□部活生さんからのご質問
水野先生、はじめまして。現在高校2年生で推薦での国公立医学部(こちらもセンターが必要)、センター利用での私立医学部の受験を考えています。T・Aは満点、U・Bは90点を目標にしています。
かなり悩んだのですが3年生最後の高校生活は部活に打ち込むことに決め、それを前提に学習計画を考えた所、数学はVまではまず手が回らず、他科目も2次対策をするとなると厳しいなと思いこのような受験計画になりました。
現在数学は、T・A・U・B共に「数学基礎問題精講」(旺文社)と「センター数学の点数が面白いほどとれる本」(KADOKAWA/中経出版)を終えセンター過去問を2周ほどしたところです。過去問を解いてみた所、古い年度の方は高得点で推移していたのですが、最近の年度の問題だと点数が取れません。どうもセンター対策だけだと点数が取れない作りに傾向が変わっているようで、安定しなくなってきました。
そこでU・Bは当初の目標点数の90点から80点に下げ足を引っ張らない程度、T・Aだけは少し2次対策をして目標変えず満点を狙うことにしました。(なのでT・Aをメインにアドバイスを頂けると嬉しいです。)落ちたら諦めて1年浪人し、しっかりと2次対策をしようと思っていますが、3年生はこのプランで行こうと思っています。
さて、ここからが質問です。(長々と前置き大変申し訳ございません。)
当初は、この後に「解決!センター」数学T・A(Z会出版)を終わらせた後、各予備校から出ているセンター対策問題集をやり込み完成させるつもりだったのですが、やはりそれだけだと昨今のセンターで満点を取るのはきついでしょうか。もし今の自分が満点を取るには何をするのが一番良いでしょうか。
自分では「チェック&リピート」(Z会出版)、「チョイス新標準問題集」(河合出版)のどちらか(分量を考えると多分チョイス)をやってセンター対策だけでは解けないような問題の取りこぼしが出ないようにしようと思っていたのですがこれでは足りないでしょうか。
周りに聞くと「チャート式」をやれだの「1対1」をやれだの言われるのですが、他の科目もやらなければいけないし、分量が多い上に難しく、そこまでやるとなると部活を選んだ意味がなくなってしまうのでどうすればいいかとたいへん悩んでおります。
数学T・Aの目標点数を下げることも考えたのですが、他の科目の出来や医学部狙いということもあり、やはり数学T・Aは最悪でも9割、出来れば満点という結論になりました。
先程センターを受けている先輩から、センター対策意味ね〜過去問やったのにー、とメッセージが来て、あぁやっぱりそうなんだと以前から思ってた不安が爆発し質問をさせて頂きました。よろしくお願いします。
=====【PR】=====
『参考書・問題集・赤本の買取を専門に行う古本屋、学参ブックス』
当店では、学習参考書や各種予備校のテキスト、教材など受験に関する中古商品の買取を専門に行っています。
今月受験も無事終わって、来月から晴れて大学生という皆様。塾、予備校の経営者、講師のかた。または学校の先生がた。
専門店だからこそ、他の古本屋、ブックオフ等では買取を行っていない(値段のつかない)予備校のテキストや古い赤本なども大切に査定し、幅広く買取させていただきます。
$「学参ブックス」
$ →
http://www.bookbank.jp/gakusan/
=====
□部活生さんへの回答
おっしゃるように、センター数学の「対策」は、年々難しくなっているように思います。受験生皆条件は同じと言ってしまえばそれまでなのですが、短い解答時間の中で、例えば今年(17年)の場合の数・確率のように目新しい問い方をされてしまうと、混乱してミスを犯してしまう人も多かったのではと思います。聞き慣れない状況、問われている内容を正しく読み取り、必要な知識を次々と引き出したうえで、計算を合わせる、と様々な能力が要求されます。
では具体的にどんな学習をすればよいかと言えば、それもまた難しいのですが、まず平素から、解答時間を意識して問題を解き、ノート(答案)をしっかり作ることを心がけてください。筆者も高校時代をふり返ると他人のことは言えないのですが、マーク式だからと計算を余白のあちこちに書いてしまうと、見落としなどの原因になりますし、場合分けをして考えたり、何度も図(論理と集合の「ベン図」なども含む)を描き直して考えたりする問題なども、センター試験ではよく出題されるからです。
使う参考書・問題集ですが、「面白いほど〜」はやはり平均点クリアまでの対策本という意味合いが強く、高得点を目指すなら基礎の反復から2次レベルの問題も収録された
〇「数学標準問題精講」(旺文社)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/121.html
のような本に、しっかり取り組んでみてはどうでしょうか。通常センター中心でやりたいという方にはオススメしないのですが(2冊だとU・Bが重たすぎるため)、T・Aに絞ってやっていかれるということなので、何とかこなして欲しいです。また、新課程で新たに加わった「データの分析」分野については、資料を読み取るタイプの問題などの演習量がどうしても不足しますので、面倒でも教科書に戻って用語・公式を正しく理解し、傍用問題集のややレベルの高い問題まできっちりこなして演習量を補いましょう。また、この分野に限りませんが、模試などを受けるのであればそこで出た問題などもしっかり復習しましょう。
残るU・Bは、何が何でも満点という気持ちを捨ててしまえばだいぶ気が楽になりますし、幸い、最近になって出題傾向が大きく変わったという話はそれほど聞いていません。最大の懸念は、計算量に圧倒されてしまうことと、本番でT・Aの直後に実施されるので気持ちが切り替えられないと少しの傾向の変化に過敏になってしまうことぐらいだと思うので、
〇「解決!センター」数学U・B(Z会出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/292.html
〇「Z会数学基礎問題集チェック&リピート」(Z会出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/142.html
を使い(2冊とも出来れば理想的だが、恐らくはどちらか1冊。その場合は前者?)、前述のこと(「平素から〜」)を念頭に置きながら、現在イメージされている「対策」の延長上のことを、(深く考えすぎずに、自分を信じて)やっていくようにしましょう。
最後に、気休めにしかならないかも知れませんが、タイトルどおりの本を紹介しておきます。T・Aが「標準〜」だけだとマーク式の問題に触れる機会がないのが気になるので、息抜き用も兼ねて(?)
〇「マーク式基礎問題集 試験場であわてない センター数学」T・A/U・B(河合出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/95.html
のような本を1冊用意しておくとよいでしょう。限られた時間の中だと思いますが、頑張ってみて下さい。
