全日本実業団女子駅伝が行われました。
1区 7.0km
優勝候補のユニバーサルエンターテインメントは青山瑠衣選手を起用。
昨年の覇者・第一生命は田中智美選手、スターツは昨年も好走した土井友里永選手を起用。
強い向かい風の中スタート。
最初は青山選手が引っ張り、田中選手は集団の中のほうに。
2.4kmの登りになったあたりで田中選手が前に出てそれにつられるようにペースアップ。
登り切る段階でかなりの人数を振り落としましたね。
4kmあたりで先頭集団にいたのは、青山選手、田中選手、土井選手のほかにしまむらの阿部有香里選手、天満屋の翁田あかり選手。
そのうちに翁田選手がしかけ、トップに立ちます。
しかし、再び青山選手がおいつき、青山選手がトップに。
6kmすぎで土井選手がスパート。
青山選手をかわし、トップに立ちますが、残り数百mのところで青山選手が再びトップを奪い返し、そのままトップで通過。
昨年の区間記録を上回る好タイムで区間賞獲得。
4秒差の2位には土井選手。こちらも昨年の区間記録を上回りました。
さらに5秒遅れて第一生命の田中選手が通過。
その1秒差でしまむらの阿部選手。
翁田選手はトップから14秒差の5位につけます。
そこから10秒遅れて豊田自動織機の永田あや選手とエディオンの新井悦加選手、その1秒差で積水化学の松崎璃子選手が通過。
西日本大会を制したワコールはトップから28秒差の12位、中日本大会を制したデンソーは昨年の3区区間賞の杉原加代選手を起用しましたが、本調子ではなかったのか、トップから32秒差の14位。
2区 3.9km
ユニバーサルエンターテインメントは中村萌乃選手を起用。中村選手は区間賞の快走で、後続との差を広げます。
第一生命の横沢永奈選手が2秒差の区間3位と好走し、トップからは11秒差で3区へ。
トップから22秒遅れの3位にあがってきたのがデンソー。小泉直子選手は中村選手と同タイムの区間賞で、11人抜きの快走。
その1秒差で積水化学の尾西美咲選手と日本選手権1500mの覇者・陣内綾子選手(九電工)が通過。
両者とも区間4位タイかつ4つ順位をあげる好走。
6位にしまむら、7位に天満屋の中村友梨香選手と続きます。中村選手は区間14位タイとまだ本調子ではなかったようですね。来年こそ完全復活を期待したいところです。
3区 10.9km
最長区間。各チームのエースが登場。
ユニバーサルエンターテインメントは世界選手権10000m9位の新谷仁美選手が後続をどんどん引き離し独走態勢を作ります。
その新谷仁美選手をうわまわる驚異的な走りを見せたのが福士加代子選手(ワコール)。
11位でタスキを受け、最初は渋井陽子選手(三井住友海上)と一緒に追い上げる形。
豊田自動織機の小林祐梨子選手に追いつくと、それをかわして、そのうちに渋井選手も振り切り、どんどん順位をあげていき、最後は2位まで持って行きました。
しかも1分06秒あったユニバーサルエンターテインメントとの差を35秒まで縮める大活躍でしたね。
途中で福士選手に追いつかれたものの、その後は最後まで粘って途中第一生命の田中華絵選手をかわすなど活躍を見せた清水裕子選手(積水化学)が区間3位。
チーム順位も3位まで押し上げました。トップからは38秒差。
4位には豊田自動織機があがってきました。
第一生命は5位。田中華絵選手は区間9位と優勝を狙うには微妙な区間順位。
デンソーが6位、7位に天満屋と続き、8位には日本選手権10000mを制した吉川美香選手(パナソニック)があがってきました。吉川選手は9人抜き。
三井住友海上は結局10位のまま。渋井陽子選手も区間12位と本来の力は発揮できませんでしたね。
4区 3.6km
最短区間で、外国人選手が多数登場。
トップを行くユニバーサルエンターテインメントはF.ワンジュグ選手が自身のもつ区間記録に並ぶ11分29秒の好タイムで今年も区間賞。
2位にあがってきた豊田自動織機との差を1分31秒差とし、優勝を大きく引き寄せます。
豊田自動織機はムルギ選手が区間2位と好走。2位に浮上。
その1秒差でワコールの森崎千洋選手が通過。
第一生命が4位浮上。満枝まどか選手は日本選手の中ではトップの区間7位。
デンソーが5位、積水化学が6位と続き、スターツが7位浮上。
