□としやさんからのご質問
はじめまして、高3生です。京都大学の理学部を志望です。偏差値は河合全統72です。今までは「1対1対応の演習」「新数学スタンダード演習」「数学Vスタンダード演習」(以上、東京出版)をやってきました。
今、「世界一わかりやすい京大理系数学」(中経出版)に取り組んでいるのですが、分野の偏りと問題数の少なさに不安を感じます。そこで11月後半、12月のセンター対策の合間、1月、2月で終わるような問題集を紹介していただきたいです。
自分で考えているのは、「理系数学入試の核心」難関大編(Z会出版)、「今年の入試で合否を分けたこの1題」(東京出版)、「ハイレベル数学の完全攻略」(駿台文庫)です。「京都大学の理系数学25ヵ年」(教学社)も考えていたのですが、併願校の早稲田や国公立中期、後期のことを考えるとやはり色々な大学の問題を解いたりした方がいいのかと思いました。
また、京大は過去問と似たような問題はよく出るのでしょうか?応用の効く解法を他の問題集で習得するのとどちらがいいのでしょうか?よろしくお願いします。
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□としやさんへの回答
お伺いする限り、予備知識も大丈夫そうですし、あとはセンター試験の出来次第ですね。どうか頑張ってください。
センター試験後に取り組む問題集ですが、時期も迫ってくる中で、皆さんのお考えは大きく分かれるかと思います。「分かった、解ける」という気持ちを維持(?)したいなら、噛み砕いて解説された本をおすすめしますが、出来ることなら自分で手を動かして、どんどん問題を解いていって欲しいです。これも「お伺いする限り」で恐縮ですが、としやさんの段階なら後者の方がいいでしょう。
さて、あげられている中で、用途に合っているのは
○「理系数学入試の核心」難関大編(Z会出版)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/330.html
○「今年の入試で合否を分けたこの1題」(東京出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/520.html
かなと思います。軸になるのが「核心 難関大編」で、余裕があれば(解説部分も「読み物」として面白いですし)「合否を分けた」にも手を伸ばそうかという感じでしょうか。「完全攻略」は、T・A・U・BとVで2冊になり分量が多いうえ、メインの問題の解説の前にその基礎になる問題を扱っていたりもするので(筆者は「前例題方式」と呼んでいます)、それを必要とする段階にある人には良いのですが、演習スピードを上げたいと考えていらっしゃるであろうとしやさんには、向かないかも知れません。
あとは過去問の扱いについてです。京大と聞くと、整数問題に加えて「tan1°は有理数か。」のような、論理の組み立てを主に問うような出題が頭に浮かびます。この手の問題は解説を読んでも理解できなかったり、「だからその解き方を思いつくにはどうしたらいいの?」と言いたくなったりします。が、どんな問題でも解けるようになる方法は、基本的に「無い」ので、早道はありません。過去問に取り組む際に、解き方や使う知識そのものよりも、その問題の出題意図(受験生のどんな力を見ようとしているのかといった部分)を読み取るように努力し、少しずつ頭を「慣らして」いくよう心がけるしかありません。
そのための代表的な手段として、他大学の過去問を活用することがあげられます。前述の「合否を分けた」もそれにあたります。解説中に類題が紹介されていることがあり、セットで取り組むと、入試で出題されるテーマについて、見通しを良くすることができます。
それ以外で言うと、例えば「整数問題といえば一橋大」などのイメージ(をとしやさんがお持ちであれば、それ)に従って
○「一橋大の数学15ヵ年」(教学社)
のような本を探す(できれば古本などで安く入手する)ことでしょうか。ただ、あまり本を増やしてしまうとどれも中途半端になってしまうので、入手した目的に沿った分野・箇所を選び、そこに絞って「つまみ食い」感覚で取り組んでいくようにします。
最後になりますが、このレベルまで取り組めれば、「入試で良い結果が得られる」ということを超越した、としやさんにとってかけがえのない経験が得られると思います。どうか広い視野を持って、これからの学習に向かっていただけたらと思います。
