2017/4/28

イタリアの鳥たち(その5)  episode
第5日 永遠の都の小鳥たち (ローマの2)
 このあと、次々といろいろな小鳥が現れます。遊歩道には、ズアオアトリ Fringuello、並木にはヨーロッパシジュウカラ Cinciallegra 少し開けたところにはクロウタドリのほかに、セリン Verzellino。ヨーロッパコマドリ Pettirosso は何度も現れます。

クリックすると元のサイズで表示します
    ズアオアトリ

クリックすると元のサイズで表示します
    クロウタドリ

クリックすると元のサイズで表示します
    ヨーロッパコマドリ

 パラティーノの丘の頂上あたりでは、頭上をチョウゲンボウの仲間が何回か横切ります。イタリアでもチョウゲンボウが普通種のようですが、一見したところチョウゲンボウよりスマートに見えます。飛ぶスピードも速く、双眼鏡で捉えきれず何だかわからないままに終わりました。
 
 さて、園内を一巡りして、そろそろ出ようかなと思った頃、近くの木に小鳥の混群がやって来ました。
 ヨーロッパシジュウカラ、アオカワラヒワ Verdone 、ズグロムシクイ Capinera 、アオガラ Cinciarella 、ムシクイ類?の中に、今回の旅行で一番見たかったゴシキヒワ Cardellino が入っていました。ヴィバルディのフルート協奏曲に「ごしきひわ」という題のものがあり、名前だけは昔から知っていましたし、何より色彩が華やかです。

クリックすると元のサイズで表示します
    ズグロムシクイ

クリックすると元のサイズで表示します
    アオガラ

クリックすると元のサイズで表示します
    ゴシキヒワ

 ちなみに、フィレンツェのウフィツィ美術館で見たばかりの、ラファエロ筆の聖母子像、その名も「Madonna del cardellino」。左側の幼子(洗礼者ヨハネ)が幼子キリストに差し出しているのが、ゴシキヒワ。なぜ、ここに書き込まれているのかというと、ゴシキヒワは「キリストの受難」の象徴なのだそうです。

クリックすると元のサイズで表示します
     聖母子像

 さて、出口近くの草地にいたのが、タイリクハクセキレイ Ballerina bianca 。イタリア名の意味は「白いバレリーナ」。なかなかいい名前をもらっています。日本のハクセキレイの基亜種ですが、さて、どこが違ってたっけ?としばし頭を悩ませました。

クリックすると元のサイズで表示します
    タイリクハクセキレイ
 
 この、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘は、比較的観光客は少なく、学校の校外学習と思われる団体が多かったです。その中で鳥を見ているのは、私たちだけで、鳥の警戒心も比較的少ないようで、近くまでやってきます。そのおかげで、日本で出現したなら大騒ぎになるような鳥が、次々と独り占めで見放題という、こたえられない体験をすることができました。
 
 この日観察した鳥
 マガモ、ワカケホンセイインコ、キアシセグロカモメ、チョウゲンボウsp、ズキンガラス、アオガラ、ヨーロッパシジュウカラ、ズグロムシクイ、ホシムクドリ、クロウタドリ、ヨーロッパコマドリ、クロジョウビタキ、イタリアスズメ、スズメ、タイリクハクセキレイ、ズアオアトリ、アオカワラヒワ、セリン、ゴシキヒワ。

まとめ
 今回の旅行は、観光が主目的で鳥の方は二の次。鳥がたくさんいそうなところに、わざわざ立ち寄るわけではありませんし、団体行動では勝手なこともできないので、あまり期待はしていなかったのですが、思いのほか見られて楽しかったです。今回は、ポケットタイプの双眼鏡(8×20)を持参しましたが、これは美術館の展示物や、建築物の細部を見る時にも活躍しました。
 観光の方でも、イタリアは見どころも多いし、食べ物は美味しいしで、大いに満足してきました。帰ってきて間もないのに、次はどこに行こうかと、あれこれ夢想しているところです。
                             plover