パナソニックが8位。12年連続入賞がかかる天満屋はアテネ五輪代表の坂本直子選手が出場。区間13位となり9位に。
しまむらは阿部沙香選手が4つ順位をあげる好走で10位に。
5区 10.0km
ユニバーサルエンターテインメントは先月の横浜国際女子マラソンで活躍した那須川瑞穂選手を起用。
那須川選手は本調子ではないということでしたが、それでも区間3位と好走。優勝を確実にする走りと言っても良かったのではないでしょうか。
期待の若手・高藤千紘選手が区間4位タイと好走したワコールが再び2位浮上。トップからは1分34秒差。
豊田自動織機はその3秒差の3位。
第一生命が4位、デンソー5位は変わらず。
天満屋はロンドン五輪マラソン代表の重友梨佐選手が区間賞の快走で6位に浮上。
重友選手は3年連続の5区区間賞の快挙。
この区間では野口みずき選手(シスメックス)が登場。
その直前にたすきを受け取ったヤマダ電機の高田晴奈選手も結構テレビに映りましたね。
野口選手は本調子ではなかったようですが、順位を二つあげました。
6区 6.795km
ユニバーサルエンターテインメントは永尾薫選手がそのまま逃げ切って初優勝。2時間17分35秒と強風の割にはまずまずのタイム。
2位にはアンカーの石橋麻衣選手がすさまじい追い上げを見せたデンソーが2時間18分27秒で入りました。
1区の出遅れからここまであげてきたのはすごいですね。
やはりアンカーの垣見優佳選手が区間2位と好走した第一生命が2時間18分29秒で3位。
一時は遅れた感じでしたが、全区間で区間一桁順位とやはり優勝候補にあがるだけのことはありました。
さらにその3秒差でワコールの樋口紀子選手、さらに9秒遅れて豊田自動織機の仙頭さゆり選手がゴール。
天満屋が6位でゴール。12年連続入賞達成。アンカーの栗栖由江選手は区間3位と好走。
大塚製薬が7位にあがってきました。アンカーの井上彩花選手は区間4位と好走。
またしまむらが8位となり7年ぶりの入賞。アンカーの人見綾香選手は区間5位タイと好走。
パナソニックが9位、10位に積水化学、11位に三井住友海上と続きました。
さて、今大会で福士加代子選手が8度目、重友梨佐選手が3度目の区間賞を達成。
この結果、歴代の区間賞獲得数がこんな感じに。
全日本実業団女子駅伝 区間賞獲得数
8回 福士加代子(ワコール) 2001年3区、2002年3区、2005年5区、2006年5区、2007年5区、2009年3区、2010年3区、2012年3区
4回 E.ワンジロ(日立〜資生堂) 1997年5区、1998年3区、1999年3区、2002年1区
3回 宮原美佐子(旭化成)1982年4区、1983年2区、1988年2区
3回 椛島順子(京セラ)1984年1区、1985年2区、1988年1区
3回 日高美子(京セラ)1984年3区、1985年1区、1986年2区
3回 荒木久美(京セラ)1984年4区、1985年4区、1988年4区
3回 松野明美(ニコニコドー)1987年4区、1989年4区、1990年4区
3回 藤原恵(ワコール)1988年3区、1989年3区、1992年4区
3回 松谷美和子(旭化成)1990年1区、1991年1区、1992年2区
3回 坂下奈穂美(三井住友海上)2000年1区、2001年5区、2003年5区
3回 那須川瑞穂(積水化学〜ユニバーサルエンターテインメント) 2000年2区、2001年2区、2010年1区
3回 浦田佳小里(天満屋) 2006年2区、2009年6区、2010年6区
3回 重友梨佐(天満屋) 2010年5区、2011年5区、2012年5区
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こうしてみると福士加代子はすごいですね。11年前から区間賞を獲得していることになります。
また重友選手も3年連続での区間賞獲得は史上5人目の快挙です。
あとは2区の中村萌乃選手、6区の石橋麻衣選手と大卒ルーキーが2人区間賞を獲得するという大会史上初の出来事も。
やはり大卒で活躍する選手が増えたということを印象付けましたね。
時間が遅いので今日はここまで。

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