◆Jimmy Pantera: Los Tigres del Ring(Ankama Editions, 2009, France)
『リングの虎』。
ベルギー人の著者による、メキシコのルチャ・リブレコレクション本。本文フランス語。
例の、有名な「エル・サント」ももちろん出て来るが、サントにとどまらず、この本全体がリング上のプロレスそのものを超えて、カードとかコミックとかのキャラクターとしてのルチャドールを扱う。
で、まあ、いろんなことがわかった。
《わかったこと》
(1)「5 MASCARAS iGRATIS!!!」(覆面5枚無料!!!)p.49
スペイン語はクエスチョンマークとビックリマークを文の前後に付ける(前に付くやつは逆さ)のであるが
[*1]、たくさん付けたい時どうするのか?
こたえ:左側そのままで、右側(後ろ)のだけ増やす。というやり方がある、のがわかった。
(2)le catch mexicain(メキシコのプロレス)p.7
ホントにフランス語ではプロレスのことをcatchっていうんだな。「レスラー」はアマチュアと同じでlutteur。
(3)Gran Hamada(グラン浜田)/Ring Fujinami(藤波辰爾)p.189
グラン浜田の方が藤波より名前が大きい。ていうか「エル・サント、ウラカン・ラミレス、グラン浜田組」って、メインエベントのタッグでサントと一緒じゃねーか。
グラン浜田は本当にグラン(大物)だったんだな。しかし、「リング・フヒナミ」って適当すぎねーか。
(4)レスラーカード#101「Shibata」
シバタって誰だよ?本当はなに人なんだよ?
(5)見たことない技のイラストがある…。p.11
1.Congrejo Lagunero
2.La Gori Especial
3.El Volantin
4.Candado
5.La Cruzada
1.はボストンクラブみたいなんだが、掛け手が受け手の頭と同じ方を向いている。リバース・ボストンクラブ。これ、力入るのかね。
2.は相手を裏返しにしょって背骨を極める。なんというか、裏ベアハッグなのか、背負いボウアンドアローなのか。
3.相手の太ももを自分のヒザに乗せて、うつぶせの相手の両手首をつかんで背骨を極める。半ロメロスペシャルかな。
4.これは普通のヘッドロック。
5.これは何だろう、「合気万歳固め」かな。大東流でいうと。
(6)レスラーカードに出て来るリングネームの例。
El Escorpion(ザ・スコーピオン。サソリ仮面)
La Llorona(ザ・ゴースト。怨霊仮面)
La Cebra(さよう、りっぱなしまうま)
El Zombie(ゾンビって男性名詞なのか…)
La Cobra(ザ・コブラ)
El Truhan(悪党仮面)
La Silueta(ザ・シルエット)
El Halcon(ザ・ファルコン。鷹仮面)
El Lince(ザ・リンクス、山猫仮面)
La Muerte I y II(死神一号二号。死神って女神なんだねw)
El Prisionero(ザ・プリズナー。囚人仮面)
El Gitano(ザ・ジプシー。お前らジプシーを何だと思ってるんだ?)
El Espartano(ザ・スパルタン。お前らスパルタ人を何だと…)
El Dragon(ザ・ドラゴン)
El Vengador(ジ・アヴェンジャー、復讐鬼)
La Saeta(ジ・アロー、矢仮面)
El Audaz(大胆不敵仮面w)
El Fenomeno(ザ・フェノメノンwどんな現象だっていうんだ…)
El Espectro(ザ・スペクター。幽霊仮面)
El Diamante(ザ・ダイヤモンドw本名が「ディアマント」のユダヤ人かもな。あるいは本名が「アルマアズ」のエチオピア人wあるあるwww)
La Momia(ザ・マミー、ミイラ男。お前らはエジプトを何だと以下略)
El Cuervo(ザ・クロウ、鴉男)
El Atomo(ジ・アトム、原子男。あのなあ、すごく威力があるっていうだけの例えに一々「原子」を使うな。広島と長崎の人に謝れ)
El Pulpo(ジ・オクトパスwねちっこそうw)
El Condor(ザ・コンドルw)
El Intocable(ジ・アンタッチャブルwあんた何やらかしたんだよw)
El Enterrador(ザ・グレイヴディガー、墓堀人。そんな陰気な名前付けたら女子供が怖がると思ったのか?)
El Diablo(悪魔仮面)
El Monstruo(ザ・モンスターw)
【今週の結論】メキシコの厨二病ひどすぎるww
[*1]:ケチュア語コチャバンバ方言もそれに倣っているようだ。ポルトガル語にはこの習慣がない。ソロモン諸島のピジンイングリッシュも文の前後にクエスチョンマークを付けるが、逆さにはせず、同じ向きのものを使う。

1