□斉藤さんからのご質問
過去2回質問をしたことがある、斉藤です。志望校は相変わらずの秋田大医−医です。
以前は「11月からセンター対策をしたいです」と書いたのですが、今はセンターに力を入れたほうが良いように思っています。なぜ、そう思ったかというと、センターと2次の得点比率です。秋田大医−医は、センター:2次=9:4(900点:400点)で、2次科目は、英・数・面接で、英数:面接=200点:200点なんです。実質、1300点中200点が、2次試験の点数だといってもいいと思いました。
なので、センターでの得点を第1に考え、11月から対策をとるのではなく、もっと早い時期から、対策をとろうと思います。2次対策は、「出題範囲すべてをまんべんなく勉強する」という考えを変え、「出題範囲はある程度まではまんべんなく、毎年出題分野(微分・積分、ベクトル)、頻出分野(数列、確率、極限)に力を入れる」にしようと思っています。
また、赤本には、「全体的に標準だが、医学部では考え方・計算量でかなり時間がとられる。対策として、標準的な参考書・問題集を一通り学習し、例題を中心に解き、解法をきちんと身につける。よく出題される分野は他大学の医学部・数学科の問題など難度の高い問題にあたっておくといい」と書かれていました。
長くなりましたが本題の質問です。前置きに比べずっと簡素で申し訳ないのですが、赤本がいう「標準レベルの問題」って参考書・問題集でいうと何にあたりますか?
□斉藤さんへの回答
以前に2回ほどご質問をいただいていますが、筆者自身も1つ1つのご質問をすべて覚えているわけではないので、サイトにアップしている記事を読み返させていただきました。ちなみに、当サイトでは、以前の回答に関してもすべて読めるようにしており、ご質問されたときのお名前に「さん」を付けたワードで当サイト内を検索していただくと、出てくるようになっています。
さて、筆者の個人的な認識として、赤本などで言われる「標準レベル」の基準は大きく分けて2つあると思います。まず「1:まったくの基本とはいえないが、教科書か参考書に載っている例題・問題の、問い方などを少し変えた(ひねった)程度か、そういった問題の解法をせいぜい2つぐらい組み合わせて解く程度の典型題」、次に「2:それなりに高度な内容ではあるが、特に教科書内容から逸脱した知識や解法が必要ではないし、試験場でも途中までなら多くの受験生が解けると推測される問題」ということです。
センター試験の問題は大問の後半に行くに従い徐々に難しくなりますが、特に数学T・Aの方は「1」の枠内に収まり、U・Bも近年難しくなっているとはいえ「2」の域を出ることはほとんどありません(ただ解答時間が極端に短いですけどね・・・)。2次試験で「標準」というとほとんど「2」のことですが、これは赤本の分析のとおり、後述する「標準的な」演習書をこなしたあと他大学を含めた過去問で練習すればかなりの部分対応できるはずです。
具体的には、最初の回答(→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1524.html)では
○「数学標準問題精講」(旺文社)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/121.html
をあげていましたが、こちらは「1」の割合が高い本で、教科書レベルからもある程度スムーズに繋げることができます。しかし、斉藤さんの場合、この回答の後、マセマの参考書(「合格!数学」でしょうか?)で基礎固めをされることになったとおっしゃったので、こちらは内容的にかぶる部分が多く効率が悪くなるだろうということで選択肢から外していただいたのでした。
次(→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1545.html)にあげさせていただいたのは
○「大学への数学 1対1対応の演習」(東京出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/137.html
で、こちらは問題数もさほど多くなく「1」「2」の両方がほどよく混ざっています。「1」だけのつもりで取り組むとやや辛い本なのですが、マセマの参考書をやれば「1」の部分が補われるでしょうからまあ大丈夫だろうということです。ところが、ご指摘のように、こちらで進めると今度は本来「間の」レベルのものであるはずのセンター試験の対策が後回しになってしまい、入試の配点から考えるとそれもまずいだろうということなんです。
そこで、2次対策は「1対1」でやることにして、やはりその前にセンター対策本を入れましょう。今回の目的で言うと、基礎の確認に重点を置きつつ、解説面等で上のレベルにつながるものが良いので、例えば
○「勝てる!センター試験」数学T・A/U・B(文英堂)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/496.html
などが候補に上がります。このシリーズは毎年新版が発売されるので、12年度受験用が書店に並ぶのを待って購入してください。ただし、どうしてもすぐに欲しい場合は、あるものでも大丈夫です(付録等を除いた本冊の部分は数年に1回しか新しくならないため)。
あれこれ迷う気持ち、焦る気持ちも分かるのですが、そろそろ本格的に動き出さないといけません。ご自分が納得して取り組める参考書・問題集に1日でも早く出会えることをお祈りするばかりです。
