インカレの最終日の話を。
女子200mは23秒台が3人というすさまじいレベルの戦い。
高橋萌木子選手(平成国際大)が大会新となる23秒62(+0.8)をマークして優勝。100mとの2冠を達成しました。
高橋選手はこの種目ではインカレ初優勝。そしてこれにより全日中、インターハイ、日本ジュニア選手権、日本インカレ、日本選手権の完全制覇達成。これは史上4人目(たぶん)の快挙。
2位には100mでも2位に入る活躍を見せた市川華菜選手(中京大)が23秒84で入り、3位には日本選手権3位の今井沙緒里選手(至学館大)が23秒88で続き、3位までが23秒台というインカレ史上初の結果。
4位には400mを制した田中千智選手(福岡大)が24秒34で入りました。
この結果、200mの日本インカレにおけるパフォーマンス歴代10傑がこんな感じに。
女子200m 日本インカレパフォーマンス歴代10傑
23.62(+0.8) 高橋萌木子(平成国際大) 2010年1位
23.64(+0.0) 丹野麻美(福島大) 2007年1位
23.73(+0.7) 丹野麻美(福島大) 2005年1位
23.75(+1.1) 丹野麻美(福島大) 2006年予選
23.84(-0.1) 大田愛(鹿屋体大) 1993年1位
23.84(+0.8) 市川華菜(中京大) 2010年2位
23.88(+0.8) 今井沙緒里(至学館大) 2010年3位
23.91(-0.6) 丹野麻美(福島大) 2005年予選
23.95(+0.4) 丹野麻美(福島大) 2004年1位
23.95(+0.0) 丹野麻美(福島大) 2007年予選
23.95(-0.5) 丹野麻美(福島大) 2007年準決勝
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9位が3つあったので11傑。丹野選手がすごいですね。
女子100mHも史上最高レベルの戦い。
日本選手権4位の木村文子選手(横国大)が学生歴代2位に当たる13秒28(+1.8)をたたき出し、優勝。木村選手は昨日の準決勝で13秒49(+1.0)の自己新をマークしていましたが、それをさらに更新。
2位には伊藤愛里選手(関西大)が13秒50の学生歴代10位の好タイムで入りました。
上田美鈴選手(青学大)が13秒66で3位、日本選手権5位で昨年優勝の紫村仁美選手(早稲田大)は13秒70で4位でした。
さらに5位の清水浩実選手(平成国際大)が13秒72と続き、通常なら優勝してもおかしくないタイムで5位というとんでもないレベルのレースでした。
男子400mHでは記野友晴選手(福岡大)が49秒57で優勝。
2位には岸本鷹幸選手(法政大)が49秒77で入りました。
記野選手と岸本選手はともに自己新。複数の選手が50秒を切るのは5年ぶりの快挙です。
日本選手権8位の安部孝駿選手(中京大)は予選で敗退。
女子400mHでは日本選手権2位の田子雅選手(中央大)が57秒74で制し、連覇達成。
日本選手権4位で世界ジュニアでも4位と活躍した三木汐莉選手(東大阪大)が58秒54で2位。
日本選手権5位の澤田実希選手(福岡大)は59秒70で7位でした。
女子800mでは1500mを制した上田敏斗美選手(鹿屋体育大)が2分07秒22で優勝し、2冠達成。上田選手は昨日の準決勝で2分06秒91の自己新をマークしています。
望月晴佳選手(順大)が2分07秒59で2位。
日本選手権4位の野村友香里選手(中大)は2分10秒13で5位でした。
昨年のインターハイの覇者で今年の日本選手権6位の真下まなみ選手(筑波大)は2分12秒02で7位。
女子走幅跳では日本選手権4位の宇佐波良子選手(九州共立大)が6m14(+2.0)で優勝。
宇佐波選手、これまで2位、2位、5位となかなかタイトルに恵まれませんでしたが、悲願の初優勝。宇佐波選手の全国タイトル獲得は2003年の全日中以来7年ぶり。
2位には中野瞳選手(筑波大)が6m09(+0.4)で入り、日本選手権3位の高武華子選手(福岡大)が6m09(+1.2)で3位。
