

さて、前書きで長岡先生みずから触れられているが、この本の中身は「検定教科書」そのもの。旺文社は（今はもう撤退しているが）高校数学の検定教科書を出していて、長岡先生はその主幹（編集責任者）をつとめられていた。・・・そういえば、勤務校で使っていた学年があったので見覚えがある。元の教科書に収録されていた（はずの）章末問題がＰＤＦに移り、その部分が別の内容に差し替わっている点と、解説で「○○行目の・・・」などと言うためであるが、本文すべてに行番号が振られている点など細かい部分が違うだけである。

筆者も解説を（全部ではないが）聴いてみた。前書きにもあるように、教科書の文章は無味乾燥に書かれている点を補うべく、それらをただ追っていくだけでなく、随所に先生なりの「味付け」を施そうとしている（筆者のような指導者には、授業展開の手本にも最適である）。場合分けして書かれているが最もよく使う大事なものはこちらだとか、この問題を解く際はこういう境地に達して欲しいとか、筆者も「同じことを言いたい！」と感じたことがある内容が多かった。類書「佐藤の数学教科書」（東進ブックス）が出た当初とはやや違った方向に進んでしまったのに対し、こちらの方が内容的に素直で、また「ブレ」がないので、幅広い皆さんに薦められると思う。

ところで、長岡先生と言えば、旺文社からは「本質の研究」という参考書も出されているが、この本でも、その導入や解説のはしばしで「現行の高校数学の検定教科書の書き方に物申す！」みたいなことも書いておられた。今回の「聞いてしまえば〜」の前書きや解説音声にも同じニオイを感じる。ただ、そちらばかりに偏ることはなく、最小限必要なことは伝えたうえで少し触れる程度にとどめているから、いやらしさは感じない。読者は安心して読んで聴いて欲しい。

【リンク】数学�T／Ａ／�U／Ｂ

　　　

数学�V／Ｃ

　

※０９年１０月８日執筆分に加筆修正

今年はとにかく「猛暑」でしたが、ようやく一段落しそうです。

・・・夏バテ気味だったという皆さんも、大丈夫ですか？

来春受験という人も現高２の人も（もちろん高１の人も）新しいことを始めるには大変良い時期なのですが、バテ気味ではアイデアが出ません。まず体調の回復が最優先ですが、さて何をしようかと立ち止まってしまうと、考えも安易な方向に流れてしまいますし、間が空くと学習のペースを取り戻すのに苦労します。

そこで、特にやることが決まっていなければ、夏休みに学習した内容を復習しながら、自分の状況を見つめ直して欲しいのです。学校で夏休みの確認テストなどがあったという生徒さんは、その復習を意識してやってみましょう。これはサブの位置づけでやるのですが、特に規則正しい夏休みを過ごせなかった人は、学習内容の定着も同様にあやしいわけで、ここをきっちりしておくかどうかで差がつくと思います。

　

□列島さんからのご質問

はじめまして。現在１浪中の列島と言います。
８月に行われたマーク模試は７割程度でした。志望校は阪大か神戸です。

夏休みは「シグマトライ」（文英堂）の�U・Ｂの例題を中心に進めていたのですが、�T・Ａにあまり手を回せず不安です。
�T・Ａは今から「チョイス新標準問題集」（河合出版）か「チェック＆リピート」（Ｚ回出版）を進め、�U・Ｂは、手持ちの「フォーカスゴールド」（啓林館）を進めていこうと考えています。あと、書店で「１対１対応の演習」（東京出版）を見たのですがなかなか難しい気がしました。

先生の考えを聞かせてください。

□列島さんへの回答

今は入試でよく出題される数学�U・Ｂを中心に進めているのですね。すると、２次関数のように数学�U・Ｂ内容と融合しやすい分野に関しては自然と復習できているはずですが、確率など他分野との融合が限られる分野が心配です。もちろんしっかりやるに越したことはないのですが、数学�U・Ｂの学習と並行して�T・Ａも分厚い参考書・問題集をやるには抵抗があるでしょう。

そう考えると、「チェック＆リピート」は（もう少し前の時期から始めるには悪い本ではないのですが）問題数が多いですし、私大の小問のような瑣末な問題の割合が高いので、今回はおすすめできません。消去法的ですが２次試験レベルの問題の割合の高い

○「チョイス新標準問題集」数学�T・Ａ（河合出版）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/57.html

で、基礎の確認と入試標準レベル・過去問演習への橋渡しをしましょう。

加えて、少ない問題数の本で分野のバランスをとりたければ、基礎の確認が出来るセンター対策本を活用するという手があります。分野別の単問とセンターの過去問を扱った

○「演習編 きめる！センター数学」（学研）
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/354.html

など、このレベルの本はいろいろありますから、気に入ったものを選び、苦手分野は基礎の確認、得意分野はセンターの問題を中心に取り組みましょう。

センターも２次も、もう少し時期が迫って来たら模試形式の問題集や過去問の学習にシフトしていくことになると思いますが、その時期に入ると出題形式や解答時間など他にも気にしないといけないことが増えますから、各々の内容をしっかり理解しようとすると今からの意識の持ち方が大変重要になります。頑張ってください。

　　

　

※「教師＆講師 模擬授業対決 Ｔ−１グランプリ」本体の詳細をご覧になりたいかたはこちら
　→ http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1173.html

※今回、オブザーバーは定員（５０名）に達し、締め切られました。
　皆さまには、お早いお申込みをいただきまして、誠に有難うございました！

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主催者の別宮先生も順調に回復されている、どころかつい先日８月２１日（土）ではラジオ大阪の「幸せラジオ 乾龍介です」（→http://www.obc1314.co.jp/bangumi/inui/#）でも紹介されたそうで「何より」と言うより驚くばかりなのですが・・・

「教師＆講師 模擬授業対決 Ｔ−１グランプリ」も早いもので来る９月１２日（日）には第５回を迎えます。

第５回は国語部門。前回と会場を変え、大阪市は阪急電鉄十三（じゅうそう）駅近くの「大阪研修センター」という施設で行われることになりました。

＄「貸会議室 大阪研修センター」
＄ → http://www.kaigishitsu.ne.jp/

現在、模擬授業エントリー（残り１名）を公式サイトにて募集しておりますが、例によって初回のかたに限りお申し込みの際、お申し込みフォームのメッセージ欄に「水野のサイトを見た！」とお書きいただけると参加料が割引になる「公式サポーター特別割引制度」もございます。



※写真は１月に開かれた第１回英語部門で熱い授業をしてくださった鈴木先生のものです

塾や学校の先生方はもちろん、学生さん・保護者さんまで、国語・教育に興味のあるすべての皆さんに資する、大変熱いイベントです。今年は９月に入っても暑い日が続きますが、この暑さにあえて「熱さ」をぶつけ、皆さんで盛り上がりましょう！

＄「Ｔ−１グランプリ」公式サイト（お申し込みはこちらから！）
＄ → http://www.bekku-shiki.com/

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アクセス数　トータル／ユニーク／カウンタ数
９月１１日　１５５５／　７１８／　９３７・・・落ち気味だったアクセスが復活？

※９月４日執筆分に随時加筆修正してお伝えしております
　一時的な「お知らせ」を目的とした記事であったため、こちらのカテゴリに移しました。