こんにちは、ご無沙汰をしています。NYは雪が降る日もあれば雨になったり晴れたりの日々です。金曜日にようやく学校が終わり、日本帰国まで2週間の休暇を楽しんでいる所です。
さて、今日は忘れる事の出来ない素晴らしい一日を過ごしました。
なんと、私が敬愛するシンガーPatti Labelleのご来光に触れて来たのです。私が愛するシンガーは?と聞かれたらまっさきに答えるのがPatti Labelle, Roberta Flack, Chaka Khan。なかでもパティはいつまでたっても変わらない美しさ、とりわけ内面の美しさが抜群に秀でてて、歌のうまさはもちろんの事、そのすべてを敬愛してやまない存在なのです。
我がモジャ☆部でも彼女の歌を歌いました。「Lady Marmalade」。そういえば名古屋にライブに行った時もWACのメンバーと歌いましたね!
そんな彼女のライブがある事を知ったのは12月8日のジョンレノンの命日。セントラルパークへ向かい、追悼をして帰宅する道すがらにライブのポスターを発見しました。
ハーレムから電車で20分ほどのブロンクスの中心地にある「Utopia Paradise Theater」というところで行われるというライブ。ブロンクスは一般的にはあまり治安の良くない街として有名ですが、ほんとうにパティはくるのか?半信半疑でインターネットで調べた所、本当にライブをするというではないですか!
雪の降る日に学校が始まる前、ブロンクスまで出向き、パラダイスシアターのボックスオフィスでチケットを買いに行きました。パラダイスシアターはクラシック調のオペラハウスさながらのゴージャスなシアターです。そのボックスオフィスの中にはスタッフが一人、カウンターでは気の良さそうなおじさんが仲良くおしゃべりをしています。そこに割り込み「12月22日のチケットを下さい」というと、カウンターの外にいたおじさんが「きみ、パティラベルのライブだね?」と話しかけて来ます。そして、スタッフがチケットを発行している際におじさんとおしゃべりを楽しんだのです。
おじさん「きみはパティラベルがすきなのかい?」
雷子「ええ!もちろん。だいすきですとも!彼女はわたしが高校生の時から大好きです。あんな優雅でダイナミックで、心優しいソウルシンガーはなかなかいない。」
おじさん「たしかに彼女は美しいよね。ところで君はどこからきたんだい?」
雷子「日本です。東京ではなく、とても小さな街です。そこで、私はバンドを組み、彼女のうたも歌いました。ブレブプ...って感じでね!私のバンドにはアフロのバックダンサーもいて、彼女たちはこの曲にあわせてセクシーなダンスも踊ってくれるんですよ」
おじさん「あら、ほんと面白い子だね。きみ、パティに会いたいかい?」
雷子「もちろんですとも!かなうならばこれ以上のシアワセはありません!」
おじさん「じゃぁ、ライブが始まる前に僕に電話をして頂戴。舞台裏に通してあげるからさ」
雷子「ほ、ほんとうですか!(この時点でかなり鼻水が垂れていた。)」
おじさん「これが僕のビジネスカードだよ。僕は今回のライブのプロモートをしているシェルビィだよ、よろしくね」
そして、その当日がやってきました。一緒に行く予定だったSoul Singer Martha Kawaiさんはお仕事の都合で急遽来れず、代わりにわがハーレムアパートのスイートERIKA(爽健美茶所属)が一緒につきあってくれたのです。
当日、シェルビーさんに電話した所、すぐにつながりましたが、いやぁ待つ事およそ4時間ほどか。ライブの直前にこっそりと舞台裏に案内してくれる事に!
スタッフ用の狭い通路を歩き、舞台裏を通過する。本当に胸が高まって、頭の中は訳が分からない状態になってしまった。極度に緊張すると血の気が引くというか、体が冷たくなるのだが、まさしくそんな状態にまで達してしまった。
楽屋近くの通路には既に30人ほどのVIP待遇なお客さんが所狭しと並んでいましたが、シェルビーさんが一言
「The special girls from Japan!」
そう言って、その列の前から3番目へと導いてくれたのです。シェルビーさんはどうやら、この業界ではスーパープロモーターと呼ばれている偉い人だった。このライブにおいても実はいちばんの責任者という事をあとから知ったのだけど、このウマの骨かもわからないジャパガールにそこまでしてくれるなんてシェルビーさん、ソースイート!!
そして、どきどき状態の中彼女を待つ事10分くらいだろうか。楽屋からPatti Labelleが現れて来た!。本当に美しく輝いていた。こんな間近まで彼女に近づけるなんて!しかも、興奮はまだまだ続いた!
彼女は一人一人の客に握手をし、ハグをかわし、写真を撮ってくれたのだ。
忙しいライブの前だというのに、なんと気前の良い事でしょう。ますます彼女の温かい人柄に涙が出そうになった。
歌声からするとダイナミックボディと思いがちな彼女だが本当に小柄で華奢で、とくに脚のラインが本当にスリムだった。63歳とは思えないほどの美しさで、なんと感極まってしまったのだ。
クリスマスカードを手渡し、その場をさり、会場の席へと着いた。
彼女のライブが始まった。駆け引きなしのストレートな表現。そして、MCや一つ一つの仕草にみえる、気配りと温かい心遣い。なかなかここまで出来るDIVAはいないんじゃないだろうか。
観客と家族を大切に思う彼女の美しい心にまた涙がちょちょぎれる。
米国で先週シリーズで放送されていたTV番組「Clash in Choirs」という地区対抗ゴスペルクワイアの番組に彼女も出演していて、そのクワイアメンバー達が歌いさらに盛り上げる。
Lady Marmalade では会場の男性数人を舞台にあげ、一緒に歌う等の大サービスぷり。そして、彼女のルーツであるゴスペルを〆に歌い上げた。彼女の歌は人を導き、光をもたらす素晴らしいパワーがある。あんな小さい体で本当にすごいな。年齢を感じさせないボイスと変わらない美しい心。
彼女がいまもなお一線で活躍し続けている理由が理屈抜きで伝わって来る。
私もERIKAちゃんも雄叫び、はしゃぎまくって、帰りの電車の中ではボァンとしてしまった。
日記に書かなくては何がおこったのか到底整理がつかないほどの感動に満ちあふれた一日だった。
ありがとう、Patti。そしてありがとうシェルビーさん、ERIKA!ほんと、人生には良い事があるモンだね!明日のchurchサービスもがんばるぞー!おー!


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