今日は珍しく肌寒いエルパソです。毎朝6時半に起きて、7時半には家を出ます。サマータイムの時間調整があり、実質1時間早くの日常なので、5時半に起きているのと同然です。故に、朝外出の際は肌寒いのですが、昼間は30度近くまで気温も上がり、帰宅する19時頃もまだまだお日様は健在で暖かいのです。
気温が上がることを見越してTシャツ1枚で、上着を持たず外出しました。(AL君、今日のTシャツはダモ☆Tだよ!)
お昼をすぎたあたりから空の色は薄暗くなり、風が強くなってきました。少し肌寒くなったものの、大丈夫です。授業の後、ZuraとYubiaが呼びます。今夜も一緒にミュージカルに行こうぜ!と誘ってくれました。んでもって今日は「屋根の上のバイオリン弾き」9ドル。地元のアクタースクールで演技の勉強をしている10代の青年達を中心とした組織のようです。19時に待ち合わせをして、お別れ。
その後YoshiとUtahと3人でUTEPのチケットセンターへと向かい、明日のバスケットボールショウのチケットを購入。待ち合わせまで3時間ほどあったので、帰宅するにも中途半端ということで、お気に入りのカフェで過ごしたのち、今日のシアターへと向かいます。
いやぁ、寒い、ほんとうに寒い!外は風が吹いて雨が降っています。ダモ☆Tのみのわたしはすこし悪寒をおぼえました。なるべく体調を崩さないためにも、シアターの中でZuraとYubiaを待ちます。

このシアターはキャパ100人ほどの小劇場です。学生時代にコメディを公演した南阿佐ヶ谷の小さなシアターを彷彿とさせます。そしてあの青春時代を思い出してみては、これから始まる物語にワクワクし始めたのです。(こういう演出をされると、ワクワクせざるを得ないじゃないか。笑)
しばらくすると二人がやってきました。
そして、開場とともに席を陣取ります。勾配の全くないシアターなので、座席の善し悪しは、前に座る人の座高によるところが大きいのです。そして、いろいろと判断した結果最前列をGet。今思えばこのシート本当に良かったです。というのも、小さな規模でステージがさほど高くない会場では、姿勢に苦労することがないのです。そして、かなりの臨場感でダンスと歌の迫力を感じるのです。
さて、物語が始まりました。舞台は1800年代末期のユダヤ人達の村です。伝統(traditional)を重んじ、身を寄せ合って生活をする人々です。5人の娘を持つ主人公ティビィエ、娘達にはなるべく裕福な男性と結婚してほしいのが本望なのです。日本では森繁久彌さんや、西田敏行さんの役所で有名です。
はずかしながら、ユダヤ人たちの歴史をあまり知らなかっただけに、ところどころの残酷な描写に心が痛くなったものの、だからこそ慎ましく日々を過ごしていく一家の様子が美しく感じるのです。
終盤、強制撤退をしいられた村人達です。かつては一緒に過ごしていた仲間とも世界中に散り散りになっていったユダヤ人たちの悲しい歴史です。
主人公のティヴィエ役以外は中高生によるキャスティングです。母親役の女の子は17歳とは思えない貫禄のある演技で、一家を支えていくたくましいお母ちゃんを好演していました。(このシーンは劇中劇で、お人好しのティヴィエとしっかり者のお母さんがベットの中で、娘の結婚を説得するシーン。)
5人の娘達もそれぞれの個性が光ります。人一倍おとなしく、読書の大好きな3番目の娘チャバが恋するのは、ティビィエと敵対するロシア人青年。難しい役どころでしたが、彼女は美しい歌声と絶妙な演技で複雑な心境を表現していました。(右から3番目赤いずきんを冠っている彼女です)
アットホームで、キャストと観客の一体感があり、常に笑いと拍手の絶えないきもちのいい舞台でした。
モギリスタッフの女性としばらくお話ししました。チャバ役の少女のおばあちゃんだそうで、舞台のあるときはスタッフとして、この劇団のサポートをしているんだそうです。チャバ役の彼女は近々Austinでオーディションがあり、未来のスターを夢見ているのだそう。そんな彼女を誇りに思っているんだと、目を輝かせて語ってくれました。(左からZura、Yubia、おばあちゃん)
帰りは週末コチラに滞在しているZuraとYubiaのご両親が家まで送ってくれました。なるほど、どこか日本人のような顔立ちをしている彼女達のお父さんは、さらに親近感のあるお顔立ちでした。雨の降る夜の道を、ワイガヤと話しながら帰宅。底冷えのする寒さに、ひとたび封印していたフリースを取り出して猫ちゃんと一緒に仲良く体を丸めて眠ったのでした。

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