ちなみに中野選手の背看護記録が5m98(+1.1)で高武選手のセカンド記録が5m93(+0.8)であるため、中野選手が2位。
七種競技で2位に入った本田綾選手(順大)が5m92(+2.6追い風参考)で4位に入っていますね。
女子円盤投では日本選手権4位の徳岡沙織選手(中京大)が51m12の学生歴代9位の好記録で優勝。
2位には日本選手権9位の高橋亜弓選手(筑波大)が49m40で入りました。
日本選手権8位の糸滿みや選手(筑波大)が47m79で3位。
女子10000mWでは世界ジュニア選手権で3位に入った岡田久美子選手(立教大)が46分56秒21で優勝。
2位には大和千秋選手(中部学大)が47分17秒47で入りました。
この結果、日本インカレにおけるパフォーマンス歴代10傑がこんな感じに。
女子10000mW 日本インカレ パフォーマンス歴代10傑
44:52.90 渕瀬真寿美(龍谷大) 2007年1位
45:17.77 渕瀬真寿美(龍谷大) 2008年1位
46:06.58 大利久美(日女体大) 2007年2位
46:55.87 沢田美紀(びわスポ大) 2008年2位
46:56.21 岡田久美子(立教大) 2010年1位
47:04.63 道口愛(国士館大) 2009年1位
47:17.47 大和千秋(中部学大) 2010年2位
47:27.47 渕瀬真寿美(龍谷大) 2005年1位
47:34.74 占部磨美(同志社大) 2009年2位
47:40.94 丸山結(岩手大) 2008年3位
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この種目ができたのは2004年からなので(2003年までは5000mW)、まだ結構差がありますね。
男子800mでは日本選手権3位の牧野康博選手(順大)が1分49秒88で優勝。
日本選手権2位の粟津良介選手(明治大)は1分50秒88で3位。
男子200mは3.8mの追い風参考になってしまい、せっかくの好記録の機会が失われてしまいました。
しかし追い風参考とはいえ、優勝した小林雄一選手(法政大)の20秒52は好タイムですね。
2位には世界ジュニアを制した飯塚翔太選手(中央大)が20秒70Wで入っています。
ちなみに小林選手は準決勝で20秒88(+0.2)、飯塚選手も同じ組で20秒98をマークしています。
本塩遼選手(城西大)は予選は突破したものの、準決勝を棄権。けがなどでなければいいのですが。
男子5000mでは三岡大樹選手(京産大)が14分01秒90で初優勝。
この種目を関東以外の選手が制するのは、永田宏一郎選手以来10年ぶり。関西に限定すると高岡寿成選手以来18年ぶりになります。
優勝タイムは20年ぶりに14分台になってしまいましたが、この気温では仕方ないでしょう。
矢澤曜選手(早稲田大)が14分03秒92で2位。10000mを制したベンジャミン選手(日大)が14分04秒61で3位。
男子110mHは昨年の日本ジュニアを制した大室秀樹選手(筑波大)が学生歴代6位タイの13秒76(+0.7)で優勝。
2位の森田俊一選手(順大)に0秒25差をつける圧勝でした。
男子円盤投では日本選手権2位の堤雄司選手(国士舘大)が55m10の大会新で圧勝。連覇達成です。
2位に5m20cmの差というのはすさまじいですね。
その2位は日本選手権6位の犬伏拓巳選手(日大)でした。
男子棒高跳は日本選手権2位でアジア大会代表でもある笹瀬弘樹選手(早稲田大)が5m40で優勝。
笹瀬選手は5m40を一発でクリアし、優勝を決めた後、5m60にチャレンジ。成功はなりませんでしたが、5m60が十分に狙える状態にあるということでしょう。アジア大会での活躍を期待したいですね。
2位には日本選手権3位の有明侑哉選手(関西学院大)が5m30で入りました。
4人が5m30を超えるなど比較的レベルの高い争いでした。
男子砲丸投では日本選手権6位の宮内育大選手(日大)が17m10で優勝。これは学生歴代(たぶん)15位にあたる好記録です。
2位には豊里健選手(鹿屋体育大)が16m79の自己新で入りました。
