2018/6/23

カラス先生のはじめてのいきもの観察  books
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 自著の紹介ばかりが続いて大変恐縮なのだが、今回、太田出版からこのような本を上梓することができた。
 タイトルは自然観察のハウツー本っぽいが、中身は子供の頃を中心としたエッセイのようなものだ(にしては少々、動物の解説が多いが)。これは出版社の意向である。「読み物だが、読むことで自然観察のやり方もわかる」ということらしい。わかる…… か? ビーチサンダルで石畳の柳生街道を駆け下りたとか、アブラコウモリを手づかみしたら噛まれたとか、イノシシ道を辿ったとか、かなりおかしな経験ばかり書いているような気がするが。双眼鏡や図鑑についての章は、これから鳥を見てみようという方にとって、多少はお役に立つかもしれない。

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 むしろ、書きながら私が思い描いていたのは夏休みである。四十年まえの夏休み。あの頃は毎日、田んぼで遊んでいればよかった。カエルもトンボもヘビもいっぱいいた。その中で野良ガキどもは育った。
 もちろん、それを過剰に美化するつもりはない。「今時の子供は」と紋切り型の繰り言を述べる気もない。ただただ、あの夏の空も、頭まで埋もれてしまう草いきれも、バッタが飛び立つ音も、素足で踏んだ泥の感触も、みな楽しく懐かしいという思いだけである。
 夏の思い出を胸に抱く大人に、そして、これから「大ぼうけん」に飛び込んで行く子供達に。松原 始

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      カラス先生のはじめてのいきもの観察 松原始 
      太田出版 1,500円
      ISBN: 9784778316310




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2018/5/25

カラス本2冊  books
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 最近、カラスの本が2冊立て続けに出版された。少し前にカラスの知能の本が2冊続いたが、今回、1冊は文化的側面にも注目した「カラスの文化史」(エクスナレッジ)。そして、もう1冊は待望の(?)カラスの写真集、「スーパービジュアル版・にっぽんのカラス」(カンゼン)である。

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 「カラスの文化史」の方は監修しただけで、しかも時間的余裕がかなり厳しく(どうやら他の方に依頼して断られてから私のところに回って来たようだ)、「生物学のとこだけ見ますよ、文化史なんて知りませんよ、それでいいですね?」と念押ししてから関わった。なのにデカデカと「監修 松原始」と入っているのは、いいのか? 私よりよっぽど頑張ったのは翻訳者のはずである。実際、非常に丁寧に訳そうとしているのが原稿を見ればよくわかった。
 それはともかくこの本、普段はあまり触れない欧米文化の中のカラスを垣間見るには面白い内容である。北米先住民の神話に登場するカラスが神のくせに結構ヤンチャなのは知っていたが、これほど身も蓋もない、いい加減な奴とは知らなかった。もっとひどいのはアボリジニの伝説に登場するカラスで、彼らが一体なんのために人間を作ったか、それは読んでのお楽しみである。カレドニアガラスやワタリガラスの知能については、研究者にインタビューもしている。聞いた相手はトマス・バグニャーやニコラ・クレイトン、ネイサン・エメリーなど、第一線の研究者だ(最近出たエメリーの『実は猫より賢い鳥の知能』は、邦題が今ひとつだが、真面目で面白い本である)。
 ただ一点、本書に登場する「仲間の怪我を手当てしたカラス」については、自分の目で見るまでは信じないつもりである。原著者も伝聞として書いているので確かめようもなく、さりとて翻訳本で「これは納得いかないから掲載するな」というのもおかしな話なので、そのままになっている。

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 「にっぽんのカラス」の方は、これまで何度か企画だけはあったが、そのつど全て潰れてきた、カラスの写真本だ。出版社はカラスの写真企画にはいい顔をしない。金をかけてカラー印刷して、出来上がりが真っ黒なカラスでは編集長が怒り出すのもわからなくはない。それをいくつもの出版社に交渉して喰らいついてくれた編集エージェントの手腕の賜物である(この本は編集者からの持ち込み企画なのだ)。
 そして、この本の強みは、「カラスは真っ黒なんかじゃない!」と知らしめる宮本桂氏の美しい写真である。氏の撮影したカラスは光輝き、その一方でちゃんと黒く、艶やかで艶やかな姿を見せる。飛行中の翼や換羽の状態など、見過ごしがちなディテールも抜かりなく押さえられている。カラスのおしり、まして総排泄孔を捉えた写真なんて、見たことありますか?
 つまり、この本の主役は写真であり、宮本氏である。なのだが、こちらにも監修・著・松原始と大きく書いてあるのが非常に申し訳ない。最初は写真にちょっとした解説をつけるだけのはずだったのが、編集者が台割りを持って来たらずいぶん文章が増えていたのである。さらに、珍しい試みだが、様々なカラスに関する論文をいくつか取り上げて解説するページもついた。いってみれば、これは「カラスの教科書」に対する「参考書」あるいは「便覧」である。
 ただし、こちらも一つ、ただ一つだけ、苦言を呈したい箇所がある。帯につけられた筆者のイラストが、当社比20歳くらい老けている点だ。自分がいい加減オッサンであることを認めるにやぶさかではないが、まだジジイではないつもりである。松原 始