                 次の観察会は「探鳥会案内」をクリック

2017/4/26

春の桂川を散策、何でも見てやろう  行事
クリックすると元のサイズで表示します

 春雷の注意報の出た朝の阪急「西京極」駅前、少し青空ものぞくなか、28名の参加者が集まりました。西京極運動公園に移動して朝のあいさつ。今日は鳥だけでなく、桂川を彩る野草にも目を向け、「何でも見てやろう」の気持ちで歩くことにしました。
 西大橋を右岸に渡り河川敷を上流に歩くと、キジの声。水辺にはカモたちがまだいます。タシギも出て出現鳥はどんどん増えていきます。ミニ野草講座としてアケビ、カラスムギの解説をBさん、Tさんにしていただきました。

クリックすると元のサイズで表示します
    アケビ

 途中、黒い雲が近づき、上野橋の下に避難をすることもありましたが、その後急速に天気は回復。松尾橋下流で解散。昼食後は希望者で嵐山まで歩きました。                                      桂川自然観察会 2017年4月15日(J)

●見聞きした鳥 天候: 曇り後雨、後晴れ
キジ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、カイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、クイナ、オオバン、ケリ、イカルチドリ、コチドリ、タシギ、イソシギ、トビ、カワセミ、チョウゲンボウ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、ツグミ、ニュウナイスズメ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセ キレイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、アオジ 45種

クリックすると元のサイズで表示します




                 次の観察会は「探鳥会案内」をクリック

2017/4/24

イタリアの鳥たち(その4)  episode
第5日 永遠の都の小鳥たち (ローマ)

 ここまで、大型〜中型の鳥はそこそこ見れたのですが、小鳥はあまりしっかり見れていないのが心残りでした。
 この日は、1日自由行動の日。バチカンや、トレヴィの泉など有名どころは団体行動で回るので、そこを外して、古代ローマ帝国時代の遺跡群、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘に向かいました。
 2月末にNHKで放送された「ダーウィンが来た!」でも紹介されていましたが、ローマ市内にも、キアシセグロカモメがたくさんいました。でも、古代ローマ市民はこういう風景は見たことがないのでしょうね。

クリックすると元のサイズで表示します
    ミカカモメ_ローマ

クリックすると元のサイズで表示します
    ローママツ

 広い通りに出ると、独特の樹形をした、いわゆるローマの松(イタリアカサマツ)の並木になっています。
 入口でチケットを購入して、持ち物チェックを受けて入場します。イタリアの観光スポット(入場料を必要とする所)は、どこも持ち物チェックがあり、カバンも口を開いて中を見せなければなりません。リュック、三脚の持ち込みは不可のところがほとんどのようです。
 さて、まず目に入ってきたのが、この鳥。

クリックすると元のサイズで表示します
    クロジョウビタキ♂

 反射的に、ジョウビタキだと思ったのですが、よく見ると色黒。クロジョウビタキCodirosso pazzacamino の♂でした。飛び方や、止まった時の尾の振り方など、ジョウビタキとまるで同じでした。メスもいましたが、背中の白紋付はありません。

クリックすると元のサイズで表示します
    クロジョウビタキ♀

 このフォロ・ロマーノ&パラティーノの丘は、中に入ってみると石造の建築物遺構の間のスペースは、草地が主なのですが、かん木・高木もあって、鳥が住むには良いところでした。これで、意識は遺跡見物から鳥見モードに完全に切り替わってしまいました。

クリックすると元のサイズで表示します
    フォロロマーノ

 次に現れたのが、ズキンガラス Cornacchia grigia (Cornacchia cornix) 。これまでにもあちこちで見かけていたのですが、やっと近くでじっくり観察出来ました。かつてはハシボソガラス(C. corone)の亜種と考えられていましたが、近年は独立種と考えられているようです。おおざっぱに言って、西ヨーロッパはハシボソガラス、東ヨーロッパはズキンガラスで住み分けているようですが、イタリアはズキンガラスの生息域で、今回の旅行で見たのは、すべて、この黒と灰色のツートーンのカラスでした。

クリックすると元のサイズで表示します
    ズキンガラス

 ズキンガラスが集まる木を見ていると、ホシムクドリやスズメ Passera mattugia も見つかりましたが、

クリックすると元のサイズで表示します
    ホシムクドリ

クリックすると元のサイズで表示します
    スズメ

 なかに、派手な緑色の鳥がいました。ワカケホンセイインコ Parroccheto dal collare のようです。東京でも見られますが、こちらでも外来種として根付いているようです。(続く)

