421埼玉600
今回のブルベ、体調はイマイチ、天気も怪しい、直前まで仕事でバタバタということもあって、モチベーションは上がらず、雨が降ればDNSだなと考えていた。前日になってやっと装備を施し徐々に走る気になってきたのだが、やけに荷物が多い。日中は20℃以上、夜は10℃前後、たぶん山中だともっと低いはず。おまけに雨の心配もあった。長袖ジャージやウインドブレーカー、ネックウォーマー、冬用グローブ、雨具などをウエストバックに詰め込むと、かなりの重量に。おそらく2,3キロはあるのでは?
5時半ごろ家を出て神根運動場に6時過ぎに到着。ブリーフィングの後7時にスタート。ロードで荷物を背負うのは初めてなのだが、腰に巻きつけていたら、段々と痛くなってきた。このままではもたないと思い、肩に背負うようにして走る。しばらくすると日も高くなり汗がたらたら。こんなことなら長袖ジャージなど持って来るんじゃなかったと後悔。そしてこんな状態で600kmも走るのか?と不安で一杯になる。
前半はゆっくりペースのつもりだったので、どんどん抜かされても焦ることなく淡々と走る。追い風だが30km/h前後で楽なペース。前を引くのはたぶん御夫婦の方だと思うのだが、会話しながら走っている。盗み聞きしているみたいなので、70〜80kmあたりで先頭を交代して前に出た。が、しばらくして振り返ると一人になっていた。同じスピードで走っていたんだけど・・・
国道50号にあるローソン。300kmのPC1になっていたところだが、多くのブルベライダーが休んでいた。ここまでゆっくりだったし、補給食もたっぷり持っていたのでここは素通りし、ビーフラインへと進む。前回はヘロヘロになって辛い思いでビーフラインを越えていったのだが、今日は元気。まだペースアップする場所ではないのに、調子に乗ってグイグイ行ってしまった。たくさんのライダーをパスして気持ちよかったが、結果的にはアホでした。12時ごろPC1到着。
しばらくしてkazuさん到着。コーラを飲んでいるのをみて、買いに行く。今日は暑くてコーラが美味しい。少しお話してからスタート。ビーフラインを越えて常陸太田市の山中へ。中染の交差点で先を行く人に追いつく。止まっていたので軽く挨拶して追い抜くが、しばらくして追いついてきた。ビーフラインで脚を使ってしまったので、早くもヘロヘロモードに突入。付いていくのがやっとだ。彼も行けそうなのに行かない。どうやら待ってくれているみたいだ。県道10号に入り地図を確認するため立ち止まるようになったので、替わって先頭に出る。話をすると、北海道から来た人でPBPに出るためにわざわざ本州まで走りに来たとのこと。北海道では時期的なこともあって600は無理らしい。土地勘がないので不安だったと言うが、こちらも土地勘はないんですけど・・・
16時ごろPC2に到着。しばらくしてK氏がやってきた。この人埼玉ブルベではいつもトップ。ブルベの気分を味わいたいということで今日はわざと1時間遅れでスタートしたらしい。ここまで200kmを8時間。このままのペースだと600kmで24時間。結果は23時間58分。怪物です。
K氏はデカプリン4つをぺロリと食べて、さっさとスタート。我々は、後から来たもう一人と三人でスタート。後から来た人は速そうだったので、「ゆっくりなのでお先にどうぞ」と促し、北海道の彼と二人で小名浜海岸へと進む。小名浜の海は荒れ狂っていた。
海岸沿いから離れ、県道35号へ。アップダウンの続く長い道。ペースを落とすと申し訳ないと思い、いい感じで走っていくが、ダンシングすると太腿が攣りそうになってきた。国道288号に近づく頃、先頭の人とすれ違う。約30km差だ。しばらくするとPC2を一緒にスタートした人が止まっていた。声をかけると大丈夫と言い、20時過ぎに一緒に折り返しのPC3に到着。
