実家から電話があった。
今年の年末、早く帰れるなら「本」をなんとかしろ、と。
あたしが学生の頃から買い溜めしてきた本のせいで家が傾いた、との話。
そりゃなんでも盛り過ぎだろうと笑い飛ばした。
でも、あたしは知ってる。
あたしの部屋の壁紙の裏には無数のヒビがあることを。
試しにビー玉転がしてみるかな。
まぁ確かに整理をする必要は感じてますが、処分をする気はさらさらない。
世の中電子書籍が幅を利かせ始めていますが、「本」が「本」である必要はあるのです。
読んだ本を再び手に取ったとき、何となく開いたページに目を落す行為。
目にした文章から甦る、物語のある時点。
そこから、また読み進むか、そのまま閉じるか、他のページを開いてみるか。
その瞬時の感覚・感傷・感慨からどう判断・行動するか。
そんな本を手に取った時が好きだから。
だからと言って、無限に増やして良い訳もなく。
しかし、電子媒体は絶対に有り得ない。
「本」であるために。
何かのCMで言っていたが一生分の本が収納できる?
はっ
そんな少ない読書量の人間と一緒にするな。
あたしは中学時代年間400冊を借り出し読み漁った実績がある。
あの当時からは随分読書量は少なくなったが、それでも今でも本は手にし、読んでいる。
そう、手にしなければ読めないのだ。
「本」を買う為には、特に。
紙の「本」がなくなる時、あたしはどうするのだろうか。
存命のうちはそんな時代になって欲しくない、と思う。
贅沢な希望かもしれないが。

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