さて昨日朝に友達になったオクタビオ、今日も同じバスでした。私が乗ったところ、後方に座っていたオクタビオは「Hello Teiko! Good morning.」と笑顔で近づいてきました。
そしてわたしはMuy bien!とこたえました。
いま私はバスケットのトーナメントにはまってて、連日ニューメキシコまで観戦に行っているのでそのことをオクタビオと話をしたのです。そして、彼の好きなスポーツはなに?と尋ねましたらば、「bull fighting!」とオクタビオ。若かりし頃のオクタビオはマタドールとしてメキシコ国内はもとより、ヨーロッパ各国を周り多くの興行を重ねていたのだそうです。途中から彼の友達マリアがやってきまして、私を紹介してくれました。こちらでのバス文化はとても面白い。というのも、バスユーザーのほとんどがヒスパニック。聞こえてくる会話のほとんどがスペイン語です。くるまを持たない彼らはおそらく不便な生活をしているに違いありません。しかし、どうやらゆったりと流れていく時の中で、バスの中での一期一会を楽しんでいるようです。
オクタビオとは月曜日に写真を持ってくるよ!と約束して、学校へ。
さて、金曜日になると、クラスメイトたちはスイーツをもってきて、みんなでシェアします。クリスチャンの習慣なんだそうで、ロザルバがふかふかのドーナツを用意してくれていました。
みんなでワイガヤとたべるひととき、本当に楽しい!
そして、クラスメートの一人がわたしを指差し、ジョノヨコ!ジョノヨコ!というのです。
どうやら、髪を束ねていなかったのでオノヨーコ(ジョン・オノ・ヨーコ)に似ていると言いたかったみたいです。(クラスメイトのSunはオモニです♪)
さて、いつもお茶目なMargaritaは今日、1時間目の授業を終えて一足先に帰りました。彼女が落ち込んでいる理由はわかっています。21歳になる娘の旦那さんがUS Armyに所属、今日イラクに旅立つそうです。結婚してまだ2年目の若い娘夫婦にとってあまりにも残酷な現状。彼女はこころをいためていました。
こんなとき、なんて声をかければいいのか、わたしのつたない英語力では表現できません。うなだれている彼女を抱きしめました。少し涙を浮かべた彼女は、一生懸命の笑顔を作って、「See you next week ,you're my daughter」といって帰っていきました。
さて、ジョノヨコな今日の私は、帰りのバスのなかでも新しいお友達ができました。彼女はソンヤという50代の女性。父親がロシア人、母親がウクライナ人で、エルパソには30年近くすんでいるようです。ハングル語で書かれた不思議なキャンディを私にプレゼントしてくれました。
彼女のひとみはアクアブルーで、このエルパソの日差しでダメージを受けていないか、すこし不安になります。こちらの気温は最近だと、昼になると華氏80度(27℃)を越えることもしばしばです。
で、ロシアのバックグラウンドをもつ彼女に「チャイコフスキーは好きか?」と尋ねたら、Yes!と返事が。しかし、さらに好きなのがオペラだそう。わたしはプッチーニとかモーツアルトなどしか知らず、自分の無知ぶりに情けない気持ちになったのであります。
そして、彼女はポップスだとJohn Denverがとりわけ好きなんだそうで、私は彼女と一緒にSunshine On My ShouldersとCountry Roadsをバスの中で歌いました。そして、かつてこの町にJohn Denverがやってきたとき、彼女はそのライブにいき、多くの愛を感じたんだ!と目をキラキラさせていってくれました。その後John Denverは飛行機事故で亡くなったのだそうです。
そういえば、わたしはこのまちにきて何度かCountry Roadsを歌いました。そして、歌うたびに、エルパソの人々はいつも笑顔で応えてくれました。この曲を知ってて本当によかった。
わたしのバス停に近づき、ソンヤとはお別れ。これは一期一会かもしれない。普段のらないバスだったし、彼女とはもう会えないかもしれない。だけど、わたしは今日のことを忘れない。

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