□一貫校親さんからのご質問
4月に質問をさせていただいた中高一貫校中1の親です。その節はご丁寧な回答をいただき感謝しております。何度も恐縮なのですが、別の質問もさせていただければと思い、再度こちらに伺いました。
$ 参考:前回いただいたご質問とその回答
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1977.html
今回は予習についてです。一貫校なので数学の進度が速く、授業を確実に理解させるには予習が必要です。学校で使っている「体系数学」「体系問題集」発展編(数研出版)は中1生の独学にはあまり向かないようなので、「中学数学をひとつひとつわかりやすく」(学研)とその付属動画を使って導入を行い、「とにかく基礎中学数学」(数研出版)で演習する、というやり方で目鼻をつけて授業に臨むようにしております。このやり方だと息子も苦痛がないようで、いまのところうまくいっております。平日はできないので長期休暇などにやっています。
ここからがご相談なのですが、中学範囲(一貫校だと中2までの範囲)についてはこのままいけると思っているのですが、高校範囲(一貫校だと中3からの範囲)についてはどのように予習していくのがよいか、分かりかねております。「高校数学をひとつひとつわかりやすく」(学研)があるようなので、これで導入してもよいのですが、高校数学になるともっと原理や公式を理解させる感じの本(長岡先生のものなど)のほうが良いのかな、とも思ったりしますが、あまり分厚いと時間がかかって予習の意味がなくなってしまいます。
また、演習用の問題集ですが、「とにかく基礎」は高校版がないので、「ひとつひとつわかりやすく」とうまく接続できるような基本問題集を推薦いただけると助かります。ボリュームは少な目が望ましいです。
この予習はあくまで目鼻をつけ、学校の授業を生かすことが目的です。具体的に言えば「体系数学」を使った授業と「体系問題集」での演習の効果を最大にするための、短時間でサクサク進む予習です。この観点からアドバイスをいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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□一貫校親さんへの回答
前回もおことわりしましたが、当サイトでの回答(筆者の発言)は、勤務校での指導方針や勤務校の教育方針と必ずしもイコールではございませんので、ご注意ください。また、当然ながら場面や相手(個人に対して言うのか、全体に対して言うのか)などによって、言い方や伝え方も変わってきますことを、ご了承いただきたいと思います。
今回は、長期休みなどを利用した先取り学習についてですが、6月現在中1ということで、まずは在籍されている学校でその間に補習などをどれぐらい行うか、加えて、本当に休みになる期間の宿題がどれぐらい出されるかを見極められてから、具体的にお考えになるのがよろしいかと存じます。特に、宿題が大量に出されるようであれば、予習もその邪魔にならない範囲で考えなくてはなりません。もし個人面談などの機会があれば、担任の先生(プラス可能であれば教科担当の先生にも)におたずねになるという選択肢もあります。
「とにかく基礎」シリーズ(数研出版)については、筆者の手元には残念ながら無く、出版社サイトの「内容を見る」のところを見た程度にて恐縮ですが、見開き2ページで1つのテーマを扱う形、100ページ弱で検定教科書レベルの反復練習ができる旨理解いたしました。中学内容であれば大体こういったワークブックのような教材で自学自習できるのですが、高校内容に入ると、ご指摘のように基本事項の導入のウエイトが増し、問題集やワークに入る前に、読んで理解するための本が必要になります。「長岡の教科書」シリーズは音声による解説が付いているのが魅力ですが(筆者もところどころですが聴いたことがあります)、全体的に「意欲のある高校生、もしくは大人の学び直し用」といった印象で、レベルもやや高く、中学生の先取り学習には向かないと思いました。
もう少し噛み砕いた解説で、そこそこの内容を扱い、かつ分厚すぎず他の学習の邪魔にならないという微妙なバランスを求めるのは大変難しいのですが、筆者が気に入っているものでは
○「高校これでわかる数学」シリーズ(文英堂)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/89.html
という参考書があります。教科書〜定期テストレベルで、一貫校の授業では恐らくすっとばされてしまうであろう基礎の部分が丁寧に扱われていると思います。こういったものを一読されるだけでも、かなり安心するのではないでしょうか。
演習についても、先取りであれば「これでわかる」の例題の下についている問題で反復すればとりあえず十分なのですが、「とにかく基礎」に似た構成で初学者向けのものを別に用意されるというのであれば、
○「高校数学 直接書き込むやさしい数学ノート」数学T/A/他(旺文社)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1156.html
が真っ先に思い浮かびます。特徴的なのは、分野で代表的な問題についてはページ左半分に例題とその解答、右半分に反復問題とその解答スペースがあることです。このおかげで、すぐ左にある問題の解答を見て真似しながら基本が網羅できるようになっています。といっても、全部がその形式になっているわけではなく、残りの部分は通常の書き込み式の問題集と同じ構成ですので、間延び感はありません。絶対にマスターすべき内容には時間をかけて、他はサラッと触れる程度というふうに、メリハリをつけて学習していくことができるかと思います。
今回のご質問に関しては以上になりますが、なにぶん中学生ですから、目先の学習内容自体をマスターしていかれると同時に、精神的にもこれからググッと成長されていくはずです。それに合わせて、使う教材や学習法、親御さんがどこまで具体的に指導されるかも適宜見直していかれるようにお願い致します。
