伝丈沢
日時:2012年 8月17日
参加メンバー:U山 および 息子2名
息子から渓流釣りを兼ねた山登りのリクエストがあったので、
かねてから近場で気軽に楽しめそうな沢として気になっていた伝丈沢に行ってきました。
17日は4時過ぎに下諏訪を出発し、昇仙峡−荒川ダム−黒平集落をへて伝丈沢横の
キャンプ場跡地に駐車。当初は、伝丈沢を経て御室小屋付近で宿泊し、金峰山をピストンするという計画であったが、この日、翌日と大気不安定のため山上での宿泊は中止とし宿泊道具を車に置いて身軽になって出発。
駐車場の先で林道のゲートを超え、そこから少し行ったところから入渓する。
そこから大小8つ(ぐらい?)の堰堤を超えてさらにしばらく先までは沢筋から離れたところに良く踏まれた道がついていてそこを辿る。
堰堤と堰堤の間には分断された美しい渓相が見え隠れして、自然破壊の姿が痛々しい(堰堤が不要だとは言いませんが・・・)。
途中には、地元の釣り人による乱獲防止を訴えかける看板が2か所ほどあり、釣り人にも人気の沢であることが伺える。その先、踏み跡が不明瞭になってきたところから水線に沿って遡行する。
やがてナメ滝が現れるあたりから、魚影をしばしば目にするようになるが、事前の情報によれば大滝の上の方が魚影が濃いとのことと、天気は間違いなく悪い方向に向かっていることを考え、まずは大滝越えを最優先して先に進む。沢は両岸が穏やかに開けて全般的に明るく、時折あらわれる花崗岩のナメや小連瀑が単調気味な渓相にほどよいアクセントを与え、退屈に陥ることなく気軽な遡行を楽しめる。
ただ残念なことに、ペットボトルやアルミ缶等のゴミが目につき、随所に蛍光ピンクのテーピングやマーカーが付けられた木があって人臭さがつきまとうのが気になった。
(もしかして大規模な伐採や堰堤工事の計画でもあるのだろうか?もしそうなら、この小さな沢の魚影や遡行価値はほとんど無に帰してしまうことは間違いないだろう)不思議だったのはこの日だけで鹿の頭蓋骨を4つばかり見かけたことで、一日でこれだけの数にお目にかかったことは無く、何か理由があるような気がしないでもなかった(林道には日本ジカ捕獲うんたらかんたらという看板もでていた)
さらに進むとこの沢にしては珍しく少し暗い感じのするゴルジュ状となりそこを左に折れると、この沢の唯一の滝とされる30m滝にご対面。落ち口から宙を飛んだ水流が下のスラブを叩いて白く泡立つ流れに変わる様はなかなかお見事。
大滝の通過は右斜面の明瞭な巻道(お助け紐付き)からで、技術的にはどうってことはないのだが、足元がざらついて少々不安定で、さらに落ち口へのトラバースはヘマったらただでは済まない(というか多分あの世行)ので、ここを超えるためだけに用意してきたハーネス・メット・ロープのフル装備で通過する(ビレイはランニングも含めて立木が使える)。
大滝上で大休止後、息子たちは竿を出して釣り上がり始めるが、ほどなくして甲府方面の青空が雲に覆われはじめ時折遠雷が聞こえるようになってきた。そんな状況なので、自分は釣りをせずに要所要所で尾根へのエスケープルートを探しながら息子たちの後を追う。二俣付近まで上がったあたりで二人ともアタリが来はじめたようで、一度ずつバラした後、長男が本日最初にして最後の10cm級の大物?をゲット。あまりにもかわいらしいヤマメ(?)で記念写真を撮影後、当然リリース。
と、ほぼ時をおなじくしてこれまでポツポツきていた雨が一瞬にしてバラバラからザーザーに変わり、あわてて雨具を身にまとい道具をまとめ、雷鳴が近づく中を、先ほど確認してきたばかりのエスケープルートから尾根に上がる。このエスケープルートは何かの仕事道のようで、15分ばかり辿ったらあっけなく林道に合流。あとはただ足を前に出して下るだけとタカをくくっていたら、買ったばかりの2.5万図にのっていない新しい道が合流してきて判断が狂い、雨と雷が一番盛りの中、行き止まりの林道を往復1時間ばかり彷徨うはめに・・・。
