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2010/6/7

百万遍のボロアパート  思い出の人達

私が住んでいた頃の京都は、戦災を免れて古都の風情が守られている反面、他の都市に比べて決して住宅事情が良いとはいえなかった。
そのため、築年数が古くてボロいアパートも多かったのである。
私の知人だったT君は当時、京都市左京区百万遍にある古い木造アパートに住んでいた。
家賃はなんと、月8千円だったという。
汚い和室のみで風呂無しで炊事場も便所も共用だが、家賃が安いのが魅力だったそうだ。
そして、このアパートの大家さんも同じアパートの1室に暮らしていたのである。
ある日T君が部屋にいる時、大雨が降ってきた。
ボロいアパートなので、たちまちT君の部屋で雨漏りがしてきた。
T君は「家賃が8千円だから仕方がない。」と辛抱していた。
だがこの頃、毎日大雨が続き、ある日とうとうT君の我慢は限界に達していた。
T君の気持ちは「家賃が8千円だから仕方がない。」から、「家賃が8千円だから、雨漏りしてもええ、なんてことはないやろ。」に変わっていき、ついに「今日という今日は、大家に文句を言って、雨漏りをどうにかしてもらわなあかん。」と怒り心頭に大家の部屋へ行ったのである。
そして、勢いよく大家の部屋を開けたとたん、彼が目にしたのは・・・。
なんと大家の部屋はT君の部屋よりもっと雨漏りがひどく、部屋の中で大家は傘をさしてカップヌードルをすすりながら一言、「なんやね、T君」。
T君は目の前の光景に唖然として何も言えないまま、すごすごと自室に戻ったそうである。
・・・
あれから27年程経って、京都の街も変わった。
建築の規制も変わって、高層マンションも増えたので住宅事情も私がいた頃より、格段に良くなっているはずだ。
でも京都らしい景観が無くなっていくのは、寂しい気もするなあ。
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タグ: 京都



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