“Smoke On The Water”ディープ・パープルの名曲である。俺達世代のギター弾きなら必ず一度は弾いたことある曲だ。パープルを知らない人でさえ必ず聴いたことあるあのイントロの曲だ。だからどうした??
ギターを始めた頃、“ロックギター講座”や“リッチー・ブラックモア奏法”などの教則本には必ずと言っていい程この曲の楽譜が載っていた。4度ハーモニーの印象的なりフは誰でも簡単に弾けてしまうもんだから皆こぞってこのリフを弾いていた。ところがこのリフ、実は奥が深い。どのタブ譜も(フレット/弦 と表記)5/5, 5/4から始まるローポジションで弾くようになっている。リッチー得意のGコードのリフ“Burn”“Man on the Silver Mountain”“All Night Long”etc・・・に見られるあのパターンを知っているだけに何の疑いもなくローポジションで弾いていた。
実際、リッチーもパープル第3期以降はこのポジションで弾いている。が、この曲が書かれたのは第2期パープル時代である。その第2期はというと実は10/6, 10/5から始まるハイポジションで弾かれている。
“LIVE IN JAPAN”で聴かれる2コーラスが終わった後のリフ“03:22”のところで入るF音。故意にしては何か不自然だし・・・ミスタッチだとどのようなフィンガリングをすればあのミストーンが出るのか?ずっと気になっていた。が、このハイポジションで弾いてみるとすぐに解る。
ピッキングはというと親指と人差し指を使ったフィンガーピッキングを行っている。
しかし、第3期以降はピックを使ったアップピッキング、ローポジションで弾かれるようになる。6弦3FのG音を休符のところに入れて弾くように変わった。
とはいってもイントロはハイポジション、それ以外はローポジションで弾いたりもしている。“Smoke On The Water”のリフが“Burn”などのGコードフォームのリフに発展したものと思いきや、その逆でどうも後になって“Smoke 〜”もこっちの方がいいじゃん!って変更された?ようである。
若い頃、完コピ出来る奴が上手いとされていた。『ここでミスタッチがあり、この音は4弦でなく3弦でこういう風に・・・』云々。
今になって思うことは、自分が良いと思う弾き方で好きなように弾けば良い。真似ることも大切だけど個性を出す方がもっと大切だということを・・・。
『お前、リッチーそっくりやなぁ!』って言われるより『お前、何の曲弾いても同じやなぁ!』って言われる方が実はギター弾きにとっては最高の褒め言葉だったのかもしれない。
しかし、“Smoke On The Water”のリフを真面目に弾くのはちょっと恥ずかしい。

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