15日に行われた日本選手権50km競歩の話。
男子50kmWでは山崎勇喜選手(自衛隊体育学校)が序盤から積極的に攻めます。
最初の5kmが21分44秒と日本記録よりも速いペース。
この時点では昨年の世界選手権9位の谷井孝行選手(佐川急便)や昨年の世界選手権6位で五輪代表に内定している森岡紘一朗選手(富士通)、荒井広宙選手(亀の井ホテル)も食らいついていたのですが、ここから先がすごかったですね。
山崎選手は5kmから10kmを21分31秒にペースアップ。
谷井選手、森岡選手も21分台でカバーしますが、徐々に引き離されます。
また荒井選手がこの2人から2秒差で通過。
10kmを過ぎてからは山崎選手のペースは22分台に落ち着きますが、それでもやはり後続との差はどんどん開いていきますね。
そして25kmを過ぎたあたりから再び山崎選手はペースアップ。
5kmのペースを21分台に戻してきます。
40kmまでは各5kmを21分台でカバーし、40kmの通過が2時間54分40秒と自身の持つ日本記録を1分55秒も上回るペース。
そのあとも22分03秒でカバーし、45kmが3時間16分43秒と日本記録を1分40秒も上回るペース。
残念ながらここから失速してしまい、最終的には3時間41分47秒と日本記録更新はなりませんでしたが、しかし、日本陸連が定めた派遣標準を10分以上も上回る素晴らしい記録。
さて2位以下ですが、しばらくは谷井選手と森岡選手に荒井選手がついていくという構図。
25kmを過ぎたところで荒井選手が遅れ始め、谷井選手と森岡選手の2位争いに。
30kmをすぎてしばらく行ったあたりで谷井選手が森岡選手を徐々に引き離しはじめ、谷井選手が日本歴代2位となる3時間43分56秒で2位に。
森岡選手も3時間45分22秒と好タイムで3位に。
4位には明石顕選手(東大クラブ)が3時間51分17秒で入りました。
荒井選手は後半の失速が響き、3時間57分22秒で6位。
しかし、五輪を狙うには前半を抑えると届かなかったでしょうから、正しい判断だったと言えるでしょう。まあ荒井選手はまだ若い選手ですから、次があります。
この結果、50kmWのパフォーマンス歴代10傑がこんな感じに。
男子50kmW パフォーマンス日本歴代10傑※2012年4月15日まで
3:40:12 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2009.4.12 輪島
3:41:29 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2008.10.26 高畠
3:41:47 山崎勇喜(自衛隊体育学校) 2012.4.15 輪島
3:41:55 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2008.4.13 輪島
3:43:38 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2006.4.16 輪島
3:43:56 谷井孝行(佐川急便) 2012.4.15 輪島
3:44:03 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2011.10.30 高畠
3:44:45 森岡紘一朗(富士通) 2011.4.17 輪島
3:45:22 森岡紘一朗(富士通) 2012.4.15 輪島
3:45:47 山崎勇喜(長谷川体育施設) 2008.8.22 北京
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今回の記録が3つもあります。
いかに今回のレベルが高かったがわかりますね。
男子10kmWでは昨年の日本インカレ7位の丸尾知司選手(びわこ成蹊スポーツ大)が41分36秒で優勝。
女子10kmでは川崎真裕美選手(富士通)が44分24秒で優勝。
2位には淺田千安芸選手(DNP西日本)が44分31秒で入りました。
昨年の日本インカレ2位の前田浩唯選手(立命館大)が47分48秒で3位。
羽原実優選手(星翔高)が47分56秒で4位と続きました。
昨年のインターハイ5000mWを制した大中原麻依選手(小松短大)は48分56秒で6位でした。
昨年の日本ジュニア選手権を制した保坂真里奈選手(福岡大)は49分20秒で8位。
男子ジュニア10kmWでは山田康太選手(愛知)が43分59秒で勝ちました。
時間が激しく遅いので今日はここまで。

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