「キハ40のネックは、運転台が長いこと。乗務員扉の前に小窓があって、しかもキハ40の場合は両運だからさらにスペースを食われますよね。しかも様々な地域色の中には、運転室の下でラインがクロスしているとか、下手なデフォルメをしてしまうと、矛盾が発生してしまうんです。」
2012年、Bトレ誕生10周年を記念して発行された「Bトレインショーティー10周年記念BOOK」の対談記事の中で、(株)バンダイBトレ担当者であるT氏がRMM編集長H氏(いずれも当時)に語った言葉です。
「キハ20系・30系・40系」は何故製品化されないのか?との問いに答えたもので、20系は扉が中央に寄っていること、30系は3扉車であること、そして40系は前述の理由でショーティー化が難しいと。
同じ3扉の113系のデザインは今でも納得していない、とも語っておられました。
モデラー各氏がNゲージを短縮化された作例をいくつか拝見しても、ベース車の運転台部分をそのまま活用するために客窓が1個のみになるなど、側面はかなり苦しいスタイルになっていたのも事実です。
同系車は貨物をのぞくJR各社に引き継がれ、カラヴァリの豊富さではキハ58系に勝るとも劣らないキハ40系ではありますが、製品化が多分無理だろうな、と冒頭のT氏の言葉を思い浮かべながら思っていました。
それが・・・・
まさかの製品化、それも片運のキハ48に加え、両運のキハ40もです。
いったい、どんな製品になっているのか?・・・期待も込めて首都圏色・2色塗装それぞれ二箱づつ、いつもの模型店へ予約注文を入れたのでした。
そして先日製品を受け取って来た訳ですが、予約しておいて大正解、私の行くお店では発売とほぼ同時に完売してしまったとか。
ファンの方々の期待がいかに大きかったか改めて思い知らされました。
で、早速組み立て。
Bトレを組み立てるのは実に久しぶりです。
まして色差しまでやるとなると・・・今年に入って初めてじゃなかろうか?(汗)
首都圏色(タラコ)。
左2両キハ40、右2両がキハ48。
2色塗装(旧国鉄気動車色風)
左2両キハ40、右2両がキハ48。
キハ40(首都圏色)側面。
左トイレ側、右非トイレ側。
キハ40(2色塗装)側面。
左トイレ側、右非トイレ側。
キハ48(首都圏色)側面。
左トイレ付、右トイレなし。
キハ48(2色塗装)側面。
左トイレ付、右トイレなし。
今回手を入れた所は屋根のベンチレター・水タンクの塗り分けと、トイレ窓に内側から白を差し、一部の車輌に幌の取付け。
幌はKATOのクハ111用(模型店の在庫の中で一番似たようなモノ)を使用。
スカートは素直にNゲージ走行用を使いました。
実感的なBトレ素組用?も捨てがたいんですが、加工に結構時間と労力を要します。
そのうち、と言う訳で保存してありますが、果たしていつになる事やら(笑)。
しかし、久々の細かい作業に、老眼が思いの外進んでいる事を実感し、愕然としました。
肝心な運転室周りの処理ですが、運転台側は乗務員扉の前に二つ並んだ窓のうち、後位の開閉可能窓を、助手席側は固定式の窓も完全にオミットする事で何とか折り合いを付けている様です。
運転台側は何とかキハ40の雰囲気を残していますが、助手席側は乗務員扉の後が客扉か客窓かの違いはあるものの、むしろキハ23に近いイメージになっています。
2色塗装はJR東、JR東海で実車も登場していますが、ご存知の通りキハ40系が登場した頃は既にタラコ世代でした。
しかしこうしてみると妙にしっくりしていますね。
日本人の気質、とまで言うと大げさですが、少なくとも日本の風土・風景には良く似合う色合いであったと改めて思います。
本当はスカートの塗り替え(スノウプラウとの色の違いの表現)、ドアレールと客扉・乗務員扉の靴摺りにシルバーの色差しまでやりたかったんですが、前述のとおり思いの外進んでいた老眼のためドアレールの細いモールドに上手くマスキングテープを合わせる事が出来ず断念しました。
車体は接着していないので、眼に合った老眼鏡を入手したら再挑戦するつもりです。

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