「理系のための分野別問題集 10日で極める場合の数と確率(/他)」(数研出版)
シリーズラインナップは「場合の数と確率」「三角比・三角関数」「微分法と積分法」「ベクトル」「数列・数列の極限」「複素数平面」。
シリーズのタイトルどおり「1日目」から「10日目」までの章に分かれ、8日目までは章あたり3つのテーマを見開き1つずつで扱うという構成。左ページには入試基礎レベルの「例題」があり、右ページ「実戦問題」で入試標準レベルへと上げていくという構成。9日目・10日目は「実戦問題」のみで4題ずつ。さらに巻末にも「補充問題」がつく。実戦問題の解答は別冊にあり、取り外しできるようになっている。適宜青字による補足もあるが、そこはあくまで「問題集」、わかりやすさよりもコンパクトさ優先といったところ。この解説が読みこなせない自称・理系受験生にはオススメしにくい。
さて、内容・レベル的にも「理系のための〜」が意識されており、基礎の反復もありつつ、例えば確率漸化式(現行課程では数学Aと数学Bにまたがる)などに関してもまとまった演習量が確保できるのが強み。また、例えば「三角比・三角関数」ではさすがに鋭角の三角比の導入までは戻らず、入試で頻出の正弦定理・余弦定理ぐらいから扱っており、ターゲット層が必要としているであろう部分に絞る編集姿勢にも好感が持てる。
8日目までの「実戦問題」の問題数(1ページ3題×3テーマ=章あたり9題)がやや多いかも。見開き右ページでは類題1題程度、章末にもう1見開きとって、各テーマの反復&発展問題を1題ずつと現状「補充問題」にあるような問題を1題の、計4題ぐらいにしてくれないと、多くの受験生には他教科の学習などもあるだろう中で10日では仕上げられないと思う。
筆者は20年1月現在「場合の数と確率」「三角比・三角関数」「数列・数列と極限」のみ所持。現行課程で複数の科目にわたる内容(前述したが「確率漸化式」など)がどのように扱われているかが知りたかったため。
【注:以下は筆者未入手】