店の名前は......題名に隠れてます。
ここのとんかつは、揚げ色が薄い。キツネ色より一歩手前、クリーム色。
何年か前に行ったときには、あまり良い印象が無かった。
せんだって、ここのオヤジがTVのグルメ番組に出て「とんかつは『衣』!」と言い切っていた。
その饒舌な言いっぷりと蘊蓄を聞いていたら「開眼したのかな」と、もう一度と思って行ってみることにしたのだった。
出てくるなり、いやいやこりゃダメだ、銭置いて出てきてしまおうかなと思った。
腹も空いていたので、確認のため食ってみた。
予想は残念ながら激しく当たっていた。
揚げ色からすると、低温でじっくり揚げた、というより油で煮たというのが正解。
粗いパン粉に油が染みきって、衣はまるで油を含んだスポンジであり、これに肉の脂が合わさると、「油を飲む」がごとき状態に陥ってしまう。
百歩譲って褒める所も言いましょう。
「油が酸化していないので、まだ食える。」
「肉は脂が甘く良質なものと判断される。」
このオヤジ、いったい何にこだわっているのか?揚げ色か?
先にも書いたように、あの揚げ色にするには酸化した油ではダメだ。
こだわりが強すぎると「凶」と出ることもあるのだ。
揚がった後、別鍋の高音の油にくぐらせ、その熱で「油きり」をすればまだ「まとも」になる。
TVにも写っていたが、パン粉に力を加えすぎだ。
大きい塊が練った状態になってしまい、一旦油を含むと切れないのだ。
生パン粉使っているならもっとサクッとするはずなんだがなあ。
それでも何年もやっていけているし、ネットのグルメ情報の評判も悪いことは書いていないのでそれなりに固定客が居ることは確かだ。
ただ私の胃袋が受け付けなかっただけの話なのか。
これも何年も前のH市にあるラーメン屋の話。
店に入るなりオヤジが「何でこの店を知ったのか」とか話かけてきて、「俺はラーメン屋の指導をしていて最近も弟子が店を出して流行っている」だの、聞いてもいないこと食っている最中に話しかけてくる。それも返答を求められる。.......「ラーメンが食えない!」
某ランキングのサイトで、その店は断トツ「ビリ」だった。
饒舌なオヤジの店は気をつけたほうが良い。

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