演奏会打ち上げ終了後、比較的早い時間だったので一人二次会で初めて行ってみた。
ここのマスターは10年以上前からの、私の店の「お客様」で、いつぞやは呑みに行こうと思っていたが場所が遠いし、出張仕事の帰りに寄る事も出来ずにいた。
ビルの2階にあるので狭い階段を上がって行き、ドアをあけると西部劇に出てくる様なスウィングドアが目の前に。
それをギイっと押し開けるとこのような光景が!

いつもウエスタンスタイルじゃらじゃらの正装?をしている名物マスターが出迎えてくれると思ったら、若いハンチングをかぶった男性店員と同世代の客が一人。後から店員の奥様であろう女性が入ってきた。
男性店員に「何にしますか?」と聞かれても、これだけの数のバーボンがある。呑んでみたいのを見つけるのにも時間がかかりそうだ。
数少ない知っているブランドのうちのひとつ「フォアロゼを水割りで...」と、いかにも全て知っているかの様なフリをして即答で注文。
お通しはクラッカー。メニューは文庫本くらい、もちろんほとんどお酒の銘柄、フードは後ろのページに見開きで2ページあるだけ。
こりゃ、本当に酒好きのための店だな...
「マスターは?」と聞くと「引退しました。9月から病気で...」とのこと、入院加療中だそうだ。
普通だったら店を閉めてしまいそうなところだが、今はこの店を愛して止まない馴染み客たちが日替わりで店番をしている様だ。
マスターがカウンターに立っているうちにここに来るべきだったと悔やまれたが、ここの火を消さないと頑張っている店員がいるということは、マスターの人柄のおかげなのだろう。
成功した演奏会の余韻を二杯の水割りで流し込み、マスターの快復を願って店を後にした。
........「また来るよ。」

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