殺虫剤混入・中国産冷凍ギョウザの件。
こういうことがあると(もちろん誰もが迷惑だが)
中国政府もとても迷惑する。
かりにこれが「ずさんな食品製造」「甘い検査態勢」etc.のせいなのではなくて、今回だけ起こった特殊な犯罪やテロだったとわかったとしても、中国政府にいいことなどない。
「なあんだ、犯罪だったのか。じゃあそれがなければ安心なんだな。よかった」と外国の消費者が思って、何事もなかったようにまた買ってくれるだろうか。
これは、(「反日に凝り固まった個人が、特に組織的背景なしに行ったヘイトクライム」以外の可能性としては)「反体制運動家がオリンピックを妨害するために行った工作」じゃないのか、と思う。
もし五輪潰しテロであるなら、北朝鮮がソウル五輪を中止させようとして大韓航空機爆破事件を起こしたのを参考にしたのかもしれない。
以前から中国では食品の製造過程や検査体制に問題がよく起こるのは知られているので、その種の「事故」を装うことができるというわけだ。
現政権・現体制に反対だといっても、反日教育を受けて育った「愛国的中国人」であることは同じだとすれば、政治目的の達成のためには日本人の生命なんて屁とも思わない点で変わりはない、ということだろう。
余談だが・・・
中国の「次の王朝」もまた、「中国の」政権なのだ。今の政権が潰れさえすれば、後には民主的で平和を愛し親日的な、穏健な政府が現れる、という保証も根拠も全然ない。悪くすると、さらに一層危険で厄介な国家が誕生することだってありうる。
中国の「反体制運動」に勝手に期待したり過剰に思い入れしたりしてはならない。
当たり前のことだが外国はしょせん外国なのであって、我々のために何かしてくれるようなものなのではない。
さて、ギョウザの件が「反日」というより「反体制」の、テロかどうかは今のところ想像の域を出ないけれども、そういうことがかりにありうるとしての一般論だが−
世の中や自国政府を不安定・無秩序にもっていくタイプの工作の動機は「
現状変更」。「
現状への異議申し立て」である。
《
もし現状にこのまま変更がなかったら、自分たちにはチャンスが来ない》がゆえに、少しでもチャンスを作り出すために世の中を、秩序を、体制を、乱すのだ。
理屈から言えば実際には、世の中混乱したからといって自分にチャンスが来るとは限らないのだが、少なくとも「世の中が混乱しなければチャンスは永久に来ない」ことだけは確定だ。
「
クジも買わなきゃ当たらない」((C)青島幸男)のならば、とりあえず買ってみるしかないわけだ。
テロという宝クジを。
実際、20世紀には何度もそれでジャックポットが出てるのだから、試す価値はある、ように見える。
《今週の結論》
誰もが平和(=現状維持)を望むわけではない。
世に「平和を望まない」「治にあって乱を求める」者ありとせば、
彼の動機は「不満」であり「現状への異議申し立て」である。
それにしても「メタミドフォス」だって・・・。
自分たちのあずかり知らないところで今も世界中で勝手に造語しまくられてる
ギリシア人の悲哀はいかばかり。

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