全日中が終わりました。
全日中の話の続きを書きましょう。
女子1500mでは小林由佳選手(中村)が4分25秒52の栃木県中学新記録で2位に入りました。
最後追い上げたんですが、あと一歩優勝には届きませんでしたね。しかし小林選手はまだ2年生。来年があります。
高橋結衣選手(西那須野)は4分26秒91で5位。自己記録にはわずかに届きませんでしたが、前半積極的な走りを見せ、見事入賞。
優勝したのは中川文華選手(朝霞三・埼玉)で4分25秒49という中学2年歴代3位に当たる好タイムでした。
男子1500mでは栃木渡選手(大平)が4分08秒10で7位に入りました。
3000mでは惜しくも入賞に届かなかった栃木選手ですが、今回は見事に入賞を果たしました。
優勝は上田健太選手(甲府北・山梨)で4分02秒56でした。
それでは栃木勢が入賞していない種目についても書きましょう。
今回一番衝撃的な結果だったのが女子100m。
優勝候補の土井杏南選手(朝霞一・埼玉)が11秒61(+0.8)の驚異的な中学新記録を樹立して、圧勝。連覇達成ですね。この種目での連覇は竹内彩華選手以来5年ぶりの快挙。連覇達成者は後で書きます。
土井選手は予選が11秒75(+2.5追い風参考)で、準決勝では11秒86(+0.2)をマーク。
そして決勝では驚異の中学新と、もし予選で風がなければ、3レースとも公認での11秒台だった可能性が高いですね。
また2位には君嶋愛梨沙選手(麻里布・山口)が11秒97、3位には野林祐実選手(桜木・熊本)が同じく11秒97で続き、なんと4人が同時に11秒台というすさまじいレースでした。
中学生が複数人同時に11秒台をマークするのは1991年の全日中以来。4人というのは史上最多です。
この結果、中学歴代10傑がこんな感じに。
中学歴代10傑 ※2010年8月23日まで
11.61(+0.8) 土井杏南(朝霞一・埼玉) 2010.8.23 布勢(全日中)
11.73(+1.8) 竹内彩華(御影・兵庫) 2005.7.28 加古川(兵庫県中学総体)
11.79(+1.1) 金子朋未(大谷・埼玉) 1991.8.21 宮崎(全日中)
11.82(+1.1) 鈴木咲子(大中山・北海道) 1991.8.21 宮崎(全日中)
11.90(+1.0) 木村茜(中主・滋賀) 2008.10.25 横浜(ジュニア五輪)
11.90(+1.8) 野林祐実(桜木・熊本) 2010.8.07 佐賀(九州中学)
11.96(+1.1) 斉藤伸江(入野・静岡) 1989.10.29 浜松(浜松中日カーニバル)
11.97(+0.8) 君嶋愛梨沙(麻里布・山口) 2010.8.23 布勢(全日中)
11.98(+1.9) 瀬倉知恵(大増・埼玉) 1999.5.07 上尾(埼玉県中学総体)
11.99(+0.8) 下村香穂(白川台・兵庫) 2010.8.23 布勢(全日中)
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全日中で11秒台が出るのは意外と珍しいんですが、こうしてランキングを作成すると妙に多く入っていますね。
また土井選手は本日2回11秒台をマークしたことで、今年の11秒台をマークした回数が7回となり、中学生が1年間に出した11秒台の回数の最多記録を塗り替えました。
中学生女子100m 11秒台回数 ※2010年8月23日まで 電動計時のみ。
9回 土井杏南(朝霞一・埼玉) 2009年2回、2010年7回
6回 木村茜(中主・滋賀) 2008年6回
5回 竹内彩華(御影・兵庫) 2005年5回
2回 野林祐実(桜木・熊本) 2010年2回
1回 斉藤伸江(入野・静岡) 1989年1回
1回 金子朋未(大谷・埼玉) 1991年1回
1回 鈴木咲子(大中山・北海道) 1991年1回
1回 瀬倉知恵(大増・埼玉) 1999年1回
1回 君嶋愛梨沙(麻里布・山口) 2010年1回
1回 下村香穂(白川台・兵庫) 2010年1回
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土井選手の11秒台の回数は驚異的ですね。
昨日掲載しなかった、女子での全日中連覇達成者 ※学年別の種目およびリレーは除く。
福田裕子(常盤・埼玉) 女子100mH 1980年、1981年
佐藤恵(木戸・新潟) 女子走高跳 1980年、1981年
佐藤恵(木戸・新潟) 女子三種競技A 1980年、1981年
山崎史恵(松伏二・埼玉) 女子200m 1985年、1986年
高松仁美(榛松・埼玉) 女子走幅跳 1988年、1989年
鈴木智実(竜南・愛知) 女子200m 1993年、1994年
池田久美子(酒田三・山形) 女子走幅跳 1993年〜1995年 ※3連覇
桝見咲智子(英明・香川) 女子三種競技A 1998年〜1999年
成田可菜絵(上磯・北海道) 女子100m 2001年、2002年
成田可菜絵(上磯・北海道) 女子200m 2001年、2002年
鈴木舞衣(北浜東部・静岡) 女子走高跳 2001年、2002年
竹内彩華(御影・兵庫) 女子100m 2004年、2005年
鈴木亜由子(豊城・愛知) 女子1500m 2005年、2006年
土井杏南(朝霞一・埼玉) 女子100m 2009年、2010年
見落としがなければたぶんこれでいいと思います。
女子4×100mRでは土井選手を擁する朝霞一が48秒38で勝ち、連覇達成。
女子のリレーでの連覇は以下の通り。
宝殿(兵庫) 1997年、1998年、1999年
成徳(三重) 2005年、2006年
成田西(千葉) 2007年、2008年
朝霞一(埼玉) 2009年、2010年
ここ数年、連覇が続いていますね。
全日中に女子4×100mRが加わったのが1988年からなので、意外と連覇の多い種目といえそうです。
男子100mでは200mを制した日吉克実選手(伊豆修善寺・静岡)が10秒64(+1.8)の中学新記録で圧勝。
5位までが10秒台という非常にレベルの高いレースでした。
それにしても日吉選手、200mに続いて100mでも中学新というのは本当にすごいですね。
男子走幅跳では岡崎達也選手(福島四)が7m03(+1.0)の大会新記録で優勝。
岡崎選手、1回目にこの記録を出すと、あとは勝負というより記録を狙いに行っていた感じでしたね。
全体的にレベルが高かったので、追い風参考が多かったのが残念です。
女子走高跳では大竹彩音選手(大栄・千葉)が1m72で優勝。
宇田川萌乃香選手(仁多・島根)も1m72ですが、試技数差で敗れました。とはいえ宇田川選手、1m69をクリアした時点ではリードしていたので、なかなかドラマチックな戦いだったといえそうですね。
さて全日中は好記録続出でしたが、やはり気象コンディションが良かったのと、競技場も良かったのではないかと思いました。
今度から記録が出そうな競技場でなければ全国大会は開催してはいけないとかしてくれればいいんですけど(もちろん冗談ですよ)。

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