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2018/3/3

生物界随一の頭脳をもつ鳥 カレドニアガラス  books
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 普段私たちが目にするカラスたち、追っ払ったりすると顔を覚えてるそうです、けっこう鳴き真似もするようです。賢いんでしょうね、
 さて、見慣れたカラス、その仲間、テレビ番組などご存知の方も多いと思います、道具を使うカラス、カレドニアガラス(英名New Caledonian Crow) Corvus moneduloides スズメ目 カラス科 カラス属 。
 じっくり読んでみたいですね。「道具を使うカラスの物語」の紹介です。

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 南太平洋に浮かぶ美しい島・ニューカレドニアに住むカレドニアガラスは単に道具を使うのではなく、独自の道具を作り上げ、改良する知能をもっています。
・どのようにして道具の使い方と作り方を学ぶのか?
・道具を取り扱う技術を進歩させ、未来の世代に伝えることができるのか?
・カラスたちは脳のどの部分を使っているのか?
・知能の進歩についていったい何がわかるのか? /HPから


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     道具を使うカラスの物語
     生物界随一の頭脳をもつ鳥 カレドニアガラス

     著者:パメラ・S. ターナー
     監訳:杉田昭栄
     翻訳:須部宗生
     ISBN978-4-89531-324-7
     定価:本体2,200円(税別)




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2018/2/24

散歩のおともに  books
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 鳥見る人イコール自然好き、なんて考えてます。文献で自然が理解できるとは思ってません、河原を散歩してて「なんでや」からの出発やないかな、まず知識ではないですよね。
 日本生態系協会の「にほんのいきもの歴」が文庫化されました。小難しい図鑑ではありません、この本で軽く自然の伝統的表現や文化にふれてみる。
 「二十四節気」て ? 雨水、啓蟄、清明、小滴、芒種、寒露.....、「なんでや」も、うっすら氷解しそうです。

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…「この本を開くと、木漏れ日や草花の香りを感じ、小鳥たちの声が聞こえてくるような気がいたします。私たちが忘れかけていた日本の美しい自然と大切な文化を忘れてはいけないと教えてくれる、素晴らしい本だと思います」――八千草薫(女優)...HPより


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         にほんのいきもの暦
        • 著者 公益財団法人 日本生態系協会
        • 定価 1,037円(本体960円+税)
        • 角川文庫




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2017/12/11

変な鳥ヤバい鳥どでか図鑑  books
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 店頭では見つけられなかったので、店員さんに尋ねた。
「あれねぇ、ありますあります、ちょっと見てきますね」
しばらくして、「これみんなでみてたんです、おもしろいですね」
「えっ、そうなんや、どこらが面白かったん ?」

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近年の研究で判明したことらしいのですが、「絶滅した」と多くの人が思っている恐竜は実は全然絶滅などしておらず、現在は鳥として私たちの周りに生息しているのだそうです。
それを知った瞬間、私は世界の景色の見え方が一変しました。庭にやってくるヒヨドリも、ゴミ袋を荒らしているカラスも、動物園のダチョウも、恐竜なんだ !
つまり私たちは現在、「ジュラシック・パーク」に囲まれて、生きているんだ !
私が「妙な鳥」にゾクゾクしているのはもしかしたら、そこに恐竜の残り香を感じているからなのかもしれません。たしかに「妙な鳥」たちは、どこか遠くから運ばれてきたような、本当は存在してはいけないような、そんな艶めかしさを放っています。
いま、書店には「美しい鳥」や「かっこいい鳥」などをテーマとした図鑑が跋扈しています。その中に一冊、「ゾクゾクするという鳥の愛し方」を主張している図鑑が紛れていてもいいのではないか。そうして生まれたのが、本書です。
また「現代の恐竜図鑑」として機能している図鑑でもありたい、とも思っています。/HPより


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    変な鳥ヤバい鳥どでか図鑑 
    私は妙な鳥にいつも体をゾクゾクさせている。
    エイムック 3799 • ワクサカソウヘイ/著述
    エイ出版社
    ISBNコード: 978-4-7779-4782-9
    税込価格 1,080円
    頁数・縦 96P 30cm




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