同じクラスで先週からshort termで学んでいるCozy。Yoshiのお兄さんだ。
どちらかというとクールで一匹狼的な性格だが、どことなく目を離せない魅力をもっている彼は、なぜかクラスメイト達の気になる存在。彼のファンになった人も沢山いることと思う。
今日はCozyにとって、最後の授業。彼はこの春に大学を卒業し、晴れて社会人になる。就職を控えた最後の学生休暇をエルパソに赴任している父親を頼ってやってきた。離ればなれで暮らす家族と共に、わずかなひとときを楽しんでいるのだ。
いつも通りの授業を終えた後、バス通学のUtahと私は一緒にバス停まで。Cozy&Yoshiとは教室でお別れをした。といっても至ってフランクなお別れ。結局、10日ほどの彼の滞在のあいだ、さほど親しい話をした訳でもなかった。せっかくこの地で出会ったのだから、深い付き合いをしていきたかったのだが。なんだか心残りな気持ちを抱えて、バス停についてほどなく14番がやってきた。
14番が12番と交わる駅はSanland Park Mall。この日記でも何度か登場したショッピングモールだ。2時間ほどmall内の散策と人間観察をしようと思い、ぶらぶらと歩いていた。ちょうどハードディスクが欲しかったのでRadio Shackをチェック。こちらの店舗はあまり品揃えがよくない。そのあと、いろいろとお店を回ったり、春休みを楽しむ学生達をぼーっと眺めていた。
そうすると視界に見覚えのあるイケメンが。Cozyだ!彼も私を指差してびっくりしている。まさか、ショッピングモールで知り合いに出会うとはね!挙動不審な私はなぜか、逃げようとしてしまった。なぜ逃げようとしたのか、いまでも訳が分からない(笑)。そして、ATMの使い方講座をした後、品揃えのよい電器屋さんが車で2、3分のところにあるとのことで、連れて行ってもらうことに。
「Best Buy」という量販店は、日本で言うところのyodobashiとか、yamada電器のようなお店。彼はたびたび訪れているのか、やたらとこの辺りのお店に詳しい。そして、160ギガのポータブルハードディスクをget。Sanland Park Mallへと戻った。せっかくだからゆっくり話がしたいと思い、ファストフードコートでくつろぐことに。小食なCozyだったが、Subwayに挑戦することに。
ここでは、パンの種類から中に入れる具材、サイズなど、すべて自分好みのチョイスができるため、ある意味コミュニケーションの勉強になる。
少々戸惑いながらもCozyオリジナルのサンドイッチをget。わたしはこちらに来てからお気に入りのスナック、fritosとチョコレートドリンクを。そしてしばし歓談。一見とてもcoolな彼だが、内面はナイーブで気遣いのある好青年だった。私の友達には少ないタイプの性格の持ち主だ。自己流に解釈すれば「ツンデレ」なのである。あ、一人おった。モジャ☆部長(笑)。
ぱっと見、スキを見せない、そしてcool。だけど、しゃべってみると案外興味深い人生を歩んでいるのだ。ファッションのことから大学生活、食の好みなど、たわい無い会話だったのだが、彼から投げかけられた質問が印象に強く残っている。
「夢の持ち方、どんな風にしているのですか?」
まさか、彼からこんな質問がくるとは思っていなかった。そういえば大学卒業前後、といっても延べ5,6年だろうか、わたしにとって相当悩んだ時期があった。
「何をしたいのか?」
「どんなふうになりたいのか?」
「自分の居場所はいったいどこ?」
路頭にさまよった日々はとても長かった。なので、いまアメリカに来たいきさつをぐだぐだと語った。ほんと、厚かましいほどの私のしゃべりっぷりに彼もよくつきあってくれたものだ。そして、聞き上手でもある彼の魅力にも気づいたのである。
そんな彼の4月からの仕事は工業デザイナー。自分のデザインしたものが商品化され、一般消費者に愛される日がくれば、彼にとっての自信につながることだろう。会話でのコミュニケーションもさながら、己のなかで黙々と研鑽を積みかさねていくことが得意な彼が、頑張って仕事にライフワークに取り組んでいる様は容易に想像できる。
さて、時計を見るとすでに18時半!
Cozyはわたしのリクエストに渋々こたえながらも、笑顔で家まで送ってくれたのでした。
いま思えば偶然にmallでばったり出会ったのも、必然だったのかもしれない。彼とは今後も何らかの形で接点を持っていくだろう。そして、電器屋に連れて行ってもらって、家まで送ってもらった借りを、ゆっくり時間をかけて返していきたいのだ。おいおいな(笑)。

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