北穂東稜と前穂北尾根日時 2010年9月23日〜26日
メンバー A岡、S原
行程 23日 茅野〜沢渡〜上高地〜涸沢
24日 涸沢〜北穂東稜〜北穂〜涸沢
25日 涸沢〜前穂北尾根〜前穂〜奥穂〜涸沢
26日 涸沢〜上高地〜沢渡〜茅野
最近入会しましたS原です。
A岡さんと二人で穂高岳へ行ってきましたので、ブログデビューさせて頂きます。
<23日 入山 雨〜夜曇り>
上高地のバスターミナルは休日にもかかわらず観光客の姿は無く、閑散としている。

沢渡から上高地までタクシー定額4000円、4人で利用すればバスより安い。
雨の中、傘をさして明神・徳沢と平坦な道を歩き、横尾から山道を涸沢へ。
十数年ぶりの重荷+雨中歩行で肩・腰が痛い。
うんざりする頃、ようやく涸沢着、小降りになった雨の中でテント設営、早速宴会モードに突入。
今夜はキムチなべ+赤ワイン

<24日 北穂東稜 曇り>
夜半に月が出てテントの中も明るいほどだったが、明けてみると高曇りで寒い。
6時前にテント場を出発し、北穂への登山道を辿る。天気がイマイチな為か、他に行動しているパーティーも無く、静か。1時間ほど登り、開けた所から登山道が南稜へ向かう付近から東稜目指してガラ場を行く。
かすかにトレースらしきものもあるが、新たな石が積み重なって特に上部は不安定この上ない。
後から考えても、この日の核心部はこのガラ場の詰め部分。

<ガラ場登り・涸沢の小屋が見える>
40分程ガラ場を登り、東稜上でひと息、ハーネスをつけてゴジラの背へ。下を見ると東稜に沿って横尾本谷側にしっかりしたトレースがついている。
ゴジラの背は最初の第一歩が涸沢側に回り込む為、高度感満点だが、そのあとはホールド・スタンスしっかりのリッジ通しにロープを伸ばす。本日貸切の東稜登攀。

ロープワークの練習も兼ね、2ピッチで懸垂点へ。

ここはクライムダウンできそうだが、練習の為残置スリングとカラビナを使い懸垂。
ここから先は北穂の頂上へ向けて踏み跡を辿る。ところどころ不明瞭な所もあるが問題は無い。
北穂からは南稜を下り、お昼にはテント着、早くから再び宴会モードに。
今夜は鱈なべ+白ワイン。時間がたっぷりあって、翌日の分の酒も飲んでしまった

<25日 前穂北尾根 曇りのち晴れ>
今回のメインイベント、北尾根。北穂の東稜から取り付きまでのルートを観察していた上にかなり明瞭なトレースがあり、迷うことなくXYコルまで行けた。

<XYコルへ向かう>
コル付近ではガスで視界が無く、風も冷たいので雨具上下を着込んだ上にハーネスを付ける。
コルからハイ松の尾根を踏み跡に忠実に登りX峰のピークにつく頃から急速にガスが切れ、快晴となる。

<X峰から>
X峰の下りで先行パーティがW峰上部におり、派手に石を落とすのを見て待つことに。
先行の二人はルートがわからないのか、涸沢側を登り、最後にはロープを出して越えていた。

<ガラガラのW峰>
先行パーティが抜けたのを見て、W峰へ取り付く。最初涸沢側を行き、途中から「赤い矢印点から奥又側へ」とのガイド記事を念頭に登ったが、結局印は無く、斜上バンド状から奥又側へ、その後右上バンドからリッジ、と浮石だらけのW峰を登りきる。ここは濡れていたら迷わずロープを出した方が良い。
W峰で先行パーティがV峰に取り付いているのを眺めルートを確認。

<V峰>
ここからロープを出し、岩登りとなる。1P目S原30m、久々の岩登りだが支点も多く、ガバホールドに気を良くして楽しく登る。2P目A岡30m、リッジから凹角途中でピッチ切る。3P目S原、10mで凹角を出たところで傾斜が緩くなるのを見て切り、4P目A岡45m一杯伸ばす。この時、取材?のヘリがうるさくてコールが聞こえなくなった。5P目S原30m、リッジ通しに登ると抜け口がかぶっていてワンポイント難しかった。

<2P目凹角>

<2P目、「窓」から奥又が見える>
V峰はピークらしくなくU峰が階段状に続き、10m弱の懸垂をし、最後に涸沢側の踏み跡から前穂の頂上へ抜ける。

<前穂にて>
結局、最後まで風が冷たく雨具を着込んだまま登りきった。
前穂でちょうどお昼となり、大休止後、涸沢へ戻る。

<吊尾根から北尾根>
戻るといっても、前穂から吊尾根を登り返して奥穂まで2時間、そこから涸沢まで更に2時間、と本日はなかなかハードな一日でした。
本日のメニューはフカヒレタマゴスープ+小屋で買ったビールと日本酒

<26日 下山 晴れ>
最終日、快晴。モルゲンロートの穂高・白出コルに月が沈む場面は、なかなか見ごたえがありました。(寒かったけど)

テントを撤収し、6時前に涸沢を出て、上高地へ向かいました。
途中、前穂や明神が良く見え、次は明神も良いかな・・・など考えております。

<明神岳>

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