PC3には仙台から駆けつけたスタッフのO氏が出迎えてくれた。初めてお会いするがホッとした気持ちになる。夕食をしっかり摂りスタート。来た道を戻り、途中で海側に曲がってPC4へ。50kmほどなのであっという間だった。近くの健康ランドで仮眠するというので、ここで2人と別れる。23時ごろだと思ったがまだ眠くないので、残り250km、一人で走ることとなった。寒くなってきたので長袖ジャージに着替える。
深夜の一人旅は初めてだ。寂しいというか心細い。海岸沿いの道では荒れ狂う波の音。霧が少し出てきて、ちょっと気味が悪かった。街中に戻り順調に走っていたが、県道10号へ右折する場所を過ぎてしまい、少し行ったり来たりしてしまう。その後も2、3度迷ったり確認したりした。山道に入り一本道なのでもう大丈夫と思っていたが、もうすぐPC5という所でミスコース。国道461号を左折するところを手前の県道67号を曲がってしまったのだ。曲がってしばらくして何か違うなと思ったが、立ち止まることなく進んでいくと7-11が見えてきた。でもあるべき所と反対側だ。店名を確認するとやはり違った。かなりパニくったが道を教えてもらうと3kmほどだとわかりホッとする。3時ごろPC5に到着。残り190km。
誰か来ないかなと思った。先程のミスコースで弱気になってきたこともあるが、ここから先は長い登りで休むところもないので何かあったらと思うと不安になってきたのだ。しばらく待つが誰も来ないのでスタートする。山部の交差点を曲がり、長い登りへ。勾配はきつくないのだが、ヘタった脚ではペースが上がらない。突然犬の吼える声が!横を見ると建物らしき影がみえたので飼い犬だと思ったが、何故か足音が近づいてくるではないか。しかも2匹、両側から追いかけてくる。もの凄いスピードで逃げ、事なきを得る。用心のために夜間だけ放し飼いにしているのだろうが、困ったものだ。他にも同じように放し飼いの犬がいたらと思うと、もの凄く不安になった。早く峠を越えたかったが、長い登りが続く。
ようやく頂上に到着、後は長い下りだと安心するが、真暗で白線もない山道。道路の境がわからず、登りと同じ様なスピードで下ることになる。当然脚が止まるので汗が引き寒くなってきた。吐く息は白く、ガタガタ震えながらゆっくり下っていく。重い思いをして寒さ対策の荷物を持ってきてよかったと思った。軽装でこの寒さだったらと思うとゾッとする。時々睡魔が襲ってくるが、前回400の時ほどではない。休もうと思ってもどうにもならない場所にいるのだ。そうこうしている内に夜が白んできた。道も確認できるようになり、スピードを上げるが寒さは増してくる。
夜が明けた頃ビーフライン付近まで来ていた。ビーフラインを越える前に、PC1のコンビニで休憩。缶コーヒーを飲んだら眠気が覚めた。ビーフラインも最初ペースが上がらなかったが、後半は持ち直す。8時ごろPC6に到着。
国道50号は向かい風だった。沿道ののぼりを見ると南風のようだ。ということはゴールまですべて向かい風ということなる。残り約100km。順調に行けば4時間ちょっとでゴールできるが、この風だと5時間はかかりそう。5時間を切るということは総合で30時間を切ることになる。走る前は、仮眠をとらなければ余裕で30時間は切れると思っていたのだが、甘かった。それでも頑張って漕いで行く。最初は23km/h程度だったが、徐々にペースダウン。20kmをキープするのも難しくなっていく。遮蔽物のない田圃のところでは15km/hがやっと。まるでヒルクライムだ。お尻の痛みも最高潮に達し、ダンシングを多用。腕も痛くなってハンドルを持つことさえ辛くなってきた。越谷の街中では予想通り渋滞にはまり、13時17分にゴール。目標だった30時間は切れなかったが、達成感は充分得られた。スタッフの皆さんに暖かく迎えてもらい、もう走らなくていいんだとホッとする。だけど後15kmほど自走で帰らなければならなかったのだ。
走行距離 645km

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