午前6時の朝と昼ご飯の支度はまだ続いている。
奇跡だ!
米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れるもランプが点かない。
数日前、生炊きになったり、異音が出たりしていたのでもう寿命だろう。
しかし、米はもう研いでしまった。ピンチヒッターの炊飯器も無い。
さて、どうしたものか。米を捨てる訳にはいかないし、もう炊くしか無い。
台所の隅に女房が黒豆煮る専用の土鍋があった。
水加減は炊飯器にセットしたままの米と水を土鍋に入れることで良しとした。
火加減も何もわからないが兎に角ガスを点ける。中火ならいいだろう。
「はじめちょろちょろなかぱっぱ、あかごないてもふたとるな。」
もうこれは、「うまく炊けてくれ〜」との願いを込めた一種のおまじないだ。
やがて勢い良く蒸気が吹きだし、しばらくして落ち着いてきたので
蓋を開けてみた。ウチには「あかご」は居ない。
やや芯がある。
弱火にして数分たってから火を止め、朝食までの20分蒸らしておいた。
やや堅め。すし飯に丁度いいくらい。
土鍋は炊飯器にくらべたら開口面積がだいぶ広いので水蒸気の飛びが早いのだろう。
ふっくらではないが「まあ喰える」
だが、いままでの安物炊飯器では味わえることの無かった「おこげ」が
何十年ぶりに味わえたのが収穫だった。
毎回土鍋でご飯炊く余裕もないので午後ホームセンターで「二番目に安い」
P社三合炊きを買ってきた。
「おこげ」食べたくなったらまた土鍋で炊いてみよう。水加減は1割増しだ。

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