□柴崎さんからのご質問
水野先生、はじめまして。柴崎と申します。社会人ですが、今度の2月に東大理Tか理Uを受験予定です。
高校時代は数学は不得意というほどではありませんでしたが、得意でもありませんでした。現在、Z会の添削(自分には難しいですがペースメーカーとしてやってます)と並行して「黄チャート」(数研出版)を例題だけやっていますが、もうすぐ固められそうです。「黄チャート」の後、2月の2次試験までにどのようにつないでいったら良いか迷っています。
参考書は以下のものを持っていますが、レベルに偏りがあります。
「赤チャート」(数研出版)(辞書として気に入っています)、「世界一わかりやすい 東大(/京大)の理系数学合格講座」(中経出版)、「東大数学で1点でも多く取る方法」理系編(東京出版)、「鉄緑会 東大数学問題集」(角川学芸出版)、「東大の理系数学25ヵ年」(教学社)、「大学への数学 入試の軌跡」東大(東京出版)、東大模試過去問(河合・駿台)、「やさしい理系数学」(河合出版)、「チャート式 大学入試数学テーマ30」(数研出版)、「合格る計算」TAUB・V(文英堂)、「解決!センター」T・A/U・B(Z会出版)
時間がないうえに、数学以外にもやらなくてはいけないことがありますので、この中からいくつか選び、新しい問題集を買うとしても1冊程度に抑えたいです。
(現状)5月の全統マーク模試ではT・Aが80点、U・Bが73点だったので、まだまだ実力が足りていない状況です。短期間で成績の伸びにくい数学は得点源にしなくてもいいと思っていますが、それでもセンターで9割、2次で120点中50点くらいは欲しいです。
東大過去問を見ると、解答を見れば理解できるものの、自分では解法を思いつかないのが多いです。
(質問1)「黄チャート」の後なのですが、水野先生がかなり評価されている「チェック&リピート」(Z会出版)は問題数がとても多く、私の場合時間的に間に合わない気がしますが、やるべきでしょうか?私の当初の予定では、解法を思いつくプロセスの説明が丁寧で既に持っている「世界一わかりやすい 京大の理系数学合格講座」(中経出版)でもやってみようかと思っていたのですが、どうでしょうか?それとも、ネットでは「1対1対応の演習」(東京出版)が圧倒的に推されていますし、水野先生も好評価を付けていらっしゃるようですが、短期間で力をつけるには「1対1」が無難でしょうか。
(質問2)「世界一わかりやすい京大の」の後は、東大過去問(とZ会の添削)に移ろうと思っていたのですが、その前に「理系数学の良問プラチカ」(河合出版)や「数学重要問題集」T・U・V・A・B理系(数研出版)などの東大過去問より難易度が低い問題集でアウトプットの演習を積んだ方がいいでしょうか?それか、プラチカなどの代わりに、既に持っている「赤チャート」の章末の「演習問題」や巻末の「総合問題」をやってみるのはどうかとも思っているのですが、その用途には不向きでしょうか?
過去の『処方箋』も拝見しましたが、私と同じケースを見つけることができなかったので質問させていただきました。
お忙しいところお手数ですが、宜しくお願い致します。
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□柴崎さんへの回答
いろいろと参考書を入手されたのですね。ご質問にあった書名を、なるべく当方にて正式名称もしくは当サイトで用いている通称に直そうとしたのですが、もし間違っていましたら申し訳ありません(汗)
まず「質問1」に対してですが、「チェック&リピート」は東大を目指す意識の高い現役生の皆さんに、教科書学習後すぐぐらいにセンターレベルの定着を兼ねて力試しをするぐらいであれば分量的にもちょうどよいのですが、来春受験の、それも社会人の方が今から3冊仕上げるのは現実的ではないので、おすすめしかねます。また、「世界一わかりやすい 京大理系数学合格講座」に、取り組むには、予備知識と演習量がいまひとつ足りない気がします(問題を解く発想を仕入れる「読み物」的にはよいのですが、力がついたような気になるだけで、目に見える結果は期待できないと思います)
その時期に復習を兼ねて何かやるとすれば、お持ちの中では
○「解決!センター」(Z会出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/292.html
○「合格る計算」数学V(文英堂)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/877.html
を使うのがよいでしょう。「黄チャート」よりもう少し多くの例題に触れておきたいのですが、「赤」レベルまで全部やるのもしんどい。その「間」をとるという意味合いもあります。それと並行か、その次ぐらいに「大学への数学 1対1対応の演習」(東京出版)をもってくるのが定番の進め方と言われていますが、「チェクリピ」同様、時間がない人には「1対1」をTからVまで(計6冊)やるのはキツイかも知れませんし、筆者も個人的には「この時期に、理系学部を受けようとする人が、T・A・U・B・V別に編集された問題集に取り組む必要があるのだろうか?」と疑問に感じてもいます。「1対1」が気に入ればもちろんそれでもいいのですが、まだ購入されていないのでしたら、
○「国公立標準問題集 CanPass」数学T・A・U・B/V(駿台文庫)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1804.html
も選択肢に入れてもいいかも知れません。
次に「質問2」に対して。「世界一わかりやすい 京大理系数学合格講座」の後に、東大の過去問よりやや易しめの入試問題で演習するための本ですが、お持ちの中に
○「やさしい理系数学」(河合出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/150.html
がありますが、それが最もピッタリだと思います。Z会の通信添削も活用されれば、演習量的には問題ないかと思われます。もしその時点で余力ができれば、過去問を扱った問題集にいろいろ取り組めると思いますが、基本的に元ネタとなる問題が同じなので(数が限られているので)、自分に合った答案の書き方に触れるとか、別解探しとか、何かご自分の中で目的を持って学習していかれてはと思いました。
最後になりますが、常に先を見据えながら、でもあまり先ばかり見過ぎずに(難しいですが・・・)その時その時にやるべきことを探し、押さえていって下さい。良い結果を祈っております。
