テレビを見ていたらダイエット特集をやっていた。
この間似たようなのをやっていたような気がするなあと思いつつ、ついつい食い入ってしまうのが三十路の男心。
血液型別に痩せる食品があるということで、
なんだか僕のA型には納豆とヨーグルトが効くそうだ。
へー!と思い冷蔵庫を確認する。
「よし納豆はあった。。あとはヨーグルトだ、早速買いに行かねば。」
僕は行きつけのスーパーに行った。
今日の特売で僕の好きな銘柄のヨーグルトがなんと、40%オフだ!こりゃラッキーと思いまとめて三箱を買ったのだがなんか安くない。レシートを見るとやっぱり値段が違うのでレジのおばちゃんに、
「これ、値段ちがうみたい」と言うと
「あら、少々お待ちください」と言い、場内マイクをオン!
「エー、ヨーグルト課のサイトークン!レジの方まで来てくださいー」と言った。
ヨーグルト課なんてあるのかーと思いながらサイトー君を待った。
今日の主人公、サイトー君の登場だ。
サイトー君はすぐにやって来てオバちゃんに指令を受け、大きくうなずくと僕からレシートをうばい走り去っていった。
しばらく待つ。。が、サイトー君は来ない。レジのおばちゃん少しあせり始める。
が、サイトー君の来る気配なし。オバちゃんもう一度「ヨーグルト課のサイトークン!!」と場内アナウンス。が、まったく反応なし。
「レシートを持っていちゃったらしいのよ、あの子。。これじゃあ精算できないのよ」と困るオバちゃん。
僕もなんだかソワソワして、
「おっ、どうしたんだサイトー君!もしかしてヨーグルトの値段を調べているうちにこうなんか、すべてがいやになってそのまま実家に帰ってしまったのではないか」とか
「ヨーグルト課ということはやっぱり実家は酪農家なのか」とか
「ということはサイトー君の出身は北海道なのか」とか
「小さいころどんな子供だったのだろう」とか
色々とサイトー君のことを考えてしまった。
サイトー君が牧場で牛とたわむれている場面に差し掛かってきたころ、ようやく現実のサイトー君がやって来た。。
「早くレシートよこしなさい!」とオバちゃんにレシートを奪われ、「すいませんお待たせしました」と僕の前に。なぜか右手にはヨーグルトを持っている。
それを特に説明することもせず、ぼくの前にポンと置いて去っていった。「いったいこれは?サイトー君からのプレゼントだろうか」
僕は戸惑いつつ、「ありがたいなあ」と袋に入れた。
結局僕は4箱のヨーグルトを袋に入れてそのスーパーを後にした。
結構重かった。
「サイトー君、がんばれ。実家の牛たちも応援してるぞ!」。。。

photo by honey
w.65.0

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