織田記念の話
29日の話を。
記録的に見れば歴史に残りそうな素晴らしい大会でしたね。
男子やり投
男子やり投では昨年の世界選手権11位のS.ファーカー選手(ニュージーランド)が自己新となる86m31で優勝。
ディーン元気選手(早稲田大)が学生新となる84m28で2位に。これは日本学生新記録で、しかも日本歴代2位に当たる素晴らしい記録。
3位には昨年の世界選手権9位のルースカネン選手(フィンランド)が80m83で入りました。
4位には荒井謙選手(七十七銀行)が79m90の日本歴代5位の好記録で続き、村上幸史選手(スズキ)が79m56で5位。
5位までが大会記録を上回るというすごいレベルの大会でしたね。
村上選手は怪我の影響もあるのか、2投目でこの記録を出して、あとは投げなかったようですね。
日本選手権までに合わせてくるでしょうか?
それにしてもこれでやり投はすでにA標準を突破していた村上選手に加え、今回ディーン選手がA標準突破。
さらに荒井選手がB標準突破とすごいことになってきました。
今回、山本一喜選手(モンテローザ)も自己2番目の記録となる76m73をマークして6位に入っており、やり投が面白くなってきましたね。
山本選手は5年ぶりに76m突破。
この結果、やり投の日本歴代10傑がこんな感じに。
男子やり投 日本歴代10傑 ※2012年4月29日まで
87m60 溝口和洋(ゴールドウィン) 1987 5.27 サンノゼ
84m28 ディーン元気(早稲田大) 2012 4.29 広島広域
83m53 村上幸史(スズキ) 2011 8.14 広州
81m84 吉田雅美(大京) 1990 7.10 ニース
79m90 荒井謙(七十七銀行) 2012 4.29 広島広域
78m64 植徹(富士通) 2001 10.06 東員
78m54 天野雅教(東海大) 1986 6.01 国立
78m21 新井涼平(国士舘大) 2011 6.12 熊谷
77m76 佐藤寛大(仙台大) 2010 10.04 千葉総合
77m47 山本一喜(中央大) 2004 10.27 熊谷
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…去年出したものとメンバーがあまり変わっていないですが。
男子100mでは風に恵まれた予選で好記録続出。
予選1組では昨年の日本選手権を制した江里口匡史選手(大阪ガス)が10秒18(+1.3)でトップ。
2位には昨年の日本選手権2位の小谷優介選手(住友電工)が10秒21の自己新で入りました。
3位には大瀬戸一馬選手(小倉東高)が10秒23の高校新記録で続き、ここまでが順位通過。
塚原直貴選手(富士通)が10秒25で4位、高平慎士選手(富士通)が10秒29で5位となり、なんと塚原選手と高平選手がタイムで拾われるというすごい展開。
また6位の木村慎太郎選手(アシックス)は10秒29をマークしながらもA決勝には進めませんでした。
予選2組では昨年の日本選手権3位の山縣亮太選手(慶応大)が10秒08(+2.0)の自己新でA標準突破。
九鬼巧選手(早稲田大)が3年ぶりの自己新となる10秒25で2位に入り、3位には藤光謙司選手(ゼンリン)が10秒35で入り、ここまでが通過。
斎藤仁志選手(サンメッセ)は10秒36をマークしながらA決勝に行けないということに。
さてそのA決勝は風が止んでしまい、記録はあまり伸びなかったのですが、それでも山縣亮太選手は10秒16(0.0)をマーク。
立て続けにA標準突破は素晴らしいですね。
解説の山崎さんがほめていましたが、終盤の走りが本当に素晴らしかったです。
江里口選手が10秒29で2位。中盤は良かったのですが、山崎さんの解説によれば「終盤で動きが硬くなってしまった」ということで山縣選手には離されてしまいました。
しかしそれでも10秒29でまとめてくるあたりはさすがですね。
大瀬戸一馬選手が最後に追い込んで3位。なかなか勝負強いところを見せました。
B決勝のほうでは木村慎太郎選手(アシックス)が10秒38(+1.2)で1位。
斎藤仁志選手は10秒39で3位でした。
女子100mHでは昨年の日本選手権を制した木村文子選手(エディオン)が13秒04(+1.7)の日本歴代3位の好タイムで優勝。
木村選手は連覇達成。
2位には鄭恵林選手(韓国)が13秒06で入りました。
3位には紫村仁美選手(早稲田大)が13秒15の日本学生新記録で入りました。これは日本歴代でも6位に入る好タイム。
紫村選手は予選で13秒34(+0.9)の自己新をマークしていますが、決勝ではさらに記録を伸ばし、今日だけで自己記録を2度更新。
この結果、織田記念のパフォーマンス歴代10傑がこんな感じに。
