□MIchaelさんからのご質問
初めまして。高卒で一橋大学を目指して自宅浪人をしている者です。
去年はほぼセンター試験だけを必要とする大学を受けて落ちてしまいました。数学T・Aは86点、数学U・Bは59点という悲惨な結果でした。
3月から2次試験の勉強を初めて始めまして、今まで以下の問題集を繰り返しました。
$「元気が出る数学」数学T・A/U/B(マセマ)
$「実力UP問題集」数学T・A/U・B(マセマ)をそれぞれ7周ずつ
$「文系数学の良問プラチカ」(河合出版)を4周
9月上旬に行われた大手予備校の模試(記述)の数学の偏差値は65でした。なお、模試を受けた時点では「プラチカ」は1周終えていました。
そして始めの頃よりは実力が付いたかなと思い、一橋実戦模試を受けたのですが、結果は散々でした。本当にショックだったのと同時に何をすればいいのか分からなくなりました。模試では、これは微積を使う問題、この面積はベクトルを使う問題、など、なんの分野の問題なのか分かりませんでした。考えてみると、今までの問題集は分野別にわかれたものだけで、その点では数学的思考力が狭かったのだと思いました。
この数学の勘というか、視野の広さはどうすれば身につくでしょうか。ただ良問を数多く解けばいいのでしょうか。それとも講義なしでは一橋大学の数学は出来るようにはならないでしょうか。
初見の入試レベルの問題を自力で解けるまで熟考する、というのが私の今の考えです。ですがそれは過去問しかありません。肝心の「一橋大の数学15ヵ年」(教学社)は分野別にわかれてしまっています。(もちろんこの本もやり込むつもりです)
アドバイスを頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
□MIchaelさんへの回答
一応センター試験を受けた時点でそれなりの予備知識があったとはいえ、それから約半年で実力をつけるのは並大抵ではありませんから、まずは今までの頑張りを評価したいと思います。
今は、それなりの手ごたえは感じているものの、本番入試レベル(またはそれ以上)の高等な問題になると手が出にくい、もしくはまったく的外れの解法しか思いつかず悩んでしまうということですね。筆者自身も似た経験をしたことがあり、今までやってきたことすべてが否定されたようで、しばらく何の学習もやる気になれなかったのを覚えています。が、いつまでもそう言ってはおれないので、手を考えなくてはなりません。あくまで過去の自分の結果だからと割り切るところは割り切り、今後の学習のヒントに出来るところはそうしましょう。
とりあえず「プラチカ」を中心にすること自体は間違っていないので、続けてください。もう少し徹底してやれば内容を身につけることができるでしょう。その脇を固める演習書ですが、現時点では分野に分かれたものをもう少し続けるべきではと思います。具体的には
○「阿由葉勝の文系数学最頻出テーマ[T・A・U・B]を攻略する本」(中経出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/868.html
○「入試数学の思考法」(駿台文庫)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1165.html
あたりが、今のMIchaelさんに合っているのではと思いました。前者は「プラチカ」と同レベルか少し易しめの問題を扱い、噛み砕いて丁寧に解説した本。後者も扱っている問題のレベルはほぼ同じだと思いますが、解説の中で重要典型題に戻ったり、周辺事項を説明したりして知識をふやしていくような演習書(筆者はよく「骨太」と評する)です。加えて、整数問題に関しては演習量も問題を解く経験も不足しているかと思いますので、
○「短期集中インテンシブ10」整数(Z会出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/533.html
もあわせてお薦めしておきます。
このレベルの問題が安定して解けるようになれば、次の段階として、難関大独特の複数の分野にまたがったりする問題に(過去問集以外で)対応することを考えます。と同時に、分野に関係なくバラバラに解きたいということもあるようですので、予備校系の出版社で大学別の模試(他大学でもかまいません)の問題を集めた問題集を利用してはどうかと思います。ただし、これはまだ少し先のことかも知れません。1つ1つの段階の学習を、とにかく徹底して行うよう、意識しながらやっていきましょう。
