♪こんにちは!
算数パズル・ナビゲーターの水野健太郎です。
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『ねえ、今日から算数パズルやらない?』
発行者:水野 健太郎
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/
□■□■□■■□■■■□■■■■■□■■■■■■■■ Vol.045
皆様、ご無沙汰しております。
・・・前号と同じ出だしで申し訳ありませんが(滝汗)
今日は「文化の日」。皆さんがこれをお読みになっている頃、
筆者は文化祭の催しの監督のため勤務校におりまして、
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
祝日、お休みだったという皆さんは思い思いに羽根を
伸ばされたことでしょうけれど、お家にお帰りになったあと、
リラックスした頭で算数パズルに取り組むなんてどうでしょう?
お風呂の中ででも、ゆっくりと考えてみてください。
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問題(中級)・・・少し時間をかけて考えてみてください
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サッカーボール・・・今年はW杯も開催されましたが、
大会の公式球はカラフルで、デザインも凝っていましたよね。
筆者が小さい頃に親に買ってもらった物とは雲泥の差です。
が、ここでは「古典的」なサッカーボールについて考えます。
皆さん一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
サッカーボールの表面には、1つの辺の長さがどれも同じ
正五角形と正六角形の模様が敷き詰められています。
そして、どの正五角形のまわりにも正六角形が5個並び、
どの正六角形のまわりにも正五角形と正六角形が交互に
3個ずつ並んでいます。(実際に絵を描いてみてください)
このことから、サッカーボール1個の表面に敷き詰められている
正五角形と正六角形の個数の「比」を考えてください。
(比は、最も簡単な整数の比で答えてください)
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問題(中級)の解答
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もし、現物を実際にお持ちであれば、それを見て1つずつ
数えていくというのが、最も手っ取り早い方法です(汗)
先に答えを言ってしまいますが、正五角形が12個、
正六角形が20個ですから、求める比は12:20ですね。
両方を最大公約数の4でわって「3:5」が答えになります♪
・・・ですが、現物をお持ちでない人はどうしましょう?
何も見ずにこれから作るのはちょっと無謀ですね。
昨今、インターネットを「サッカーボール 展開図」などの
キーワードで検索すれば、展開図をダウンロードさせてくれる
サイトが幾らでも出てきますが、普段から何でもかんでも
それで済ませるクセがついてしまうと良くありません。
こんな時代だからこそ、物事を自分の頭で考える機会を
なるべく奪わないことが肝心です。
実は、正五角形と正六角形の数を直接求めるには多少の
知識が必要ですが、個数の比だけなら、ちょっと頭を使えば
問題文(とその様子を描いた図)を読めば求められます。
まず、問題文には、正五角形のまわりには正六角形が
5個ずつ並んでいると書かれていますが、このことから
正六角形の個数を「仮に」正五角形の5倍とします。
・・・ああ、なぜ「仮に」かということですね。
実は、この数え方だと「ダブり」が生じてしまうんです!
そこで、今度は正六角形の周りを考えてください。
問題文には、正六角形の周りには正五角形と正六角形が3個
ずつ並んでいると書かれていますから、正六角形はどれも
1個が3つの正五角形から数えられていることになります♪
このことから、正五角形1個あたりの正六角形の個数は
5を3でわって5/3(3ぶんの5)個ずつになります。
よって、個数の比は「3:5」であるとわかります。
これと似た考え方は、過去にメルマガで解説した
「試合数の問題」の中で、総当たりリーグ戦の試合数を
求めるときに出てきています。
算数・数学の面白いところの1つに、何か1つ考え方や
ポイントが分かると、それを応用して思わぬ分野・題材の
問題が解けるようになるということがあります。
$ メルマガバックナンバー「試合数の問題」
$(問題編/解答編1/2/フィードバック編)
$ →
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1205.html
$ →
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1211.html
$ →
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1214.html
$ →
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1221.html
→→→→→[参考]
あと、どの問題にも今回のようなひらめきが必要なわけでは
もちろんなく、知識の積み重ねで補うことも可能です。
今回のいわゆる「サッカーボール形」は「準正多面体」の
一種で、「切頂二十面体」というれっきとした名前があります♪
どうやって作ったらできる立体かということを知っていれば、
もとの「正二十面体」の頂点(切り落とすカドの部分)の個数が
正五角形の個数、正二十面体の面(カドを切って残す部分)が
正六角形の個数とそれぞれ等しいことから、それぞれの個数が
12と20、比をかんたんにすると「3:5」と出てきます。
物知りのかた、研究熱心なかたは、今回の問題文をお読みに
なって、すぐにこれを思い出してくださったことでしょう♪
けれど、今回はこの知識を前提としなくても解けるように
したくて、資料も参考に「比」だけを求める問題にしました。
