安倍晋三が不当に叩きまくられて辞めさせられ、その後麻生太郎が首相になった時、私は
「サヨざまあwwwヤブヘビwww」
と思った。しかし甘かった。その後事態は好転しなかった。
戦後最悪の左翼政権が誕生したのだった。
私はどこで何を、読み間違えたのか?
今日は
反省会をしよう。
(1)《
小沢一派と左派との間の政策や国家観の溝が易々と埋まるはずはないと思った》
これが間違いだった。
小沢は「政権交代」がその目的と化してしまっていて、そのためならそれ以外のことは大きく譲歩する気になっていた。
小沢がそこまで妥協するつもりになっていたとは読めなかった。
結果、
・数が欲しい小沢は労組・左派と組むことに、
・選挙に勝ちたい左派は小沢と組むことに、
それぞれメリットを見出す理想の結婚となった。
両者に共通するのは「反自民」「政権交代」即ちルサンチマンだけなのであるが、これは十分に強い動機たりえた。
ルサンチマンがどれほど強固な動機でありうるか、どれほどイデオロギーを超えるものであるか、そこが私にはわかっていなかった。
(2)《
いくら自民党政治に飽きたからといって、民主党って選択はないだろう、と思った》
これも完全に間違っていた。
多くの有権者は民主党が危険な左翼的(というより反日的)体質の持ち主であることをまったく知らなかったのだ。
そもそも有権者の多くは国家とか国体とかには大きな関心を抱いていなかった。
国旗を切り抜いて党旗を作った事件も、選挙には何の影響も与えなかった。
(3)《
民主党が与党になれば、マスメディアは今度は民主党の方に批判的な目をしっかり向けるだろうと思った》
最も意外なことに、これもまた完全に間違いだった。
マスメディアは
【自民が与党だから厳しい目で監視し、民主が野党だから大目に見ていた】
のではなかった。
【単に自民が嫌いだから叩き、民主に希望をつないだからかばう】
が正解だった。だから民主が与党になると、それまで以上にエコヒイキし、かばうようになった。
民主党政権時代における、このマスコミの偏向と自主検閲・翼賛体制は、歴史に特筆されるべきものである。
(4)《
いくら民主党でも、もし与党になったら国家の存立や安全保障に関わることでは否応なく現実的になるだろう、と思った》
私は完全に、この上なく間違っていた。それは「見通し」ではなくて単なる「願望」だった。
(5)《
韓国の左翼政権時代と比較して、より規模の大きい国である日本を一気に左傾化させ破壊するのは困難であろうと思った》
つまり、一億人を易々と洗脳などしきれるものかと思った。
しかしそれは必ずしも正しくなかった。
韓国は朝鮮戦争を経験した世代がまだ存命中であり、また長い間強固な反共教育が行われてきた。
しかし日本には反共教育の伝統が全くなく、教育界は1945年以降一貫して容共的だった。
共産主義は「全体主義の一種」だとは義務教育の現場では決して教えられず、民主主義の特殊な一形態ででもあるかのように教育されてきた。
そのことからくる
抵抗力のなさを考えると、日本の国力の大きさは、むしろ、大規模な共産化マシーンのエンジンや燃料として働く可能性としてみるべきものであった。
教育界とマスコミ、労組、宗教界(神道以外)、そして中国に傾斜する財界、すべては民主党のもとに結集して日本を蝕み破壊する勢力となりうるものであった。
民主党政権は、今初めて日本の解体に着手したのではなくて、既に進んでいた解体のプロセスを単に完成させるために登場したのである。
岡庭昇だったか、竹中労だったか忘れたが、「
ミニマム・プラットフォーム(反体制クソミソ綱領)」なるものが80年代の後半に提唱されたことがあった。
現体制を打倒するという、ただその一点において、左右両翼全ての反体制党派は小異を一切捨象して大同団結せよ、というのだ。
その当時だってこれを真に受ける人はいなかったはずだ。そんなものはたちまち空中分解するに違いないと、誰もが思ったろう。
しかし今日、民主党政権という形で実現したのは、まさに世の左翼たちの「見果てぬ夢」だったそれではないか。
まさに
非共産左翼諸党派大連合政府だ。
結局、
実際に起こったことは何だったのか?
(イ)
旧田中派のルサンチマンと左翼のルサンチマンが、「選挙に勝つ」というプラグマティックな一点で実際に結びついてしまったこと。
つまり、小沢一郎は本当に、「
反自民・非共産大連立」のキーマンだったのだ。
自由党時代の彼にはそこまでやると思わせるものはなかったが−自自公連立の崩壊を見た時、彼は最終的に腹をくくって居直ったのだろう。
(ロ)
マスコミは「反体制」(つまり「反与党」)なのではなくて「反自民」(というか、単純に「反日」)だった。
だから、
自民の代わりに与党の座についた者を、自民が与党だった時のように厳しく監視し批判するということをせず、逆に与党翼賛態勢を形成したのだ。
【今週の結論】
俺は甘かった。


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