自慢ではないが40代の頃から総義歯である。
何代目になかは定かでないが現在のものは15年ほど前に誂えた。
総義歯になるとなると歯の痛みの苦痛からも逃れられ歯科との縁もなくなるだろうと思っていたが、大いなる思い違いであることを体験した。つまり、歯は痛まないのだが歯茎に傷が生じて痛むのである。それも下歯茎なのでそんな時は食物を噛むのが苦痛になる。
加齢のために歯茎が痩せて、義歯が動いて歯茎に傷をつけるからである。特に下義歯にこの傾向が著しいという。噛み合わせの調整を怠るとこの現象が生じる。
歯茎の傷が生じる事が昨秋から度重なる。
それで、3週間前の診察で新しく下義歯を作ることになって毎週の歯科通いである。
老い先短いのを自覚しており、新しいものは求めないできたので義歯の製作は医療費の無駄使いになるのではないかと片身の狭い思いもないではない。たびたび治療で医療費を使うよりも、歯茎が傷つかないように義歯を新調した方が低額になるのではないかとも思ったりしている。
高齢になるに従い医療保険の使用や介護保険でサービスを受けたりで恩恵を受けているが、社会の役立たずな身の長寿に罪悪感を覚える。
黄昏時は寂しいもので陽が沈んで、早く夜になった方が潔いのに〜。

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