『映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』
今までのプリキュアを全部出して暴れさせるという無茶な設定の時点で、これは一見の価値ありと判断いたしますた。
水滸伝でいうと、とりあえず額面通り108人を名のある俳優に演じさせました。二時間で。というのと同じである。
それでさっそく、娘・カミさんと三人で観てきた。
プリキュアは四つの
ジェネレーション(ここでの用語)、14人(12+2人)からなる。
I 最初のとMax Heart(2+1)[+1はシャイニールミナス]
II Splash Star(2)
III Yes! プリキュア5とプリキュア5 Go Go!(5+1)[+1はミルキィローズ]
IV フレッシュ(3)
ジェネレーションI
美墨 なぎさ/キュアブラック(声:本名陽子)
雪城 ほのか/キュアホワイト(声:ゆかな)
九条 ひかり/シャイニールミナス(声:田中理恵)
ジェネレーションII
日向 咲/キュアブルーム/キュアブライト(声:樹元オリエ)
美翔 舞/キュアイーグレット/キュアウィンディ(声:榎本温子)
ジェネレーションIII
夢原 のぞみ/キュアドリーム(声:三瓶由布子)
夏木 りん/キュアルージュ(声:竹内順子)
春日野 うらら/キュアレモネード(声:伊瀬茉莉也)
秋元 こまち/キュアミント(声:永野愛)
水無月 かれん/キュアアクア(声:前田愛←注・「ラッキーハッピーモンキーウッキー」とか言ってた
「俺達の知ってるあの前田愛」とは別人)
ミルク/美々野 くるみ/ミルキィローズ(声:仙台エリ)
ジェネレーションIV
桃園 ラブ/キュアピーチ(声:沖佳苗)
蒼乃 美希/キュアベリー(声:喜多村英梨)
山吹 祈里/キュアパイン(声:中川亜紀子)
四世代14人をただ横浜みなとみらいの舞台に登場させて紹介するだけで30分以上費やしている。まあ、そうだろうね。
そして、世代同士が
壮絶にキャラかぶりしている。
それでいて声優が一人もかぶらない。世の中にこんなに「プリキュア声優」がいたとは・・・。
あまりにも似たもの同士キャラかぶりがすごいので、出会った瞬間に光子出して消滅してしまわないのかと心配になるが、
カラーが、あるいは
フレーバーが(例:レモネードとパイン)違うということで大丈夫なのだろう。プリキュアは素粒子だったのか・・・。
今回の悪役は、
長らく道頓堀川に沈んでいたのが最近偶然発見され引き揚げられたクリスタルボーイさんだ。
いや、実際映画を観ていただければ、私が
単に見えたとおりのことを素直に書いているのだと納得していただけることと思う。
ヤマ場の戦闘シーンのBGMは
ジンギスカンの『モスクワ』に似ているため、劇場にいる人はだれでも「もっすか〜う
塩分って入るんすか〜♪」と歌ってしまう。 このあたりまでには妖怪
泥クリボーは
ゴヤ作「我が子を食らうサトゥルヌス」に成長していて、隣で観ていたカミさんは「
腐ってやがる・・・まだ早すぎたんだ」とつぶやいていたが、誰の心も違わねえんだな。
ただ、娘の振り回していた
「レインボーミラクルライト」(プリキュアに元気をあげるために劇場でくれる)の光が目に入ったためカミさんは失明してしまい、「目が、目がぁ〜」と途中から
特務の青二才の人にキャラを変えていた。
時節柄
イチロー先生もどこぞの「愛国者」のレーザーポインター攻撃にはくれぐれも気をつけてください。
それと、
ニセの大阪弁しゃべるオコジョ(名前:タルト)がいるが、こいつは
もし色が黄色かったら絶対CLAMPに訴えられてると思う。
西の名探偵もそうだが、怪しげなニセ大阪アクセントは居心地がわるい。
どうにかしてほしい。
東鳩の委員長以外に大阪弁は必要ないだろjk。
しかし、こういう映画は作るのむずかしい。
・共通の巨大な敵を設定し(この設定、結局理解できなかった。ホシイナー、ウザイナーのたぐいがまとまれるんなら初めからまとまれ。ゲルダム団とショッカー別々に活動するからうまくいかないのだってことは歴史が教えてくれている)、
・四組をそれぞれ紹介し(キャラかぶりはまずここでデジャビュのような形を取って現れる)、
・それぞれを一度変身させて新しい敵の存在に気づかせ(
どの組のプリキュアも「なんなのあれ!」って言ってるとこをみると、作り手も自分で作っててそう感じたのであろう・・・)
・各組同士を知り合わせ(出会うとキャラがうわ〜かぶるかぶるかぶる「ゲンセンカン主人」級にかぶるビュウウウウ)、
・敵とのクライマックスのバトルに持っていく(どうやって間違わずに描きわけたんだろうな。あと取り違えずに平然と自分の役をアテてる声優もすごい。ていうか、どこのスタジオに行けばあんな数の声優が一度に入れるブースがあるのか?バラバラに収録してミックスダウンしたにしては息がピッタリだ。その場合は多分「メイドインヘブン」のエンジニアを英国から呼んだのだろう)
・しかも全員の技を出させ見せ場を作ってやり、キャラの上下優劣を作らない(みそっかすはいるはずなんだが・・・)
これを
・子供が飽きてぐずり始めない時間(1時間半以内だろう)にまとめろ
っていうんだから、脚本家も監督もルービックキューブ解いてるような気持ちだっただろうな。
カミさんは「何か思ってたのと違う」と言ったが、そんなことはないと思うぞw
俺にとっては完全に思った通りの映画だった。
本項ではそもそもプリキュアとは何であるのか、とか(伝説のアマゾネスである。それ以上の予備知識は必要ない)、そういう説明はしなかった。する必要あるとも思わなかった。
と、いうのは、この項は「映画ガイド」ではなくて、映画をサカナにして書きたいことを書くためのものだったからである。

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