女子100mH 織田記念 パフォーマンス歴代10傑
12秒83(+1.4) A.トリウィアンスカ(ポーランド) 2007年1位
12秒97(+1.9) A.ブリス(ジャマイカ) 2006年1位
13秒02(+1.4) 池田久美子(スズキ) 2007年2位
13秒04(+1.9) 池田久美子(スズキ) 2006年2位
13秒04(+1.7) 木村文子(エディオン) 2012年1位
13秒06(±0.0) M.ポガセアヌ(ルーマニア) 1988年1位
13秒06(+1.7) 鄭恵林(韓国) 2012年2位
13秒08(+1.4) F.カレン(オーストラリア) 2007年3位
13秒09(-0.2) A.トリウィアンスカ(ポーランド) 2007年予選1組1位
13秒15(+1.7) 紫村仁美(早稲田大) 2012年3位
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今年の記録が3つも。
女子100mでは福島千里選手(北海道ハイテクAC)が11秒34(+0.3)で2年ぶりに優勝。まだ調子が上がってきていないとのことでしたが、それでも勝つあたりはさすがですね。
2位には昨年の優勝者のブリーン選手(オーストラリア)が11秒36で入りました。ブリーン選手は予選で11秒30(+1.3)をマークしていますね。
そして3位に入ったのが昨年のインターハイの覇者・土井杏南選手(埼玉栄高)。
11秒50は高校新記録。土井選手は予選で11秒53(+0.6)の高校新記録をマークしていますが、決勝ではさらにそれを更新してきました。
この勢いで行くとB標準(11秒38)突破くらいならいけそうな気すらしてきます。
高橋萌木子選手(富士通)が11秒55で4位。高橋選手は予選では11秒51(+1.3)をマークしていますね。
そのほか、予選1組では野林祐実選手(九州学院高)が11秒95(+0.6)をマーク。高校生としては好タイム。
また予選3組では市川華菜選手(中京大)が11秒45(+1.6)をマークしていますね。
男子110mHではパクテギョン選手(韓国)が13秒57(+2.1追い風参考)で優勝。
佐藤大志選手(青山学院大)が13秒59Wで2位。
風があともう少しだけ弱ければ公認でB標準突破だったのですが、本当に惜しかったですね。
しかし、B標準は切れる実力は十分にあることを示したともいえます。
この無念は関東インカレあたりで晴らしてもらいたいですね。
昨年の日本選手権を制した矢澤航選手(法政大)が13秒69Wで3位。
和戸達哉選手(中京大)が13秒70Wで4位と学生が大健闘でしたね。
男子棒高跳では昨年の日本選手権2位の荻田大樹選手(ミズノ)がジャンプオフの末に澤野大地選手を下して優勝。
5m65は日本歴代4位にあたる素晴らしい記録。
2位には昨年の日本選手権を制した澤野大地選手(富士通)が5m60で入りました。
3位は昨年の日本インカレ3位の山本聖途選手(中京大)が5m60の学生新で入りました。これは日本歴代5位タイの好記録。
この結果日本歴代10傑がこんな感じに。
男子棒高跳 日本歴代10傑 ※2012年4月29日まで
5m83 澤野大地(ニシスポーツ) 2005 5.03 草薙
5m71 小林史明(日体大AC) 2002 7.21 市原臨海
5m70 横山学(百十四銀行) 2000 4.29 広島広域
5m65 荻田大樹(ミズノ) 2012 4.29 広島広域
5m60 米倉照恭(ゼンリン) 1996 5.06 水戸
5m60 山本聖途(中京大) 2012 4.29 広島広域
5m57 竹井秀行(ミキハウス) 1994 7.16 草薙
5m56 佐野浩之(ファースト) 1992 5.16 草薙
5m55 橋岡利行(青柳クラブ) 1986 10.14 小瀬
5m55 鈴木崇文(東海大) 2008 4.19 沼津
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荻田選手はA標準まであと7cm。なんとか間に合ってほしいですね。
男子三段跳では昨年の日本インカレを制した岡部優真選手(福岡大)が16m31(+0.3)で優勝。
岡部選手は1回目に15m58(+2.9追い風参考)で2位につけると、2回目に16m04(+1.5)を跳んで1位に。
最後の6回目では16m31まで記録を伸ばして圧勝しました。
男子円盤投では畑山茂雄選手(ゼンリン)が56m22で優勝。
女子円盤投では室伏由佳選手(ミズノ)が53m51で勝ちました。
時間が激しく遅いので今日はここまで。

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