そんなこんなで、ヒキガエルがたむろする林道を下って入渓点に戻ったのは4時近く。駐車したキャンプ場跡は雨で濁った沢水しか得られないのでここでの宿泊は断念。
黒平まで下って2つの公営施設にキャンプ泊ができないかあたったところ、地元の方の計らいで、とあるNPOが管理をしている古い民家を使わせてもらえることになった。つい先ほどまでは雨中のタープ泊を覚悟していたのが一転、広々とした板の間の上でのびのびと快適に一晩を過ごすことができて、サマージャンボの4等ぐらいに当たったような幸せな気分で1日を締めくくることができたのであった。
翌日は、昨日の林道を引き返して金峰山ピストンなどという元気はとてもなく、息子たちのリクエストで再び伝丈沢へ。この日は中流あたりまで上がったが釣果はゼロ。ただ、次男が小滝のところで尺モノ(???)を針にかけ、とり込もうとしたらバラしてしまったとかで、少しは渓流釣り気分が味わえただろう。この日も大気は不安定で、昼前に車に戻りちょうど帰り支度を整えたところでザっと来たが濡れずに済んだ。
ということで、釣りなんだか、沢登りなんだかはっきりしない盆休みの山行(?)はこれにて終了。
来年はもう少し人気が無くてもう少し魚がいる長い沢に遊んでみたい。どなたかお付き合いください。
夏山 早月尾根
日程:8月10日〜11日 参加者:S原、A岡、岩ひばり、nami
当初はチンネを目標に4日間の計画を立てていたが、直前の予想天気図で悪天を予想、早月からの剣岳ピークハントに変更することになった。
10日 晴れのち曇り(ガス)
諏訪から高速を乗り継いで約4時間で馬場島へ到着。
登山口横の慰霊の祠にお参りした後、出発する。早月小屋には水場が無いので各自水を担ぎ上げるにしても登攀具の無いザックは軽くてうれしい。松尾平から急な尾根をひたすら登り、大汗をかきつつ約5時間で早月小屋へ。
設営後、さっそくビールで乾杯、時折ガスが切れ小屋手前の丸山から周囲を眺める。
この日は他にテントは4・5張り程度で静か。
夕食はリゾットに日本酒・焼酎・コケモモ酒などを楽しむ。丸山にて
11日 曇り一時晴れ後時々雨
天気が下り坂なので早く登って降りよう、と早起き、4時過ぎに歩き出す。森林限界を抜ける頃明るくなり、風が冷たい。
ガスの為視界が無いので、足元の高山植物を見ながら行く。チングルマ・ウサギギク・ダイモンジ草・キンポウゲ・マツムシソウ・ハクサンイチゲなどなど、この尾根は花も沢山咲いている。タテヤマリンドウ
頂上付近で霧が晴れてくる
シシ頭の鎖場を過ぎ、岩稜帯を登ると別山尾根と合流、人の多い剣本峰へ達する。この頃からガスが急に切れ、周囲が見渡せるようになる。
八つ峰も見えた
すっきりとは晴れないが、八つ峰、後立山、立山、薬師など見渡せた。
早月尾根はほとんど人がいなかったが、別山尾根から続々と人が登ってくるので頂上はにぎやか。シシ頭の鎖場
もと来た早月尾根を下り、テントを撤収、馬場島目指して下り始めるころ、小雨が降り始める。樹林帯でもありザックカバーは着けたが雨具は出さずになんとか済んだ。
天気下り坂だが、週末ともあり、登ってくる人が多い。とはいえ人気の別山尾根とは比較にならない程の数だが。
馬場島の駐車場には3時頃到着したが、着くなり本格的に雨、また、岩ひばり嬢の靴が脱いでみたら壊れているなど、歩いている間は降られず・靴も無事だったなど、これも入山時に祠にお参りした御利益かも。
上市には立派な立ち寄り温泉(アルプスの湯)ができており、600円でゆっくり汗が流せおススメ。