クリックすると元のサイズで表示します
    ワカケホンセイインコ
                             plover



                 次の観察会は「探鳥会案内」をクリック

2017/4/21

中西悟堂 フクロウと雷  books
クリックすると元のサイズで表示します

 鳥類愛好家にして研究家。文人。「野鳥」「探鳥」という言葉の創作者。日本野鳥の会創設者。鳥獣保護法の制定に深く関わる、などなど。
 それが中西悟堂であるが、名前は知っていても、著作をまとめてお読みになったことはないかもしれない。私は読んだことがなかった。
 このたび、平凡社スタンダードブックスのシリーズとして、悟堂のエッセイが出版されることになった。おそらく、既に書店に並んでいるであろう。

 悟堂の描く鳥類の観察は、現代の我々にも共感を呼ぶものだ。狭苦しいブラインドにこもって観察を続ける苦労の描写に「そう、それそれ」と頷きつつ読み進めてゆくと、唖然とする記述に出くわす。唐草模様の布を被って池の中に1日じゅう立っていた? いや、理屈はわかる。しかし、これを実行できるかと問われれば、できないとは言いたくないが、ためらいはする。
 悟堂の尽力により、鳥類の保護や保全という意識は格段に広まったといえる。鳥は捕まえて飼うか食うもの、という意識を、「野の鳥は野に」と改めさせたのは、ひとえに悟堂の功績である。しかし、野鳥を取り巻く現状はどうか。本書に描かれた昭和前半の東京は、いかに鳥に満ちあふれていることか。善福寺公園にオオコノハズクやサンショウクイやサンコウチョウが繁殖するなど、今となっては信じられないことだ。鳥類学者として大変興味深く読みつつ、一方で暗澹たる気持ちにもとらわれる。悟堂の危惧した自然と人間との乖離は、そのまま現代にも通用する批判である。
 悟堂が鳥を見つめる目はどこまでも優しい。悟堂はまず鳥を愛し、それゆえに知ろうとした人であった。現代の科学は徹底して感情を排した記述に終始する。それは客観と再現性を重んじることが科学の要請であるからだが、一方でシステマティックな、知性のみに駆動された研究スタイルを生んでもいる、とも言えるかもしれない(ただ、一言、弁護させてもらうならば、多くの研究者は論文に書かないだけで対象生物への愛を持っているものだし、全ての研究者が知的興味のみから研究を始めたわけでもない。でなければ誰が苦労して鳥など観察するものか)。
 飼育に関する章も大変に興味深いものだ。このように、生きた鳥が育つ過程を間近に見ることは、鳥類学者の夢である。
 また、ここに描かれた鳥類の飼育手法は、長い年月をかけて培われた、そして今は失われつつある一つの文化であり、鳥類の習性を知り尽くしていなければできないことだ。
 現代において野鳥を飼育することは基本的に禁じられている。これは鳥を守ることと表裏一体のジレンマだ。密猟や乱獲は決して過去のものではないし、狩猟法の抜本的な改正(これも悟堂らの努力による)は戦後のことである。乱獲に心を痛める一方、鳥好きゆえに鳥を手元に置かずにおられないという素直な感情も、エッセイからは浮かび上がってくる。
 悟堂の思想は、常に彼の鳥を見つめるまなざしと一体である。その抑制的な視点は、ホシガラスの巣らしきものが見つかっても、「雛がいたわけではないのだから」と結論を避けていることからも明らかであろう。彼は科学の偏重に警鐘を鳴らしたけれども、それは決して浅薄な野次や皮肉ではない。自ら客観的な観察を実践した上でなお、「生物の生態観察は(中略)広範な哲学であり、高貴な詩である」と言っているのだ。だからこそ、その中から紡ぎ出される言葉は梵百な絵空事ではない、リアルな重みをもって今も我々に届くのである。 松原始


    フクロウと雷 中西 悟堂 著
    平凡社 STANDARD BOOKS
    ISBN: 9784582531602
    本体 : 1,400円+税




                 次の観察会は「探鳥会案内」をクリック

2017/4/19

イタリアの鳥たち(その3)  episode
第3日 花の都のスズメたち (フィレンツェ)