女子砲丸投はめまぐるしく順位が入れ替わる展開。
1投目が終わった段階で、日本選手権5位の茂山千尋選手(国士舘大)が14m29を投げてトップに。
日本選手権4位の大谷優貴乃選手(国士舘大)が14m04で2位。
日本選手権7位の保平加奈絵選手(京産大)が13m93で3位と続きます。
2回目に1回目12位だった日本選手権2位の蛭田伶菜選手(筑波大)が14m02を投げて3位浮上。
1回目ファールだった日本選手権8位の鈴木梨枝選手(九州情報大)が4位と続きます。
3回目、今まで2回ファールだった渡邊茜選手(九州共立大)が14m20を投げて2位浮上。
さらに蛭田伶菜選手が14m18を投げて3位をキープ。連覇へ向けて意地を見せます。
そのためこの時点での順位はこんな感じ。
1位 14m29 茂山千尋(国士舘大)
2位 14m20 渡邊茜(九州共立大)
3位 14m18 蛭田伶菜(筑波大)
4位 14m10 大谷優貴乃(国士舘大)
5位 14m02 鈴木梨枝(九州情報大)
6位 13m97 神保恵理(早稲田大)
7位 13m93 保平加奈絵(京産大)
8位 13m64 阿原典子(大体大)
1投目で4位につけていた佐藤あずさ選手(筑波大)は13m64から記録を伸ばせず、9位で終了。
4投目、鈴木梨枝選手が14m29をマークし、2位浮上。トップの茂山千尋選手は14m21でこれがセカンド記録になるため、トップを維持。
5投目、阿原典子選手が14m08をマークして6位浮上。保平加奈絵選手は13m94と記録を伸ばしましたが、順位は上がらず。鈴木梨枝選手が14m52をマークし、暫定トップ。しかし直後に大谷優貴乃選手が14m58をマークし、トップに。さらに渡邊茜選手が自己新となる14m55をマークして2位へ。
最後の6回目では鈴木梨枝選手はファール。大谷優貴乃選手は14m42で記録を伸ばせず。
渡邊茜選手はここで14m63の本日最高の投擲を見せ、自己記録を更新。見事優勝となりました。
渡邊選手は今大会、やり投げ2位、円盤投5位、砲丸投優勝となんと3種目での入賞を果たしました。
女子5000mでは西原加純選手(佛教大)が15分38秒19の大会新で連覇達成。今季前半は故障の影響もあって結果が出ませんでしたが、ここにきて完全復活ですね。
2位には昨年2位の竹中理沙選手(立命館大)が15分46秒99で入り、1位2位は昨年と同じという結果に。
3位には世界ジュニア選手権で5位と好走した鈴木亜由子選手(名大)が15分49秒22で入りました。
4位には10000mを制した田中華絵選手(立命館大)が15分54秒18の自己新で入り、5位には沼田未知選手(立命館大)が15分57秒33で続き、2年連続の3人入賞を果たしました。
一方佛教大のほうも森知奈美選手が16分02秒94で6位、吉本ひかり選手が16分05秒26で7位とこちらも昨年に続く3人入賞。
また8位に垣津奈美選手(名大)が入ったため、なんとわずか3校で入賞者が占められるという結果になりました。こんなことは史上初ではないでしょうか?
世界ジュニア選手権8位の伊澤菜々花選手(順大)は17分37秒54で25位でした。
男子3000mSCでは山下洸選手(中京大)が8分53秒45で優勝。
小池寛明選手(東洋大)が9分07秒09で9位に入っていますね。
女子4×400mRでは中央大が3分40秒23で優勝。アンカーの田子雅選手は400mHとの2冠になりますね。
2位には平成国際大が3分40秒72で入りました。
男子4×400mRでは中央大が3分06秒70で優勝。中央大はアベック優勝ですね。
また4つのリレーすべてで入賞しています。
2位には早稲田大が3分06秒98で入りました。
3位には中京大が3分06秒99で続きました。
3位のタイムが3分07秒を切ったのは12年ぶり。
インカレのサイトにアクセスできなくなったので今日はここまで。
昨日の十種競技についての記述で誤りがありました。
関係者の方々に深くお詫びを申し上げます。

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