□一貫校親さんからのご質問
以前2度ほど質問させていただいた者です。子供が一貫校の中2です。いただいたアドバイスを参考に日々数学に取り組んでおります。
$ 参考:過去にいただいたご質問とその回答
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1977.html
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1982.html
学校では「体系数学」と「体系問題集」発展(ともに数研出版)を使っており、もうすぐ「2」が(代数編・幾何編とも)終了いたします。志望校は未定ですが国立上位校理系を意識しております。
体系数学3以降の内容について質問させていただきます。3以降では高校数学が扱われますが、先生のサイトでは高校内容については、教科書→傍用問題集→網羅系参考書という流れを基本的に推奨されているようですが、一貫校の中3生の場合、体系数学3→体系問題集3に加えて「チャート式」などの網羅系参考書は必要なのでしょうか?
学校の予習や宿題に加えて「チャート式」もとなると、時間的にいささか厳しいように感じます。この点について先生のご意見をいただけましたら幸いです。ちなみに、体系数学・体系問題集ともに別冊解説は入手できる状況です。
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□一貫校親さんへの回答
最初に・・・(毎度しつこくてすみませんが)本記事をお読みになっている他の皆さんに向けてのこともあり申しておきますが、当サイトでの回答(筆者の発言)は、筆者の勤務校の教育方針や、筆者の勤務校での指導方針とは必ずしもイコールでございませんので、ご注意ください。また、当然ながら場面や相手(個人に対して言うのか、全体に対して言うのか)などによって、言い方や伝え方も変わってきますことを、ご了承いただきたいと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、ご無沙汰しております。前回、
○「高校これでわかる数学」シリーズ(文英堂)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/89.html
○「高校数学 直接書き込むやさしい数学ノート」数学T/A/他(旺文社)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/1156.html
をお薦めしましたが、特に中2の途中から高1内容に入るといった速い進度の学校に在籍されているのであれば、学校の授業・課題をこなしていくだけでも大変だろうと思いますので、学校で使う以外の本を開くのは、特別な場合と余力の範囲に限定されると思います。授業のここが分かりにくかった、学校を休んだなどの理由で授業を聞き逃した、問題集の解答の意味が分からないのでもう少し詳しい解説が欲しい、といった場合です。
特に中2の間は、学校の授業を中心に学習を進め、まずは高校内容の授業に慣れることを心がけて下さい。体系数学3のテキストの内容をしっかり理解し、体系問題集の「Level A」「Level B」の問題が解けるようになれば、「チャート式」のような網羅系(総合)参考書で例題として扱われるパターンを、かなり網羅することができます。参考書などを用いるにせよ、前述のような初学者向けのものが中心になるかと思います。
レベルの高い参考書については、学校で一括購入されることもあるかと思いますので、まずは一度学校に問い合わせられることをお勧めします。その際、以下のような点についても明らかにしてもらえるのであれば、なお良いかと思います。
$「どの種類の参考書を買うか、もう決まっているか?」「また、買う時期はいつ頃か?」
$「参考書は、どういった使い方をされる予定か?」
$ (たとえば長期休みの宿題になる、毎日1題ずつ課題が出されるなど)
$「同じ本を前もって買った場合、学校では買わなくて済むか?」(返金してもらえるか)
もし、「青チャート」(数研出版)程度以上の参考書を中3になったら一斉に買うと言われたら、それまで待たれてもよいと思います。ただ、買うにしても高1以降になると言われたら、それまでに独自に入手されるのもアリかと思います。
が、いずれにせよ使われる際は「体系数学」の単元別と食い違う部分に注意され、もしどうしても対応が分からなければ、体系問題集の「Level C」と章末の総合問題まで取り組むなどして、補う方が無難かと思います。以下のような分野まですべて網羅しようとすると、今の時点で「チャート式」を数学U+Bまで買わなくてはならないことになりますが、特に数学が好きでも得意でもない一般の生徒さんであれば、中2でいきなり分厚い参考書を2冊持たせるというのは、正直抵抗があります。
【以下ご参考】
「整式の割り算」「複素数」は現(新)課程では数学Uの分野になっていますが、体系数学では3の数式・関数編で扱われています。「三角関数」も数学Uの範囲ですが、体系数学では三角比のすぐ後で扱うので3の数式・関数編に含まれます。「式と証明」も数学Uですが、体系数学では3の論理・確率編に入ります。特にややこしいのが「ニ項定理」で、組合せの記号を含みますからその応用として体系数学では3の論理・確率編で扱われていますが、現(新)課程では、場合の数・確率が含まれる数学Aでなく、3乗以上の展開・因数分解が数学Uに分類されているため、そちらで扱われています。