 フィレンツェでは午前中に団体で市内観光。最初に向かうのはウフィツィ美術館。ここは、今回の旅行で一番来たかったところです。朝一番で来たのですが、早くも入場待ちの行列が出来ています。行列に並んで待っていると、ミラノでもヴェネツィアでも見られなかった、イタリアスズメ Passero d'Italia (Passer italiae)がやってきました。このイタリアスズメ、独立種とされたり、イエスズメ (P. domesticus)あるいはスペインスズメ (P. hispaniolensis)の亜種と考えられたりしているようです。

クリックすると元のサイズで表示します
    イタリアスズメ_オス

 このあと、午後にドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の入場を待っているときにも、足元近くまでやってきて、観光客の与えるエサを拾っています。ジェラートのコーンのかけらが大好きのようです。
 日本のスズメより一回り大きく、雌雄異色で♀はニュウナイスズメの♀に似ています。ところが、見かけるのはほとんど♂で、♀は極く少数です。もしかしたら、私たちが普段見ているスズメも性比が偏っているのかと思って調べてみましたが、それにふれている資料は見つかりませんでした。

クリックすると元のサイズで表示します
    イタリアスズメ_メス

 午後は自由行動ということで、まずは本屋に立ち寄り、カタコトのイタリア語と身振りで、現地の図鑑を購入。イタリアのバードウォッチング系の団体(EBN Italia)の推奨マークもついているので、内容は信頼できると思われます。

クリックすると元のサイズで表示します

 昼食後は、まずドゥオモそばの鐘楼(ジオットの鐘楼)に登り、頂上からフィレンツェの町並みを眺めます。赤い屋根瓦の波の上を、キアシセグロカモメやズキンガラスが飛び回っています。

クリックすると元のサイズで表示します
    フィレンツェ_カモメ

 次にアルノ川からポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)方面に向かいます。アルノ川では、キアシセグロカモメ、ユリカモメの他に岸にエジプトガン Oca egiziana がいました。これは名前のとおりアフリカ原産の移入種のようです。ほかに、カワウやサギ類、バンGallinella d'acqua もいました。

クリックすると元のサイズで表示します
    アルノ_カモメ

クリックすると元のサイズで表示します
    アルノ_エジプトガン

 ポンテ・ヴェッキオの上は、ひときわにぎやかでしたが、橋の上に止まるユリカモメを見て、京都の先斗町で見るものと同じユリカモメなんだなあと、不思議な気持ちになりました。

クリックすると元のサイズで表示します
    ヴェッキオ_ユリカモメ

 このあと、もう1か所美術館に入りましたが、今日はこれで時間切れ。フィレンツェは半日の自由行動ではまったく時間が足りません。
 ホテルに戻る途中、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(フィレンツェ中央駅)近くを通りがかると、近くの街路樹並木がホシムクドリの集団ねぐらになっているようで、ちょうどそのねぐら入りの最中でした。

クリックすると元のサイズで表示します
    ホシムクドリねぐら

 この日観察した鳥
 エジプトガン、カワウ、バン、ユリカモメ、キアシセグロカモメ、ズキンガラス、ホシムクドリ、イタリアスズメ

第4日 フィレンツェ〜ローマ
 この日は、フィレンツェからローマまでの移動日で、ほぼバスの中からの観察で、写真はありません。この間も、道中はなだらかに起伏する丘陵地の合間に、畑、ブドウ畑、オリーブ畑が広がります。小鳥もたくさん飛んでいますが、識別できません。ゆっくり歩き回れば、いろいろな鳥がいるに違いありません。
 ノスリ Poiana は前々日のヨーロッパチュウヒと同様に、高速道路わきの杭にとまっていましたが、日本産のものより、色が濃いようでした。

 この日観察した鳥
 コウライキジ、マガモ、モリバト、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、キアシセグロカモメ、ノスリ、チョウゲンボウsp、カササギ、ズキンガラス、ホシムクドリ、クロウタドリ、イタリアスズメ
                             plover



                 次の観察会は「探鳥会案内」をクリック


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