宮部みゆきさんの小説「ぼんくら」を読んだ。
舞台は江戸の深川。
平和だった長屋(今で言う店舗可のマンションみたいなもの)で殺人があったり、評判の差配人(今の管理人)が姿を消したり、
三世帯が次々失踪したりする。
それらのことをぼんくらな同心(下級のお役人さん)平四郎がのらりくらりと、甥の美少年弓之助がてきぱきと謎を解いてゆく物語。
この小説は多分時代ミステリー小説になるのだと思うが、
ミステリーって普通「謎解きで爽快!すっきりした!」
というのが醍醐味なんじゃないかと勝手に思うのだが、これは違う、
「出来れば、そっとしておいて!解明しないで!」
と思ってしまうのだ。
本当は誰も悪くない、誰もが望んではいない。
それなのにそれなのに犯すことしか残された道はない。
事件を解明する立場の人はそれを解くしかない、、、。
基本に「理由」や「善意」のある事件はせつなくてしかたがない。
涙がちょちょぎれぎみです。
最近よくある「なんとなくやっちゃいました事件」はダメダメよー。
ちなみに甥っ子の少年弓之助、かなりの美少年らしい。
彼がある女性に会って話をする場面があるのだが、
そのあとに言った言葉が強烈、
「彼女はだれかに恋をしていますね。なぜなら僕の顔を見ても全然顔色がかわりませんから。」
むむ、相当な美男子だ。もしドラマ化されたら誰がやるのだろう、大変。。。

適度に乱れた机の上。本にも優しさを与えるべく青いブックカバーを購入。。
w.64.8

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